STONE さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

いかれた者どものギャンブルの宴

　原作は未読。
　ギャンブルものと言うと「カイジ」シリーズなどを思い出すが、これまでのギャンブルものの
主人公が勝利を第一に考えているのに対して、本作の主人公である蛇喰 夢子はギャンブル自体の
スリルを優先させているのが面白い。
そのためイカサマ暴きも勝つための行為ではなく、運を天に任せるために余計なものを排除して
いるといった印象。
　イカサマトリックや頭脳戦はそれほど凝ったものではなかったが、その代わりに堪能できるのが
キャラの狂気とそれが表に出る顔芸。
　狂気という言う点ではほとんどのキャラが大なり小なりいかれているが、主人公の夢子からして
かなりやばい人という感じで、美少女主人公にあんな顔をさせる作品も珍しいんじゃないかと。
夢子役の早見 沙織氏の清楚な雰囲気から狂気が顔を出していく展開も含めて素晴らしかった。
　主要キャラの中で唯一常識人な感があったのが鈴井 涼太で、作品の良心といった感じ。夢子が
鈴井と仲がいいのは、夢子が異常な世界に浸りきらないための引き留め役的役割もあるのかなと
思ったり。

　展開としては基本的には夢子対生徒会といった図式だが、この生徒会のメンバーが濃すぎる。
　会長の桃喰 綺羅莉だがその強さやオーラがまさにラスボスに相応しいといった存在だが、
その精神性はギャンブル狂いといったレベルを越えた異常性を感じさせる。
　会長がおかしければ、その配下の面々もおかしい。
　黄泉月 るなの着ぐるみパーカーも恰好からしておかしく、なんか邪悪なうまるちゃんといった
感じ。
　いかれ具合がダントツな感があったのが生志摩 妄で、中の人である伊瀬 茉莉也氏の
いっちゃってる感の演技がいい。
　キャストという点では夢見弖 ユメミ役の芹澤 優氏がアイドルであるだけにメタ的な意味で
おかしかった。
　そして、やりたい放題の濃いメンツの生徒会の中で、常識人気質の五十嵐 清華の振り回されて
いる状態が気の毒でありながら、面白かったりする。

　原作が未完と言うことでアニメオリジナルエンドのようだが、きれいにまとまっており、
かつ2期があってもうまいこと繋げられそうな良い締め方。
　OPの曲と絵がお洒落感があって、なかなか良い。

2020/03/29