「ばらかもん(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
2931
棚に入れた
14362
ランキング
61
★★★★★ 4.1 (2931)
物語
4.2
作画
4.1
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.2

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じぇりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

あやうく落涙寸前までもっていかれそうになった。

都会育ちの書道家の主人公・半田清舟、通称「先生」が、とあることをきっかけに長崎は五島列島に移住して、島民との交流を通じて自分らしい書道のあり方や人間的成長を見つけていく、ある種ハートフルな作品である。

視聴当初は、田舎の島でのスローライフを描いたほのぼの系のアニメかなと思っていたが、割とギャグ要素も強い賑やかな作品である。
その賑やかさの元は、小学一年生の「なる」を始めとした島の子供たちによるところが大きい。

よく言えば擦れていなくて、明朗快活・天真爛漫な子供たちだが、正直いってここまでやんちゃが過ぎると最早「悪ガキ」の部類に入れても問題ないくらいだ。
この子供たちに先生のパーソナルスペースやプライベートがあっさりと浸食されていく様がギャグタッチで描かれていて笑える内容になっているのだが、大人になるとこのくらい強めの力が作用しないとなかなか気付きを得られるものではないのも事実。
豊かで美しい五島の自然や島民たちとの交流、そして何よりも子供たちとのドタバタな日常によって、徐々に内面にも書の道にも変化を見せていく先生の姿は、見ていて微笑ましい。

方言がきつく、よほどの演出上の理由がない限り字幕も出ないので、正直キャラクターたちが何をしゃべっているのか理解不能な場面がいくつもある。
ただそこは別に、無理に意味を探ろうとせず画面とキャラの表情で「なんとなく」汲み取る程度でいいのかな、と思う。
そもそもの「方言」が持つ、独特の暖かさや大らかさみたいなものも、「ばらかもん」の放つ心地良い雰囲気の一つではなかろうか。
というか、標準語をしゃべる先生すら何を言ってるか聞き取れない時もある。小声でブツブツ独り言を言っているかと思えば、急に大声で叫んだり、早口になったりで、ヘタレでテンションの上がり下がりが激しいこの役を、のびのびと楽しそうに演じている様子の小野大輔さん(笑)

で、声優と言えばやはり子役たちの活躍抜きでは語れない。
小学校低学年の子供たちを全員子役にし、さらに方言まで入れてきている点は、素晴らしいの一言に尽きる。
この「田舎のやんちゃな子供たち」を見事に再現できたからこそ、「ばらかもん」のリアルさが一層増して良い作品に仕上がっているのだと思う。

個人的にツボだったのは3話の冒頭である。
終始笑いの詰まったギャグシーンではあるものの、子供たちも先生の影響を受けていっていることが垣間見える良いシーンである。
ストーリー的には8話がマイ・ナンバーワン。田舎独自の風習が学べつつ、島民たちの交わりの深さと、すっかり島にも馴染んで子供たちともナチュラルに同じ目線で接している先生の愛情のようなものが滲み出ていて、心に響いた良い回であった。
主にギャグシーンで頻繁に流れる、どこか間抜けなBGMも秀逸だ。

それを意図して作られた作品ではないような気もするが、「癒し」のような効果があることは確かだ。
万人受けしそうな作品。よろしければ是非ご覧になられたし。

投稿 : 2017/03/07
閲覧 : 341
サンキュー:

15

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