「妖獣都市(OVA)」

総合得点
67.8
感想・評価
53
棚に入れた
235
ランキング
2248
★★★★☆ 3.7 (53)
物語
3.7
作画
4.0
声優
3.9
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

HINAKA さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

『妖獣都市』ある意味で初期の菊地秀行小説を、ほぼ初めての川尻善昭監督が描いたOVAの傑作!

初期OVAの傑作と言えると思います。
但し、当初は劇場版として少数ながら、劇場公開 されていますので〈劇場公開作品〉とも言えます。

しかし下記DVDの紹介にもあるように、当時はまだ販売もレンタルもVHSテープでしたが、基本的にはOVAとして扱われていました。
その為、劇場用として35ミリフィルムで製作された事が、当時のOVAとしては、破格のクオリティが実現できた理由の、1つである事は間違いないと思います。
ただしにその事により、これがほぼ監督デビュー作と言える、川尻善昭氏を始めとする、スッタフと声優陣の力量はいささかも損なわれるモノではなく、むしろより効果的に発揮されたのだと思います。

〈本の内容〉

魔界と人間界の休戦条約調印に来日した重要人物暗殺に動く過激派「妖魔」。
護衛の任に就いた「闇ガード」は、決死の闘いに臨む…麻紀絵の白い手が「妖魔」を引き裂き、滝蓮三郎の44マグナムが唸りをあげた。

〈DVDの内容(「Oricon」データベースより)〉

菊地秀行原作の小説を基に描いた伝奇アクションOVA。
声の出演、屋良有作、藤田淑子、永井一郎ほか。


内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)

菊地秀行の小説をもとにしたアクション・ホラー・アニメ。
魔界の一族‘妖魔’に立ち向かう、‘闇ガード’滝の活躍をバイオレンス描写満載で描く。


〈あらすじ〉

人間界と魔界の共存を妨げる者と人知れず戦う闇ガード。
人間界の闇ガード 滝蓮三郎と魔界側の闇ガード 麻紀絵は、両界の平和条約調印の為に来日するジュゼッペ・マイヤートの護衛を命じられ、調印阻止のために暗躍する魔界の過激派たちに対し、激しい戦いを挑む。


〈これがほぼ監督デビュー作と言える、川尻善昭氏について〉

本領を発揮したのは3年後の1987年に発表されたOVA『妖獣都市』だった。
ハードボイルドタッチ志向の川尻の作風と菊地秀行の原作が合致して高い評価を受け、これが演出家としての川尻の出世作となった。
初監督作の『SF新世紀レンズマン』では当初は絵コンテのみで参加の予定が、諸事情から現場のアニメーターの指揮を任され共同監督に就いた経緯があり、『妖獣都市』が実質的には初監督作品とされることも多い。

そして、改めてみるとこの作品からは、既に逝去された《出崎統》監督の影響が、色濃く反映しているのが、見て取れます。
特に分かり易いのは、後半クライマックスでの僅かに絵柄を変えながらの、反復(繰り返し)演出でしょう。他にも、出崎演出の影響が強く反映しています。
ただ、同じ80数分間の濃密な演出にしても、師匠とも言える出崎氏が劇場版『エースをねらえ!』〈詳細「劇場版エースをねらえ!濃密な85分の傑作!!(拙ブログ記事・リンク済み)」に比べると、人数と時間の制限など、むしろオーソ・ドックスな演出方法で、手堅くまとめたという印象はあります。

しかしこれは、原作を時間内にまとめるための、実に懸命な手段で結果として、ベテラン声優陣の事実上のセリフ対決でもあるバトル・シーンが、見事に盛り上がりました。
特に、「キャッツ・アイ」の長女・泪(るい)役で有名な、藤田淑子氏がこれほど全面に出たヒロイン役というのは、珍しい気がします。また、主人公であり且つ物語のナレーション的な、独白でこの世界を語る屋良有作氏は、「銀河英雄伝説」等の渋いナーレションで知られています。
そして、永井一郎氏とその宿敵役の青野武氏はに関しては、もはや言うに及ばずです。残念なのは、両名共が既に逝去されている事です。

〈以下詳細:拙ブログ記事〉→
http://aonow.blog.fc2.com/blog-entry-938.html

投稿 : 2017/02/02
閲覧 : 421
サンキュー:

5

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