「南鎌倉高校女子自転車部(TVアニメ動画)」

総合得点
63.5
感想・評価
205
棚に入れた
747
ランキング
4213
★★★★☆ 3.1 (205)
物語
3.0
作画
3.2
声優
3.2
音楽
3.2
キャラ
3.1

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:----

お嬢さん女学生?の成長記&ゆるふわ観光案内。あやふやなコンセプトが難、でもこのユルさが好ましいです。

タイトル通り、女子高生の自転車物アニメ全12話+特別編1話です。
放送時期が近い「ろんぐらいだぁず」と同系統のエンジョイ重視、本作は本作で良さがありました。
コンセプトがあやふやな為か評価しづらい(されづらい)のですが、楽しく視聴出来た好感の持てるアニメでした。

{netabare}『物語』
鎌倉の女子高生たちが自転車部を結成、学校側から期限付きで実績作りを求められ、色々な自転車の楽しみ方を模索していく。

主人公・舞春ひろみちゃん達の通う南鎌倉高校はなんとなく「お嬢さん学校」(「お嬢様」ではなく「お嬢さん」)めいた上品さがあり、自転車部の活動も校長による「淑女教育の一環」だった…ような印象。
序盤1話の校長の薫陶で淑女の理念の一端を示しつつ、少女たちの自転車部を通しての成長記、だったのではなかろうか。
初心者も含んだ自転車部が、自分たちで自転車の楽しみ方を探していく、その過程が大切だった、多分。
…活動資金面での著しいご都合主義も、彼女たちが上流環境の子女?だと見ると、まぁ納得かも(苦しい?)

…でも一見すると「ろんぐらいだぁず」と被る、ゆるふわ自転車入門アニメ。
こちらは女子高生らしく、部活動の制約が良くも悪くも話を転がしていく。
水泳部との対決など高校生らしい青春やドタバタ劇もあり。
その過程で鎌倉の美しさを紹介したり、優しい世界でテンポ良く(ご都合主義で)自転車入門だったり。

スポコン要素は乏しい、それでも中盤いきなりレース展開…
「弱虫ペダル」ばりの勝負、でも着ぐるみライダーが居たりと妙にコミカルさも。
レースはそこそこ面白かったのですが、3話に渡り中途半端に本格レースはちぐはぐな印象。
序盤がスロースターターかつエンジョイ系?と思わせての本格レースは準備不足に感じる。

9話で留学生サンディー登場以降は競争よりもエンジョイしよう!なコンセプトが明確になり、鎌倉の美しい情景も相まって雰囲気良かったです。
ただ、自転車入門としては可もなく不可も無く。

終盤はお約束な流れ…からの校長による答え合わせで総括。
「自転車を楽しむ事」ありがちですが、本作のテーマに沿っていて分かり易い。
ひろみたちが自転車や自転車部を通して健やかに成長した、その過程こそが大事なんでしょう。

放送遅れた13話は台湾編、費用面他のツッコミ所は(お嬢様なんだろうな)で気にしなくて良いと思う。
台湾紹介としても中々。
一転して夏海ちゃんがメイン主人公に。
台湾人のガイド・徐静媛(スー・ジンユア)との交流、高い目的意識で先を歩む人生の先達から良い影響受ける、良き青春ドラマであった。


…総じて?
自転車入門アニメとしては「ろんぐらいだぁず」に比して中途半端さが目立つ。
ゆるふわ面は女子高生らしい近しい関係性が良いものの、ここもさほど期待できない。
メインコンセプトと思われる「自転車部を通してのお嬢さん学生の成長」も、本格派の青春劇のような劇的な成果が出るタイプではなく、非常に地味。
夏海が徐(スー)さんとの出逢いで成長するも、13話単独で成立しちゃう、12話までの話は必須じゃない。
本作の評価が芳しくないのは、目に見えて成果が分かるタイプの作品では無い、見所が不明瞭だからかも。
1クールアニメとしては多分埋れていくタイプ。

では全くの駄作かといえば、そうとは思わないです。
ドラマチックさは欠けていても、少女たちが自分たちで楽しさ模索する過程そのものが尊い…ような?
優しい世界で(資金面のご都合黙認できれば)不快感無く、色んな角度から伸び伸びと楽しむ。
明確な見所と成果が求められる昨今の作品群の中で本作はある意味「贅沢」と言えるかも。
贅沢は無為・地味と表裏一体ではありますが…
私は本作のような地味な作品、好きです。



『作画』
キャラデザはやや古い感じだけど好ましいです。かわいい。
自転車の描写もさることながら、鎌倉の美しい背景描写がかなり良い感じ。

『声優』
ひろみ役の上田麗奈さんはベストキャストとはいかなかったかも。
でも概ね配役は良かったです。
サンディ役の竹内恵美子さんは脇役多数の中で本作が初主要キャスト、外人娘良い感じ。
何気に比嘉夏海役の藤原夏海さんが良かった(キャラと名前同じ)、13話のスーさんと同時キャスト。

『音楽』
OP「自転車に花は舞う」はテーマに合っていて出だしも印象的。
好みの曲でした。


『キャラ』
「ろんぐらいだぁず」が主人公一強で周囲地味なのに対し、本作は逆に主人公イマイチで周囲の層がそこそこ厚い感じ。
舞春ひろみちゃん、能天気でこの手の主人公の典型なのですが、自転車楽しむ事は最初から完成されていた為か、良いキャラだけどやや地味。
でも、がんばり屋のお嬢様冬音、親切な眼鏡っ子の巴との掛け合いは楽しい。

短髪褐色の比嘉夏海ちゃんの方が若干印象的、水泳部との騒動のきっかけだったり、13話で人生の目標出来たりと、彼女が主人公の方が良かったような。
徐(スー)さんは志高い立派な若者、頭が下がるです…。

クマの着ぐるみや独特の思考が面白い外人少女サンディーが一番印象的でした。
彼女絡みの掛け合いあると少し面白さ増す感じ。

見た目子どもな大人、ころね店長があざとくキャラ立っており、一番可愛い。
お助けキャラとして本作のご都合主義をカバー。{/netabare}

投稿 : 2017/09/11
閲覧 : 409
サンキュー:

32

南鎌倉高校女子自転車部のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
南鎌倉高校女子自転車部のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

どらむろが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ