「僕だけがいない街(TVアニメ動画)」

総合得点
91.6
感想・評価
3354
棚に入れた
15460
ランキング
29
★★★★☆ 4.0 (3354)
物語
4.2
作画
4.0
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

タイムリープ+ミステリーの面白さ

 原作は未読。
 基本的展開はタイムリープにより悲劇を回避しようというよくあるものだが、そこに犯人
探しというミステリー要素を加えることでひと味違った面白さが加味されている。
 犯人捜しという点では、演出上のミスリードなどもあって、結構色々な人物が怪しく
描かれて、なかなか楽しめた。

 主人公の藤沼 悟が小学生時代に戻って、誘拐殺人を防ごうとするわけだが、ここで
雛月 加代の家庭内虐待を知り、加代を助けようとする。
 結果としてはそれが誘拐殺人阻止にも繋がるわけだが、中盤はむしろこちらに焦点が
当てられており、タイムリープという非現実的設定の中に、児童虐待という現実的問題を絡めた
ことで作品に深みが与えられた感があった。
 この悟と加代に関しては、大人になった加代が悟の友人の杉田 広美と結婚していたことで、
ネット上の感想などを見るとショックを受けた人も少なからずいたみたい。
 俯瞰的に観ると悟と加代の描写がBoy Meets Girl的ないい感じで描かれていたために
そういう気分になるのも判らなくもないが、悟としては中身は29歳なわけでロリコンでも
ない限り、恋愛感情的ものはまったく無かったのだろう。

 この悟の誘拐殺人阻止に向けての活動だが、タイムリープ時はあくまで子供であるところが、
行動上の制約になっていて、話を面白くしていた感があった。逆に子供であるゆえに思いきって
加代や小林 賢也を始めとする友人達の懐に飛び込めた利点もあったように思えたけど。
 このタイムリープによる行動だが、一度目は失敗して、二度目に再チャレンジすることに
なるが、単に一度目の失敗を糧にしているだけではなく、二度目は自身の単独行動ではなく、
友人達に協力を仰いでいるところが印象的(まあ、一度目はそこに至る以前に失敗してしまった
ようだが)。
 ここで大きかったのが一度目と二度目の間にある2006年での片桐 愛梨とのやり取りで、
ここで知った「信じる」ことの強さが、結果として二度目の成功に繋がったように思えた。
 こうした「信じる」、そして「踏み込む」といった部分は最終的な2006年での決着にも
繋がっており、あくまで悲劇阻止のためにタイムリープだったのが、結果として悟の人間的
成長にも繋がっていたのが面白い。

 加代や愛梨といったヒロインも魅力的ではあるが、魅力的という点では母の藤沼 佐知子に
尽きるかなあ。まあ出来すぎという感もあったけど。

 とここまで褒めっぱなしだが、加代の家庭からの救出までがじっくり描かれた分、その後の
展開は幾分急ぎ足の感があったし、八代 学の濡れ衣工作もやや稚拙で、あれで悟が母を殺した
犯人扱いされるのはさすがに無理だろうと。

投稿 : 2018/03/11
閲覧 : 239
サンキュー:

10

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