◇fumi◆ さんの感想・評価

4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

恋愛アニメを期待して一度途中断念。これは楽しいネトゲ部活アニメ！

2016年放送のテレビアニメ　全12話

原作　聴猫芝居　監督　柳伸亮　構成　高橋龍也　キャラデザ　矢野茜
制作　project　No.9

既刊15巻という人気シリーズ累計100万部のラノベ作品。
以前、リアルタイムで見て、どうもついて行けず断念した作品ですが、
「あにこれ」で修業した今の私ならと再挑戦。めでたく完走しました。
恋愛ストーリーを期待するとがっかりします。
これは「ハルヒ」や「はがない」や「俺ガイル」の流れを汲む「謎部活」ジャンルです。

正式名称は「現代通信電子遊戯部」通称「ネトゲ部」
そこに集まった学生たちと、ネトゲの参加者たちの青春ギャグアニメです。

ネトゲ部立ち上げ時のメンバーは

西村英騎（ルシアン）　CV豊永利行　
ネトゲ好きな高校1年生　帰宅部だった。
玉置亜子（アコ）　CV日高里菜　
高校１年生ネトゲでしか会話できない対人恐怖症だった。やや不登校ぎみ。
瀬川茜（シュヴァイン）　CV水瀬いのり
英騎のクラスメイト　オタク嫌いの隠れオタク　男の友情にあこがれて男性キャラでネトゲライフ。
御聖院杏(アプリコット）　CV M・A・O
高校2年生　生徒会長　ネトゲではギルドマスター　実家が金持ち　リアルでは友達と呼べる人は居ない。

以上の4人のネトゲ仲間で立ち上げたもので、多少増えるがネタバレなので。

以前、断念したお詫びも兼ねて多少甘く評価しましたが、実際にアニメとしてのレベルは高いです。
多分、最大のネックは萌えるキャラが見当たらないと言うことで、
後半はネトゲに専念した、割とマジな部活ものになっていました。

ネトゲをやれば嫁が出来る宣伝かと思ったんですが、全然違いました。
ネトゲはネトゲ、現実は現実、そこを割り切れ！いや割り切れない！
とかの痛切な叫びは主人公二人だけのもので、キャラたちは普通にネトゲを楽しむ感じです。
友達が居なかった学生たちが部活によって友情を知っていくという設定は、
「僕は友達が少ない」に近いタイプで、これにネトゲという競技が加わったものでしょう。

ネトゲ内は結構面白い物語性があり馬鹿っぽいギャグも多く楽しい世界。
リアルは、なぜか非常に明るいムードでミニスカ女子の萌えシーンが多いのが変ですが、
それは他のアニメでもよく見られるパラドクスです。
女性っぽいファッションが嫌だとさけぶ女子の制服が超ミニスカと言うのは良く見ます。
「はがない」の三日月夜空もそんな感じでした。
この辺の整合性が上手く取れれば安心できるのですが、
やはり、まだ萌え第一主義が邪魔しているのでしょうね。
いや、でも制服はミニスカのほうが絶対に良いのです。理由が欲しいだけです。
美人なのに友達がいないという基本設定は多用されると物語性が失われますから。

と言うことで、ネトゲ内の楽しいファンタジーと、大雑把に萌え萌えな学園生活の、
二兎を追ったアニメですが、まあ成功作ではあると思います。
基本設定の割に明るく楽しい学園ライフを描いた深く考えるなギャグアニメ。

たぶん、いくつかの基本的な過去作品を観ている方が楽しめる中級者向け作品でしょう。
明るく楽しいに越したことは無いので、心に余裕がある人なら受け入れられると思います。

自分を試す意味でも視聴をお勧めする意外な逸品でありました。
観て良かったと思える作品です。