「亜人ちゃんは語りたい(TVアニメ動画)」

総合得点
86.5
感想・評価
1113
棚に入れた
5433
ランキング
192
★★★★☆ 3.7 (1113)
物語
3.8
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

内包するテーマが重みを

 原作は未読。
 亜人のいる世界を舞台したコメディで、人間社会内における人間と亜人が共存する日常という
点では、「モンスター娘のいる日常」(以後、モン娘と表記)に共通する部分があるが、モン娘の
亜人達が自身バックボーンを持つ社会から人間社会にやってきたという点で、留学あるいは仕事で
海外からやってきた人のメタファーのようで、異文化の邂逅における問題点を提示していたのに
対して、本作の亜人達は既に人間社会に存在しており、そういう点では障害者などの社会的
マイノリティのメタファーになっているみたい。
 本作はこういったテーマ性を持つことで作品に重みを与えている感があった。

 内容的にはタイトル通りにキャラ同士の語り合いが多く、時折問題が生じたりもするが、それも
あまりドラマティックな展開になることもない。そういう意味では全体的に静的な淡々とした印象。
 亜人の穏やかな日常を描くという点ではこの淡々とした感じがいい味を出していたと思うが、
一種の学園ドラマとして捉えるとちょっとおとなしすぎるかなという感も。
 その理由の一つとしては高橋 鉄男と亜人達との関係性が亜人への関心という点では他者より
深いものになっているが、まだ個と個のつながりは弱い感があった。現実だと教師と生徒が
そこまで深い関係になる必要はないと思うが、そこはドラマという点でもう少し踏み込んで
欲しかったかな。
 キャラの関係性に関しても高橋先生と亜人達のラインがほとんどで、人間と亜人の生徒同士の
関係性も始まったばかりという印象。
 こういった諸々の点では、ストーリー的にはこれからというところで終わってしまった感が
あった。

 コメディとしても淡々とした味わいやシリアス性を内包したテーマ性を大事にしているためか、
あまり派手なギャグに走ることもなく、落ち着いた感じ。
 逆に言えば笑いは少なく、コメディにしてはダイナミックさに欠ける印象に映るかも。
 他作品ではファンタジー要素で語られる亜人の特徴を科学的考察する要素はなかなか興味深く、
こういう点は「蟲師」を思い出したりもする。

 亜人のヒロイン達は小鳥遊 ひかり、町 京子、日下部 雪の三人の生徒に、教師の佐藤 早紀絵も
含めて、いずれもいい子達ばかり。
 ただ、これもヒロインの可愛らしさを堪能する分にはありがたいが、ドラマ的には少し物わかりが
良すぎたかなという感が。
 一人ぐらいは知り合った当初の当たりはきついような一種の攻撃的な要素を持ったヒロインが
いても良かったんじゃないかと。

2019/09/29

投稿 : 2019/09/29
閲覧 : 219
サンキュー:

6

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