「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-/-勇者の章-(TVアニメ動画)」

総合得点
76.7
感想・評価
406
棚に入れた
1764
ランキング
673
★★★★☆ 3.8 (406)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:----

変則的な結城友奈の章と対照的に王道の鷲尾須美の章

【試聴順について】
以前はごちゃごちゃと書いていましたが、2期途中に入った一期総集編の出来が良くメディアミックスを体感できる作りでしたので、普通に1期→2期(間の総集編を挟む)を推奨します。その他「勇気のバトン」は1期後、「銀色の記憶」や「追憶の園子」は2期6話後を推奨します。

【鷲尾須美の章レビュー】
{netabare}
★-第1章 1~2話相当-
物語
テングだった鷲尾須美が挫折と仲間との交流を通して成長する王道ストーリーです。とても丁寧に描かれていますが、アニメ2話分なんですね。原作から特に大きな変更もありません。

声優
問題ありません。花守ゆみりの演技が想像以上でした。1期放送時点からキャラクターの性格など微調整が入っており、ゲームや1期内回想などと演技に整合性が取れていない部分があります。決して声優のせいではありませんが。

キャラ
非常に魅力的な3人です。上記の通り多少のキャラ設定のアップデートが入っていますが原作と大きく違う部分はありません。この時点では鷲尾須美と東郷美森の性格差異に多少の違和感がありますが今後の伏線です。

作画
良好だった一期の更に上を行く作画です。TVアニメの先行上映としては最高レベルですが、劇場アニメとしては最高まではいかないかと。一期のあざとい感じから性的に印象が変わった変身バンクは必見です。いいのかこれ?

音楽
ゆゆゆです。

★-第2章 2~4話相当-
物語
1章で絆を深め、楽しい日常を謳歌していた矢先に急転直下のシリアス展開となり、1期ほど変則的ではないものの、この強烈な振れ幅はゆゆゆの血統そのものです。原作からのアップデートが多々見られ、特に鷲尾須美と東郷美森の性格の整合性が取られているのが見どころだと思います。

声優
花守ゆみりの演技に圧巻。他で見たことのないこの人の低音叫び演技、ポテンシャルは相当です。ゆゆゆ一期での照井春佳、内山夕実、長妻樹里でも見られましたが、声優がそれまでの自身の限界を超えるかのような演技を見せるときは強烈に心に来ますね。そんな力を持った演技が見れました。

キャラ
相変わらず魅力的です。東郷さんは生粋の百合キャラだなぁ・・・。

作画
1章同様良好です。変身バンクは3割ぐらい?別物に変わっています。必見。

音楽
ゆゆゆです。


★-第3章 5~6話相当-
物語
最終章。ギャグと悲壮感を伴いながらより強固になる二人の関係性の描写と鷲尾須美としてのラストバトルです。一期後日談で「どのような選択でも鷲尾須美につくと決めていたから、(風・東郷の)討伐要請を拒否した」と語った園子と鷲尾須美の絆が描かれています。鷲尾須美は武器変更と共に勇者服モチーフが菊から朝顔に変わり、ここで変わったのかと合点しました。最後の友奈との出会いシーンはあまりにもあっさりしすぎていたので減点。アニメではこの後の7話が1期総集編になるようなのであっさりでも問題ないのですが、あくまで映画単独で評価しました。

声優
冒頭で鷲尾須美(三森すずこ)が逆上するシーンは何度見ても鳥肌が立ちます。ただただ叫ぶだけの叫び演技とは違う様々な感情が乗った絶叫と絶望に一気に引き込まれるような、そんな演技でした。一方で「これが銀仕込みの」部分などセリフ自体にあれと思う箇所も無きにしもあらずで少し減点。

キャラ
一期や特典ゲームに繋がる園子のつかみどころのない人間的な魅力が詰まっていました。

作画
最後まで作画良好でした。

音楽
ゆゆゆです。これまで新曲ばかりでしたが最後の変身バンクで一期と同じ「威風堂々」が流れ鳥肌が立ちました。
{/netabare}

【結城友奈の章 総集編レビュー】
{netabare}
物語
1期12話のシリアスパートを中心に1話にまとめた総集編となります。
1期を見ていないと訳が分からないかと思いますが、見ていれば思い返し、つつ鷲尾編を踏まえた繊細なメディアミックスを体感できる作りになっています。また説明不足だった東郷の心境が補足されていますので視聴推奨。

作画
この数年でアベレージが上がっていますが決して色あせない作画です
{/netabare}

【勇者の章 レビュー】
{netabare}
物語(1~4話まで)
見返すには精神的負荷がありすぎて数回ずつしか見れていません。ハッピーエンドですっきりしないと辛い。
さて、一期でよく言われた日常詐欺ですが、6話の尺しかなくとも繰り返されています。というか、一期を見ていたのにひっかかりました。辛い。各種インタビューやサブタイトルなどの周辺状況から大丈夫そうな空気はあるのですがハッピーエンドだけを望みます。辛い。

さて、1話2話で示された東郷消失と救出は導入に過ぎず、3話4話は友奈が東郷を救出する際に伝染してしまった祟りに苦しめられる流れになっています。残り二話で何が起きるのかどこまでできるのか不安と期待でいっぱいですが見届けたいと思います。辛いですが、引き込まれます。

また4話では一期ラストの謎に対する解答が示されていました。
・友奈の意識がなかなか戻らなかった→素手で御霊に触れてしまった為、意識が虚無空間に幽閉されていた(「その後の園子」)
・散華からの回復→新たに新樹が与えた為別物(「その後の園子」)
・友奈の回復→勇者システムに内蔵されていた疑似精霊(乃木若葉)の手助けによる(「乃木若葉は勇者である」単行本下巻)
・友奈の立ち眩み→新樹に与えられた新たな身体機能に馴染め切れていなかったため、不調だった(「その後の園子」)
※カッコ内はこれらの設定の出典です。全てスピンオフ作品の中で示されていたものでした。
1クールの中で「伏線と回収」というミクロの世界より大づかみな流れを優先したのが一期の特徴の一つですが、今回もこういったものはスピンオフに任せてしまっても良かった気はします。


作画
十分高水準ではあるけれど、3年前の1期と比べると怪しい箇所がおおいか。

【番外 小説・楠芽吹きは勇者である】
2期放送に合わせて展開されていたスピンオフ小説で、先日単行本が出ました。内容は2期1話2話で導入としてさらっと流されたエピソード+1期の夏凜参入の経緯などを捕捉しつつ、勇者になれず量産型勇者として屈辱と怒りを胸に戦う楠芽吹の成長物語です。全1冊の短編ながら恐らくこれまでのスピンオフ3作の中では最も出来が良く、ゆゆゆの血統を感じさせつつも毛色の違う作品に仕上がっています。今のところ(4話放送時点)二期の本筋と重要な接点はありませんが、お勧めします。

{/netabare}

【最終話前】
とても後1話で形になるとも思えず、期待と不安が入り混じる感じですが見届けたいと思います。
先日発売された鷲尾須美の章のセールスは好調なようで次への土台は固まりつつあると思われます。

【最終話後】
最終話自体は良かったんだけど、2期はゆゆゆに求めているものじゃなかった。一期では「新日常系」を名乗りその通り悪く言えばキャラものとして突出した完成度だったんだけれど、2期は新日常系じゃないよなぁ、と。世界に決着とか一辺倒なシリアスより日常萌えアニメとしてのアイデンティティを強く意識してほしかったというか。鷲尾須美はシリアスよりだけれど、それは元々小説のスピンオフだから良いけど、結城友奈二期に求めるものはSFではなく新日常系だった。多分尺の問題じゃない。とはいえ、面白かったのは面白かったし大きく間違った展開をしていないことはセールスが証明しそうではある。
後は楠芽吹や乃木若葉はもうちょっと絡ませてファンサービスしてもよかったかも。特に楠芽吹はそれ自体が面白いだけに。
次の展開は勇者部の完全日常になるか乃木若葉になるか楠芽吹になるか、と予想。もちろんイベントも今後の展開もついていきます。

投稿 : 2018/01/06
閲覧 : 231
サンキュー:

9

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