「アルジェントソーマ(TVアニメ動画)」

総合得点
66.6
感想・評価
161
棚に入れた
1393
ランキング
2725
★★★★☆ 3.6 (161)
物語
3.8
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

妖精さん

本作は地上波ではテレビ東京のみという"関東ローカル"で、AT-Xで再放送もされましたが、見ていたのは極一部に限られていると言って差支えないでしょう。
知名度の低い作品ですが、物語の完成度は非常に高く、知る人ぞ知る名作と謳われるに相応しいアニメだと思ってます。


<物語>
前半は謎に包まれたエイリアンの来襲に立ち向かうフューネラルがメインで立ち回る構成から、21話で衝撃の事実が発覚、以降は完全にフランクことユーリ・レオノフの独壇場となって話が展開します。
21話の衝撃の事実というのは、エイリアンの正体が過去の宇宙船事故で肉体が変貌・分裂してしまった地球人であったというもので、故郷の帰還を果たすために地球に飛来していたに過ぎなかったのでした。
エイリアンが巡礼ポイントに到達したらカタストロフが起きるというのは人類の思い込みであり、地球人同士で戦っていたと判明して物語に落ちが付くのです。
察しの良い方は直ぐに検討が着いたと思いますが、この結末は「ウルトラマン」23話を思わせる構成になっています。
エイリアンの死骸を継ぎ接ぎして設計されたフランクのデザインも、「ウルトラマン」のジャミラには程遠いですが、「パワード」に登場するジャミラと物凄く似ていて、オマージュを匂わせています。
そもそもアルジェントがイタリア語で銀の意味、ソーマがギリシャ語で肉体の意味なので、タイトルの時点でお察し。
元ネタありきといえばそうなんですが、何しろ落ちへの持って行き方が秀逸で、会話の節々から感じられる海外ドラマの風味も質感を増すのに役立っています。

<作画>
ポストエヴァが求めてられていた時代ということもあって、本作は「ラーゼフォン」と共に「エヴァ」のパクリ的な烙印を押される事も多いのですが、そんな事は無くて、寧ろ同じ特撮好きの監督が作った兄弟分ような関係だと思ってます。
キャラデザが村瀬修功さんで、「ガンダムW」や「ガサラキ」の匂いがムンムンと立ち込めていますね。
戦闘描写は精緻且つ大迫力で映画を見ているようです、流石はサンライズ。

<声優>
フランク役の高田祐司さんは、「スクライド」や「コードギアス」ではお馴染みの声優ですが、もっと色んなアニメで活躍を期待したいところですね。

<音楽>
本作はEDの「Horizon」が最も特徴づけていると言って過言ではないです。
Sphereという声優ユニットではない歌手グループが歌っていて、男女混声のサウンドがまず心地良いのと、何と言っても本編とのリンクが目玉です。
最初見た時は、本編の禍々しさに比べてこの陽気な曲調は何なんだ、この宇宙飛行士は誰なんだ、と本気で疑問に思っていました。
ところが物語が進むにつれて意味が解った時の、快感と言ったら筆舌に尽くしがたいです。
EDが伏線って個人的に大好きなので、もっと増えてほしいです。

<キャラ>
タクト・カネシロ改めリウ・ソーマがMr.Xに見出されたのはただの気紛れでしかなかった。
それでも、リウは愛人を殺したフランクに対して憎しみを抱えるとともに、一方でフランクに最も理解を示していたのでした。
だからこそ、フランクも切り刻まれた心が復元したのだと思います。
一応主人公はリウ・ソーマなので、分かり難く感じましたけど、面目躍如といった具合でしょうか。
それにしても他のキャラも異様な濃さで、腹に一物を抱えすぎなんですよ。
ただ、前半のフランクが飾りのようにしか思えないフューネラルの活劇があったからこそ、後半の一驚に繋がっている節もあり。
キャラクターを通しても完成度の高さが伺える作品だと思います。


DVD収録の未放送話が1話あるんですよね、そちらはまだ見れてないです。
最近abemaで放送していたらしく、話題に挙がっていて懐かしくなりました。
また見返したいです。

投稿 : 2017/02/23
閲覧 : 454
サンキュー:

7

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