「昭和元禄落語心中 助六再び篇(TVアニメ動画)」

総合得点
81.2
感想・評価
484
棚に入れた
2187
ランキング
413
★★★★☆ 4.0 (484)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.3
音楽
3.8
キャラ
4.0

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CQxhN58542 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:今観てる

すばらしい!

一期で声優さんの演技や演出に圧倒され、
二期も期待して観始めたけれど、果たして期待以上のものがでてきた。

2話は、過去のスキャンダルを暴かれた与太郎が、
精神的に不安定になって落語がうまくできなくなる回。

汗をかいたり、手足の指をもじもじさせたり、客の反応をうかがったりなど、与太郎が噺に集中できない様子や客が退屈そうにしているカットを所々に入れて、スベっていることが視聴者に分かりやすく伝わるように描かれている。しかし、そのような描写がなくとも、目を閉じて声を聞くだけで、スベっていることが分かるように演じられているところがすごいと思った。

例えば、「黄金餅」での火葬場まで遺体を運ぶくだりは、地名が羅列する長い語りとなっている。こうした説明的な語りの部分でどれだけ聞き手を引き込むかが噺家の腕の見せ所であるのだが、与太郎の語りは棒読みとまではいかないまでも単調で退屈である。「錦の袈裟」にしてもそうで、感情のこもるセリフならうまくできるのだけれど、説明的な台詞や決まった笑いどころの部分になると観客も与太郎自身も噺の中に入り込めず白けてしまっている。そうした細かいけど大事な部分が声優さんの演技を通してちゃんと伝わってくる。

2話に関しては、ストーリー構成も分かりやすく整っていて文句なしの出来栄えだったと思う。しかし、2・3話以降はストーリーが駆け足に進んでいき、置いてきぼりにされた感が否めなかった。作画や演出は丁寧に作り込まれていて、ハッとするシーンがいくつもあったが、劇中描かれる落語のシーンにはあまり魅力が感じられなかった。

具体的にいうと、6話の『居残り佐平次』では様々なアングルからのカットをテンポよく入れる演出は見事だが、声優さんの演技に対して空回りしているように感じられた。というのも、『錦の袈裟』で感じた、声優さんが意図的に演じたのであろう単調さが、居残りにおいても若干感じたられたからである。

けれど、成長していく与太郎という人物を演じながら、その上で噺の中の人物を演じ分けなければならないのだから、声優さんの苦労は計り知れないし、噺が単調に聞こえてしまうのは仕方のないことかもしれない。また、居残りという噺自体が部分的なシーンを切り取ってテンポよくやって面白い、というものではないので、短すぎる時間枠の中では噺の魅力まで伝えることは難しかったと思う。

6話を通してアニメならではの表現と同時に制約を改めて感じました。最後まで見ようと思います。

投稿 : 2017/02/16
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サンキュー:

5

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