「私がモテてどうすんだ(TVアニメ動画)」

総合得点
66.1
感想・評価
417
棚に入れた
1929
ランキング
2936
★★★★☆ 3.4 (417)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.3
キャラ
3.5

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

突然に人生が乙女ゲーになった少女。

アニメーション制作:ブレインズ・ベース
2016年10月 - 12月に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、ぢゅん子。『別冊フレンド』にて連載されていた少女漫画作品。
監督は、石踊宏。

【概要/あらすじ】

女子高生・芹沼花依(せりぬまかえ)は、かなり太っている女の子。
漫画やアニメでありがちなキ○オタの女性バージョンなルックスなのは仕方ないとしても、
アニメキャラだけでなく、クラスメイトのイケメン男子同士が仲良くしているのを見ては、
攻め×受け を妄想しては血走った目をして涎を垂らしながら、
ハァハァ息遣いが荒くなってしまう、年齢=彼氏いない歴なキ○オタ腐女子なのだ。

腐った目線という病理があるものの、
それを除けば普通に心優しく、おおらかな好人物ではあるのだが。

そんな彼女が、いつもBL妄想の対象にしている大好きなアニメキャラ・シオンが死んでしまったショックで、
飲まず食わずで一週間引きこもったら激痩せしちゃって家族やクラスメイトからも、
『あんた、誰?』な別人のような美少女に変身し、その日を境に彼女の日常が一変。

花依が所属する史学部の部長・六見先輩は痩せる前も後も全く変わらず優しいイケメン紳士なのだが、
スポーツマンの五十嵐、見た目がちょいワルっぽい七島、
ツンデレドジっ子な美少年の後輩くん・四ノ宮、
花依はイケメンたち(後に女子一人も追加)に好かれてしまう。
花依が変わったのは見た目だけで、中身は太ってた時代と一切変わらない。
なので恋愛初心者ゆえに、男にどう接すればわからない!

これは、花依の恋愛乙女ゲーみたいな日常と五角関係を楽しむコメディである。

【感想】

原作全14巻を読了。イケボ声優を集めたりしてアピールの対象が露骨かな?

ヒロインは特徴的であり変顔とBLネタでギャグを盛りまくっているのだが、
個人的には笑いのツボにハマること無くコメディとしては低調。
ヒロインへの共感性とBLネタへの食いつきで面白さは視聴者次第というところか。

一方で恋愛部分に目を向ければ普通な少女漫画。
ので見た目はハーレムっぽい絵面なのだけど、原作読者もアニメ視聴者もお察しの通り、
4人のイケメンの中で花依の本命のお相手は花依が自覚する前から決まってたぽい。

激痩せと激太りを繰り返すヒロインの変貌と彼女に惹かれるイケメンたちとの心の交流とリアクション、
そして、モテモテになったヒロインが日常の中で真実の愛を見つけるというのが話の主軸なのではあるが、
残念ながらアニメ化部分では恋愛の進展はあまり無い。

『人間は見た目じゃない』という話と見せかけて、男性のキモオタやチンピラや、アニメでは未登場のストーカーが、
見た目通りの性格なので、見た目云々は主要人物同士のシチュエーション作り・話のネタ作りの範疇であって、
あくまでも、ヒロインの花依を例外的に褒められる存在として、
更には花依を視聴者の依代としてイケメンに囲まれるという夢のようなシチュエーションを、
共感して楽しむといった性格の作品なのかもしれない。
腐女子としての根治不可能な性癖部分を除いてのヒロインの精神性をとにかく持ち上げるという展開が繰り返される。
元デブで趣味が腐ってるけど、痩せたら可愛くて周りから愛される性格とか、一定の人たちの理想像・ファンタジー。
願望を実現させる物語としての原作の需要がアニメ化にまでこぎつけたのかもしれない。

夢や理想に脚色された世界。フィクションは得てしてそういうものではあるが、
男大勢&目当ての女の子が一人なんてトラブルが起こりそうなものだが、
作中ではイケメンたちが本格的な対立をしない性格の良さ。

“アナタハンの女王事件”“オタサーの姫”の奪い合いによるサークラ騒ぎ。
などといったことが起こらない、ただただヒロインに都合のいい世界。
ヒロイン自体にトラブルは起こるものの、大抵がヒロインが男に惚れられるということに起因していて、
それが女子同士の陰湿な妬み僻み・足の引っ張り合いに発展しない、
イケメンズは聖人揃いなので深刻なトラブルを起こさないあたり、
恋愛作品として、当たり障りのないライトなぬるま湯感が強め。

そして、作中で登場人物がテンション上げてはしゃいでるものの、BLネタ方面にネタが偏りすぎてるためか、
それを観ていてギャラリーとしての心情を超えること無く、自分が感動するとか共感するとか応援するとか、
そういう感情があまり起きなかったという点で、凡庸な作品かな?と思った。

原作込みで恋愛モノとしては、それなりに仕上がっているが、総じて見れば、
あまり心に残る作品では無かった。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2018/06/23
閲覧 : 554
サンキュー:

73

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