「デュラララ!!×2 結(TVアニメ動画)」

総合得点
72.3
感想・評価
688
棚に入れた
4355
ランキング
1161
★★★★☆ 3.7 (688)
物語
3.6
作画
3.6
声優
3.9
音楽
3.6
キャラ
3.8

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じぇりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

まるでルービックキューブの如き街・池袋

ここでは、2期(承・転・結)のレビューをまとめて書くことにする。

第1期放送より5年経ってからの第2期。果たして1期の内容をどこまで覚えているか…がまずは試される。(原作を読んでいる人は別として)
1期時点で既に数が多い上にその関係性も複雑だった登場人物が、2期になってさらに増える増える絡まる絡まる…。
さらにもう収束したかに思われた事件の蒸し返しがあったり、1期で退場と思われた、あるいはモブ同然の扱いだったキャラが再登場してくるなど、全くもって軽い気持ちで視聴を始めたらエラい目に合う作品だ。
新登場キャラも暴走族・殺し屋・ストーカー、果ては極道と、物騒なことこの上ない。もうカオス。

ルービックキューブというおもちゃをご存じだろうか。
言葉で説明するのは難しいのだが、簡単に書くと色のついた立方体パズルで、各面の色を一旦バラバラにした状態から、キューブを回してその色を元のように揃える、という知育的なおもちゃである。
デュラララにおける池袋の町は、さながらこの配色がぐちゃぐちゃになったルービックキューブのような状態で、次々に起こる事件をきっかけにそのキューブが少しずつ動いて複雑化し、なかなか完成を見せない様相を呈している。

物語は1期終了時の半年後から始まる。季節は春、帝人や杏里は高校2年生に、そして新入生が新キャラとして登場。
中盤辺りから夏休みに入るのだが、どのキャラも例外なく季節感ゼロの長袖装備、臨也のファー付コートはもはやオールシーズン対応のトレードマークなのか、なぜ誰も半袖を着ない!?…とかツッコんでいる暇があったら、ちゃんと画面と台詞に向き合ってなさい、でないと置いてくよ、と言われんばかりの複雑怪奇なストーリー展開。

とはいえ、これだけ多くの登場人物が複雑に絡み合う中で生じる数々の伏線と、その回収方法の鮮やかさ、良く考え抜かれていて素直にスゴい、面白いと感じる。
人物描写に重点を置き、ストーリーの進行が緩やかな回があったかと思えば、畳み掛けるような超展開続きの回もあったりで、まるでジェットコースターのような作品だ。

登場するキャラクターというキャラクターの殆どが、人間としては規格外的な強さと頑丈さを持ち合わせているのも、この作品の特徴。
1期で贄川周二という記者が「池袋最強は誰だ」みたいな取材をしていた回があったが、そんなこと安易に決められない程、この作品の池袋という街はヤバい輩で溢れかえっている。

しかしデュラララに於いて、さらに「ヤバい」のはその武力的な部分よりも、精神的な部分にある。
頭のネジが1本も2本も外れているイカれた人物達が、常人の考えも及ばぬ動機で、突拍子もないことをしでかすからこそ、この作品のストーリーは成り立っている。
人の狂気によって引き起こされる事件の数々が、人並み外れた戦闘力によって沈静化されていく。でも力でねじ伏せても人の心は変わらないので、また新たな形で事件が起こる―そんな構図だ。
終盤は、同時多発的に事件が起こり、様々な場所で各キャラクターがそれぞれに動くので、「これあと●話で話終われるの?」と心配するほどであったが、既に完結している原作に沿う形で、大きなモヤモヤも残さずに結末に持って行った点は評価できると思う。

声優の演技も光っていた。中心人物は有名どころで固められていたが、サブキャラにも味わいのある演技をする人がいて、例え役割はクズキャラでもなぜかその人間味あふれる演技で愛着が沸く…ああ、これが「息を吹き込む」という作業なのだな、と実感した。
善人と悪人の境が曖昧な本作品ではあるが、分かりやすい悪役も含めて、嫌いなキャラクターはいない。
そういった意味でも、私にとってデュラララは稀有な作品である。

そう、何故かどのキャラにも愛着が沸く私―もしかしたら私にも、どんな人間でも例外なく愛しているという折原臨也のような要素があるのかもしれない。
私も情報屋になろうかな♪

投稿 : 2017/02/28
閲覧 : 337
サンキュー:

2

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