「言の葉の庭(アニメ映画)」

総合得点
85.8
感想・評価
1993
棚に入れた
9498
ランキング
215
★★★★★ 4.1 (1993)
物語
3.9
作画
4.6
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.8

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ネタバレ

かもかも さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

夜眠る前、朝目が開く瞬間、気付けば雨を願っている

”君の名は”を観てきたということで新海誠監督の”言の葉の庭”も視聴
この方は切なさを表現したものが多いですが
そんな中でも希望が持てる、前向きになれる作品でした
46分と短い時間の中でしっかり伝えたいことを描かれていたのは凄いなと感心してしまいます
私は新海誠劇場で一番のお気に入りですね

他のレビューでも見られますが今回のテーマは孤独からの自立なのでしょうか?

〜〜セリフからの考察〜〜
タカオ「雨の日の一限はサボり」
母親は家族を放ったらかし高校でも上手くいかず
やむを得ない現実から逃げていた

タカオ「靴を作ることだけが自分を違う場所に連れていってくれる」
昔家族の仲良かった頃靴をプレゼントし喜んでもらえたことがタカオにとって今も救いとなっている
だから靴を作ることは幸せだった頃を思い出す1つのアイテムなのだ

ユキノ「どうせ人間なんてみんなどっかちょっとずつおかしいんだから」
悪いことをしていなくてもなんとも生きにくいこの世界
そんな社会の不合理に疲れてしまったユキノ
タカオは弱った彼女をどこか母親と重ねて見るようになる

ユキノ「私、まだ大丈夫なのかな」
過去の事件ですっかり自信を失ってしまったユキノ
しかしタカオと出会い必要とされた
大人としても先生としても威厳を保つことができた

ユキノ「あれ以来私、嘘ばっかりだ」
仕事も歳も抱えた悩み、名前さえも教えなかった
知られれば離れられるかもしれない、誰からも必要とされないと恐怖から本当のことを打ち明けられずにいた

タカオ「今まで生きてきて幸せかもしれない」
ユキノ「今が一番幸せかもしれない」
ユキノはタカオとの関係の中ではということでしょう
人生経験の差というのが現れたシーンでした

ユキノ「ユキノさんじゃなくて先生でしょ?」
タカオは必要としたい、ユキノは必要とされたい
けれど彼らの相互関係は終わった
ユキノは自立し歩き出さないといけない
しかしタカオが去ってしまうとまた落ち込んでしまう

ユキノ「あの場所で私、あなたに救われてたの」
ユキノは必要とされていなくても前を向かなければいけないと決意する
タカオに本音を言った時依存から脱却し本当に自立したと言えるのです

タカオ「歩く練習をしていたのはきっと俺も同じだと今は思う」
時が経ちユキノに向けていた感情が母親と同じようなものだと気づく
タカオは自立するため送るはずだった靴をそっと置く

〜〜〜〜〜〜

演出について
靴とはタカオにとってはユキノ
ユキノにとってタカオのことを言っていたのでしょう

電車に乗れずベンチへと向かう靴の音(タカオへの依存)
階段へ裸足で向かう(タカオへの依存脱却)
靴のサイズを調べたかった(ユキノについて知りたい)
靴をベンチに置いていく(タカオの自立決意)

他にも心情が雨とリンクしていたり傘の対句などいろいろ凝っている模様

何故大人の女性に幼い声の花澤さんを使うのか最初は疑問でしたが
大人っぽくなさを演出したかったのではないかと今は思います
確かに27歳と15歳の距離を感じず親しみやすかったです


レビューを書いていると改めて凄いなと思わせてくれますね
そろそろ梅雨の季節ですか
雨の日でもふと思い出すと少しは元気を取り戻せるかも
さあ明日も頑張ろう!


余談
ユキノと聞いて私は俺ガイルを思い出しましたが
憧れ、依存など八幡と雪乃の境遇が重なっている部分がありました
こういう終わり方だったらいいなと勝手に想像しております笑

投稿 : 2017/05/13
閲覧 : 333
サンキュー:

20

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