STONE さんの感想・評価

3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

2クールながら、安定した面白さ

　原作は未読。
　ギャグもののようにあまりストーリー性のない作品の場合、2クールもあると1話ぐらいは、
だれた感のある回があったりするのだが、本作に関しては最後まで安定感を感じた。

　内容的にはシチュエーションそのもので笑いを取るより、小ネタの連発で笑いを取る
スタイルで、今の漫才の主流などに近い印象。
　その小ネタが多いためか、全体的にハイテンポで、セリフも早口気味な感じ。
　笑いの種類もドタバタした正統派なものから、シュールなものまで多彩。
　パロディやメタネタもあるが、多彩な髪の色やすぐに治ってしまうケガなどのアニメや漫画に
おけるお約束の部分を、作品内での超能力のよるものと設定付けるとは思わなかった。

　基本的には主人公である斉木 楠雄がツッコミ役で、回りのキャラがボケ役といった
スタンスであるため、この回りのキャラがとにかくお馬鹿ばかり。
　お馬鹿はお馬鹿だが、基本的にはいいやつばかりという印象で、照橋 心美のように裏表ある
キャラでも、別に腹黒キャラではなかったりで、作品内でのギャグの毒性が強かったりしても、
全体的に爽やかな印象があるのは、そのせいなのかなと思ったり。
　これに対する楠雄はクールであくまで自分本位なスタンスなのだが、目立ちたくない、借りを
作りたくないといった信条が、結局は回りを助けることになっており、彼の回りに人が集まる
ようになるのも判らなくもない。そもそも楠雄の信条は彼なりのツンデレなのかなと思ったり。

　キャストはレギュラーキャラは勿論、1回こっきりの役にも結構、有名所を配しており、
全体的に贅沢な印象。
　斉木家の両親(岩田 光央氏と愛河 里花子氏)、祖父母(山寺 宏一氏と田中 理恵氏)のように
夫婦役を本当の夫婦にやらせたりするキャスティングの遊びも面白かった。