「映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年(アニメ映画)」

総合得点
62.7
感想・評価
14
棚に入れた
61
ランキング
4609
★★★★☆ 3.7 (14)
物語
3.7
作画
3.5
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ちびまる子ちゃんのファンですが…これは違う気がする…。

 「あにこれ」でも良いレビューが多い今作ですが…正直言いますと、個人的には全く楽しめませんでした…。

 「ちびまる子ちゃん」を「子供向け作品」と考えている人には、大の大人が今更今作をつかまえて、「面白くない」なんて書いてるのも変に感じるかもしれませんが、原作や他の劇場版2作は、「大人が楽しめる」作品でした。

 原作は未だに繰り返し読んでも笑えますし、劇場版の「大野君と杉山君」は非常に感動できるノスタルジックな名作です。「わたしの好きな歌」の音楽性と芸術性は、むしろ大人向けですし、音楽シーンだけでも繰り返し観る価値があります。

 そんなわけで、大人でも楽しめることを期待して今作に挑んだ私ですが、作品として「変わらない部分」よりも「変わってしまった部分」を強く感じました。

 以下批判的なネタバレ付き感想
{netabare}
「ちびまる子ちゃんらしくない」と感じた点
①キートン山田が空気…。
 原作を含め、「ちびまる子ちゃん」と言えば、ナレーター(キートン山田)のツッコミで成立してる部分があると思うんです…。しかし、今作は本当に目立ってないですし、物足りないです。

➁オチが来ずに終わる…。
 これはかなり残念な点の一つです。原作だって、感動する劇場版だって、最後は必ずオチがあって笑って終わる、それが「ちびまる子ちゃん」だと思います…。キートン山田が目立たなかった理由の一つでもあるかと。

➂丸尾君の扱いが可哀想
 一番嫌だった点かも知れません。丸尾君は周りがドン引きするキャラではありますが、「ちびまる子ちゃん」の世界では、周りがドン引きするようなキャラ達も、結局は輪の中に入れて一緒に出掛けたり遊んだりするんです。
 それだけに熱心に留学生と交流したがっていた丸尾君をあそこまで冷遇するのには違和感しかありません。ホームステイは駄目でも、旅行に連れて行ってあげればよかったと思います。
 花輪君は泣いて頼まれたら、若干引きつつも大抵のことは受け入れる懐の深いキャラだったはずでは?彼が最後まで断ったのが、ファンとして予想外でショックでした。(花輪君の提案が広まって沢山来ちゃうみたいな展開多いですよね…。)

④友蔵が普通過ぎて面白くない…。
 友蔵はさくら家のお笑い担当のボケ爺(さくらももこの祖父の理想像)ですが、今作の彼はまともなことばっかり言っていて、違和感しかありません…。
今のまる子だと、友蔵って阿呆なこと言わないのかな…?

その他物語的に嫌なところ
➄「イタリアから来た少年」の違和感
 物語の中心の彼ですが、不自然なほどにいい人です。そんな彼が、「マルコ」というあだ名だけで、丸尾君の頼みを断る辺りにそもそも違和感があります。

 また、イタリア人であるという設定をまんま忘れそうなぐらい、日本語がペラペラです。原作の「南の島」の話では、言葉が通じなくても友情が生まれる感動作を書いていたのに…。
 外国人が日本に来たなら、「言葉の壁」は多少なりとも描くべきでは?外国人の留学生が来るっていう展開は、小学生時代経験した人も多いと思いますが、最大の問題は「言葉の壁」でしたよね…。外国人にはせめてカタコト感でも出してほしかった…俳優とかタレントが声優やってるから無理だったのかな??

⑥留学生の声優がひどい
 完全に話題づくりのキャスティング。イタリア少年に感情移入しづらいのも、外人がみんな外人っぽくないのも、ひとえに声優が酷いって言うのもあるかもしれません…。俳優・タレント・芸人を使うならせめて、ハーフとか使えばよかったかも。
 外国人の日本語の演技ではなく、完全に日本語の下手な日本人の演技になっている。俳優の中には、いい声出す人もいますが、今作は全員最悪でした。
 TARAKOさんは相変わらず最高の演技しているのに…。「まる子ちゃん」でこういうキャスティングをしてほしくなかった…。(たいして話題にもなってないし)

➆綺麗なだけの絵柄
 絵柄が原作により近い「大野君と杉山君」、芸術的な作画で遊んでいた「わたしの好きな歌」…。どっちも今作よりどこか薄暗くて、古臭い感じはします。今作の絵柄はとても明るくて、綺麗です…。しかし、過去の2作の作画の方が絶対に魅力的です!!
 もちろん感性の問題だと思いますけど…過去2作しっかり観たなら、きっと作画に物足りなさを感じると思います…。
{/netabare}
 てな感じで、嫌いな点を沢山挙げてしまいましたが、感動シーンは一応あります。(私は泣けませんでしたが…)

 あとは小杉君とかが目立ってるのは嬉しいですね。

 大人が一人で観る作品としては全くお勧めできません。子供に見せる感じなら問題なしだと思います。
 
 ただ、どちらにしても、物語・作画・音楽、あらゆる点で「大野君と杉山君」の方が優れていますし、芸術点満点の「わたしの好きな歌」の方が見ごたえがあります。(後者は、放送を録画して楽しむしかありませんが…)

 原作の「南の島」の話とかを劇場化した方がよかったと思う…。

投稿 : 2016/11/19
閲覧 : 303
サンキュー:

4

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