「ステラのまほう(TVアニメ動画)」

総合得点
66.5
感想・評価
413
棚に入れた
1795
ランキング
2767
★★★★☆ 3.4 (413)
物語
3.3
作画
3.5
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.5

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

きらら的な可愛さほのぼの感と、創作系成長劇の調和が見所。やや地味ながら良作です

まんがタイムきららMAXの漫画原作、全12話。
高校生の少女たちが同人ゲーム作りをするお話です。
主人公の本田珠輝(たまちゃん)の可愛さと、独特の性格が醸すコメディー&ほのぼの感が良い感じ。
傑出した見所は少ないんですが、可愛さ楽しさと、創作の情熱や成長など各要素バランスの良い良作な印象でした。
…創作青春の過程で若干のシリアスあり、純然たる日常系萌えでは無い面もあります。

{netabare}『物語』
大人しくてふわふわした性格の高校一年生・本田珠輝(たまちゃん)が、SNS部(同人ゲーム作る部活)の先輩たちに誘われて、同人ゲーム作る事に。
絵心がちょっとあるだけ(しかも渋い劇画が得意)の素人なたまちゃんが、あれこれ悩んだりしつつ、少しずつ成長していく。

ゲーム制作&きらら系コメディー&かわいさ&ゆっくりとした成長劇です。
たまちゃんは新参の後輩で、先輩たちのゲーム制作体制が既に出来上がっている、という舞台設定により、ごく自然にゲーム創作活動と日常系学園コメディーを両立させているのが良かった。
初心者なたまちゃん目線で、視聴者にも初歩的なゲーム制作過程を見せてくれる。
ドラマの中心はあくまでもたまちゃんなので、「イラスト」以外の専門的な要素にはさほど踏み込まない辺りも親しみ易いです。

また、日常系萌えの最中でも創作に関わる心情やイベントが中心となるのも、日常系と創作系青春を絶妙に両立していた。
コメディーはゲーム制作や同人ネタ中心、詳しくなくても、苦労や可笑しさは伝わるネタ多し。
(あやめ先輩の、黒歴史なシナリオにまつわる羞恥など)
たまちゃんや部長辺りの性格に起因するコメディーも、キャラに親しみ感じてくる程に少しずつ面白味感じてくる。
たまちゃんをライバル視する飯野水葉(いいのみなは。通称はーちゃん)と、はーちゃんを天然な性格でいなしつつ、内心己の創作に壁を感じて悩むたまちゃんの関係も良い感じ。
コメディー的にも成長劇としても、相乗効果で分かり易いふたりでした。
はーちゃんはアイリス先生は尊敬するのに、正体であるあやめ先輩は最後まで気付かず敵視する等のお約束も確立、特に後半は安定して面白かった。

これらのコメディーの最中でも、たまちゃん(や、はーちゃん他キャラ)も自身の創作に悩みや葛藤あり、それも深刻さよりも、コメディー寄りな日常系の中で、あせらずゆっくりと自然に前へ進んでいく感じ。
基本的にはきらら系日常を謳歌しつつ、ゆっくり着実に成長していく。

中盤の藤川歌夜がスケジュール合わない危機や、終盤のはーちゃんの危機(厳しい家の意向で創作活動否定されかかる)がシリアスで若干日常系に水を差すものの、たまちゃんがいつの間にか逞しく成長していた成果を見れて、差し引きプラスな感じ。
ここら辺はきらら日常系としてはマイナスかもだけど、創作系青春も真摯な作風だと思ったです。


総じて、創作に打ち込む情熱・葛藤・成長と、きらら的な萌えやコメディーの調和が持ち味でした。
いずれの要素も欠点らしい欠点は少なく、ゆっくりとしたテンポで終始楽しく安心して見ていられた。
…強いて難(という程とは思わないが)コメディー・萌え(百合要素)・制作・劇的な青春や成長のカタルシス、いずれも抜きん出てはいない地味な作品かも。
ハーレム系・ラブコメ・キャラ萌え「冴えない彼女(ヒロイン)の育て方」
お仕事系・百合萌え・キャラ萌え「NEW GAME!(ニューゲーム)」
の強力な見所のある2作と比較して、地味ではあります。

コメディーは私的には(特に8話以降は)十分笑えたし、ゆっくりと一貫して成長していったのも本作特有の良さ。
※作風もテーマも違いますが「たまゆら」シリーズみたいな。劇的な成長では無く、ゆっくりとしたテンポで成長するタイプ。(主人公がお父さんっ子という共通点も)
地味ではありますが、少女の成長劇としては本作も十分良かったです。
萌え面では、百合要素が足りないのは惜しい。そういう作風ではないのを承知の難癖で。


※余談というかネタ
8話 はーちゃんに、以前私がSNS部に入部しようとして門前払いされた!と言われたたまちゃん「ごめん。よく覚えてない」
…「ブレンパワード」11話での・伊佐未姉弟の名(迷)会話(ごめん、覚えていない)を彷彿とするw

はーちゃん「SNS部かい?覚えているかい?本田環輝?」
たまちゃん「な、なにを?」
はーちゃん「以前私がSNS部に入部しようとして門前払いされた事があったろ?あのメガネ、むかついた…くやしかった…」
たまちゃん「ごめん、覚えていない。」
はーちゃん「そうか、そうだろうね!あんたはアイリス先生を慕い、今までの自分を断ち切って、SNS部に入部した!」
たまちゃん「違う(違わないけど)!はーちゃんだってイラスト部を離れれば、私の言おうとしたことは分かってくれる!」
はーちゃん「あんたのオジサン絵はアイリス先生(のゲームのイメージを)傷付ける!」
たまちゃん「はーちゃん!…だめだまったく抗体になりきっている…」

ニコニコ動画のコメで、複数のブレンパワード難民が湧いた(私含む)
その後同じ回で、電車でゆみねちゃんが「好きな声優さんが引退するとショックだよね」
ブレンパワードのジョナサン役(∀ガンダムのグエン・サード・ラインフォード卿でもある)青羽剛さんの事か…
青羽さんは本職は劇団員で、所属劇団が変わり、そこの方針で副業(声優業)禁止になってしまった。
…いやいや、全っ然ステラのまほうと関係ないな!
たまちゃんの意外と天然鬼畜(きんいろモザイクのシノ的)な一面が垣間見れて、その後の2人の関係含めて、私的に一番面白かったエピソードでした。


『作画』
きらら系の萌えを感じる可愛らしさあり。丸っこくてふわふわした印象。
萌え的に申し分なく、またゲーム制作シーンもまずまず。
見所はOPのドット絵で、本作の魅力が伝わってくる。


『声優』
たまちゃん役は長縄まりあさん。「六畳間の侵略者」のティア役の方です。
たまちゃん特有のふわふわした雰囲気出ていたのでは。
村川梨衣さんのダウナー系の演技や、小澤亜李さんのお調子者っぽい感じなど、少し新鮮で面白い。
はーちゃんの今村彩夏さん良かったです。

『音楽』
OP「God Save The Girls」が、少女がゆっくりと成長していこう的な雰囲気で良い感じ、前向きで可愛らしく、耳に残る良曲。
山場で挿入歌としても使われ、盛り上げていた。
ED「ヨナカジカル」の余韻も良い。


『キャラ』
たまちゃんは「大人しい系」「お父さんっ子」「実は結構もあぐれっしぶ」「なりたい自分を模索している」
と、「たまゆら」のぽって部長と共通点感じたです。
天然で独特の間や感性がユニークかつ可愛らしい、8話ではーちゃんに「ごめん、よく覚えてない」ケロっとした顔で言ったシーンに、意外と天然鬼畜要素も!?
先輩に対しても、真顔で空気を読む(けれど実は読めてない)シーン結構多く、ここら辺もコメディーに。

たまちゃんを「としのーきょうこー!」もとい「本田珠輝!」と一方的にライバル視するはーちゃん可愛いです。
ナイスツンデレ。終盤のヒロインでした。

村上椎奈部長が先輩の中では最萌でした。
引っ込み思案なのをムリしてがんばる…かわいい。

コメディー的にはあやめ先輩&アイリス先生面白いです。

神出鬼没な照先輩や、一見普通の友達に見えて腐女子なゆみねちゃんも可愛いんですが、出番少ない。
キャラ的には、良くも悪くもたまちゃん中心、それ以外の軸は弱い感も。{/netabare}

投稿 : 2017/01/21
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サンキュー:

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