「夜は短し歩けよ乙女(アニメ映画)」

総合得点
74.2
感想・評価
333
棚に入れた
1734
ランキング
909
★★★★☆ 3.8 (333)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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M.out さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

このアニメーションは至高です

 一言で言うならば「最高だった」としか言えないだろう。

 私は湯浅政明が好きだし、森見登美彦も好きだし、四畳半神話大系は大学生のバイブルだと思っているような人間だから、これほど夢膨らむ映画はそうそうない。そして、その期待を裏切るようなことはない。

 最近のCGなどを用いたリアリズムの支配するアニメとは対極に位置する本作である。登場人物の体は軟体動物のようにくにゃくにゃ曲がり、まるで夢の中にいるかのような、抽象的な画作りがされる。
 それが心底、楽しい。
 奇妙キテレツ詭弁踊り、飲食時の異常なまでの過剰演出。
 見るからに阿呆な画であるが、これが速い展開の中で次々に立ち現れて、奇怪な祭りのような騒がしさがある。阿呆はただの阿呆にすぎないが、高速で展開される度が過ぎた阿呆はとんでもない中毒性を持つ。一度味わってしまったら、湯浅政明ファンになること請け合いである。それくらいヤバイ。これは森見登美彦の文体に通じるところがある演出かもしれない、などと思う。

 これは「ご縁」の物語。全ての出会いにはご縁がある。いくら厭世的であろうとも、人は人と繋がってしまう。不思議な運命の糸が絡み合い、一夜は一年のような濃密さで現れて、一年は一夜のように瞬く間に終わっていく。まるで祭りのようなその一夜に、視聴者すべては救われるに違いない。

投稿 : 2017/07/18
閲覧 : 192
サンキュー:

8

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