Ka-ZZ（★） さんの感想・評価

4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

生きろ、人生を賭して。

この作品の原作は未読ですが、はやみんと沢城さんが共演されると知り視聴を決めた作品です。
このお二人が共演されるのって…中々珍しいのではないでしょうか。
私がパッと思いつくのは西尾維新さんの物語シリーズくらいです。
しかも今回二人の立ち位置は共闘ではなく対峙…
つまりトップクラスの実力派声優さんのガチンコ勝負が見られる…
これが気にならない筈がありません。

この物語の舞台は名門私立百花王学園…
この学校には普通では考えられない様な制度が蔓延っていました。
それは全ての事柄がギャンブルという名の勝負で決められる、ということです。

自分の意見を押し通したいと思うなら、その思う相手にギャンブルを申し込む…
双方の希望と代償が釣り合った時点で賭けが成立する…
そして勝負に賭けられるモノ…それは双方が納得すればお金以外でも賭ける事は可能…
だから人生そのものだって賭けの対象になるんです。

私たちは様々な選択をしながら生きています。
その中にはギャンブル性を秘めた選択が無い訳ではありません。
だからこの学校…まるで人生の縮図みたいな学校なんです。

しかもこの学校に通っているのは良家の坊ちゃん嬢ちゃんばかり…
なので一度ギャンブルが始まると動く金額の大きさも半端無ありません。
そしてそれらは全て生徒会に牛耳られている、という構図になっているのですが、ある日蛇喰夢子という少女が転校してきて…軋みながら物語が回り始めるのです。

この蛇喰夢子という女ん子…黒髪ロングで前髪ぱっつんの美人さんだし、物腰も低く言葉遣いもとても丁寧なのですが、ひとたびギャンブルが始まるや否や瞳を妖しく朱く光らせたギャンブラーに早変わり…
それもただのギャンブラーではありません。
自らに課せられたリスクが大きければ大きいほど昂り、滾り、そして燃え上がるんです。
人はそれは「狂気」と呼ぶのですが、その言葉が言い得て妙…という感じの女の子…
彼女の一挙手一投足からは目が離せません。

こんな女の子が転校してきたんです。
噂が広がるのはあっという間…気が付いたら夢子の存在は生徒会の耳に入っていました。
まぁ、当然といえば当然なのですが…

こうなると次の展開は予想の範疇…
次に待つのは夢子 vs 生徒会の激しい抗争という構図です。

ここの生徒会は、立候補したり生徒の清き一票の積み上げで入れる訳ではないみたいです。
人並み外れたギャンブルの強さに加え並々ならぬ資金力を持っているといった、人とは違う一芸に秀でていなければならないようです。

生徒会の椅子を手に入れるため周囲の人間を蹴落として、いざその椅子を手に入れたら今度はひたすら保身に走る…
そして保身のためならどんな手段も厭わない…
だって、この学園に通う人間だったら誰でも喉から手が出るほど欲しいポストなのだから当然といえば当然です。

だから生徒会に入った生徒は大きく2つに分かれる事になります。
保身に走るか、心底好きなギャンブルをひたすら追い求めるか…
そんな生徒会と夢子はどう対峙するのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Tiaさんの「Deal with the devil」
エンディングテーマは、D-selectionsさんの「LAYon-theLINE」
JAZZ風に仕立てられたオープニングが頭一つ飛び抜けていました。
この曲の格好良さ…半端ありません。

1クール全12話の物語でした。
視聴のポイントはただ一つ…蛇喰夢子がどの様に賭け狂っていくか、という点に尽きると思います。
はやみんと沢城さんの名演技が作品の面白さに拍車を掛けている点もポイントです。
こういう声優さん同士のガチンコバトル…たまには有りだと思います。
そして次を予感させるラストの纏め方もバッチリ…
生徒会長…次はどんな手を打ってくるのでしょうね。