「DEATH NOTE-デスノート(TVアニメ動画)」

総合得点
89.5
感想・評価
2467
棚に入れた
12849
ランキング
76
★★★★★ 4.1 (2467)
物語
4.4
作画
4.0
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.2

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

じぇりー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 2.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

見た目は大人、頭脳も大人、ただし精神が子供、その名は(以下略

今でも実写映画だのミュージカルだのでメディア展開され、よく耳にする「デスノート」。
しかし原作の連載終了も、アニメ放送も11年前だったのかと思うと、もうそんなに経ったのだな、と驚く。

「そのノートに名前を書かれた者は死ぬ」―というサスペンスフルでセンセーショナルな設定は、作品に触れた事がない人であっても知っているのではないだろうか。
私も例外ではなく、このノートの設定と、主人公の名前が月と書いて「ライト」と読み、ライバルとして「L」という人物が登場する…という程度の前知識で視聴を開始。

序盤は否応なしに引き込まれた。ノートを手にし、世の中から犯罪者を次々と抹殺することで、「悪」のない理想の世界を創ろうとする月と、探偵としてその大量殺人犯の正体を探るLとの頭脳戦・心理戦は、かなり巧妙に考え抜かれていると感じる。
特に、「殺人ノート」という超非科学的なチートアイテムと、「死神」という存在を知らないし信じてもいないLが、理詰めで犯人を絞り込んで行く様は非常に鮮やかな手腕だ。
対する月も、Lという脅威を知って以降も、捜査の目を掻い潜りながら犯罪者への粛清の手を緩めず、巧みにデスノートを利用するその手腕には素直に感心する。

この月という人物、少年漫画作品の主人公とは思えない程、徹底的に悪者に描かれている点が、他の作品にはない特徴であろう。
容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能という一見非の打ちどころがない好青年だが、デスノートを使って自分の理想の世界を創り、そして自分は「新世界の神になる!」と言ってのけるのだから、精神的には重度の中二病的思想の持ち主である。
そんな月だからこそ、冒頭数話見た時点で、どのようなラストを迎えるのかは正直容易に想像がついてしまうし、実際思った通り過ぎる終わり方だったのには、少しがっかりした。ここはアッと驚く最後が欲しかったが…まぁこの終わり方が妥当と言えば妥当か。

とある切っ掛けによって生じることとはいえ、中盤の月は序盤で見せたような頭脳明晰さにおいて、生彩を欠いていたと言わざるを得ない。この辺りから若干の中だるみ感が生じ始める。
ここでの月の「弱体化」は、{netabare}記憶が消えてキャラが真人間になってしまったのは仕方ないとしても、頭の回転を鈍らせる根拠にはならない訳で、{/netabare}話の辻褄合わせのためにそうしたようにさえ映る。

いわゆる第2部に位置付けられる28話以降から多少の盛り返しは見せるものの、やはり序盤の勢いを取り戻すまでには至らなかったと感じる。
これはひとえに、{netabare}Lの死によるところが大きいと感じる。彼の後を継いだニアとメロでは頭脳面においても、そのキャラクター的魅力においても、Lには及ばない。
そして、月が警察官となり自己への疑いを逸らすためとはいえ、デスノートの行使を他人に任せてしまった点も、物足りなく感じた要因のように思う。{/netabare}

「頭脳戦」という作品の特性上、ストーリーは主にキャラクターの会話やモノローグで進められる。つまりアニメにするにはやや不利な、「動き」の少ない作品と言えよう。
それは制作側もよく分かっていたようで、随所にその苦肉の策とも言える演出が見られる。
まず挙げられるのが、ノートに名前を書くシーンの演出。まるで書道家や剣豪の腕の動きのようである。
大げさすぎる程にダイナミックに描いている点が、こうするより他に方法がなかったのだろうなと思いつつも、何故か笑えてしまう。
しかし、一番笑ってしまったのは{netabare}「ポテチを取り、食べる」{/netabare}のシーン。状況を考えると確かに重要かつ緊迫感を出さなければならないシーンなのは分かるが、セリフだけを切り取って考えると、かなりシュールだ。

原作未読なので、どの程度原作を踏襲した内容なのかは分からないが、さすが37話も費やしただけあって、きっちりと完結してくれた点は有難い。
とはいえ、長尺にしたことの功罪か、序盤の勢いが最後まで続かなかったのは残念である。

しかし、例の一番笑ってしまったシーン、ミュージカルではどう表現しているのだろう…(笑)

投稿 : 2017/12/06
閲覧 : 358
サンキュー:

12

DEATH NOTE-デスノートのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
DEATH NOTE-デスノートのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

じぇりーが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ