「響け! ユーフォニアム(TVアニメ動画)」

総合得点
91.1
感想・評価
3110
棚に入れた
13824
ランキング
39
★★★★★ 4.2 (3110)
物語
4.1
作画
4.4
声優
4.1
音楽
4.3
キャラ
4.1

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ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

芸術系アニメとしてはスラムダンク級だと思いませんか?

NHKの放送が初見です。2年も遅い出会いでした。はぁ~。もっと早く観ておけばよかった・・。こんなに感動できる作品だったのに・・。悔しいっ!!
レビューも全部読みました。読みたくなりました!


うまくなりたい!! 上手くなりたいっっ!! 誰にも負けたくない!!!
悔しくて死にそう・・。(黄前さん、よく喋るぅ)

先生・・バスケがしたいです・・。(三井サンは、喋らないね)

黄前さんの溢れ出る大粒の涙も、三井サンの頬を流れる涙も、心にグサリと刺さりました。
三井の棘はいまだに私の心に刺さったままですから。

ホールに響き渡るユーフォニアムの音。
ボールがリングのゴールネットを揺らす音。

もう、時代を超えて青春アニメの金字塔じゃないですか~。

魂を磨く姿に、私は個人的に推し!です。

何度も何度も、何度も見直す羽目になりました。正直、こんなに引き込まれるなんて自分でも驚きでした。いつの間にかどっぷりとつかっていて、ちょっとこの気持ちの落としどころいったいどうするつもりなのぉ~!ってそんな感じです。

「こんなに」って書くと、そのスジの人から叱られるかもしれません。まさか学園音楽アニメごときに「こんなに」絆(ほだ)されるとは全く思いもよらないことです。

あわw。「ごときに」って。学園もの"ごとき"っていう意味じゃなくて。いやあぁ。音楽もの"ごとき"ってものじゃなくって。ひえ~。ごめんさなーい!!!。

「こんなに」「ごときに」って感じたのは落差です。私の中にあった「高校の吹部の部活動ってどんなの?」っていう無知からくるバイアスです。
完全に間違っていました。激しく懺悔します。自分に。そして吹部を愛するみなさまに。

これには弱りました。青春てっぱんド真んなかの部活動物語じゃないですか。こういうの苦手なんです。私もいくらか踏みしめて歩いてきているのでちょっとつらくもあります。
迂闊にもハートのど真ん中を撃ち抜かれてしまいました。恐るべしTutti。完全に心を奪われてしまいました~。

学園ドラマなので、見どころはあちこちにありました。定番のあるあるも安心して観られました。
それにしても・・、うーん。何だかドキドキ感の中身が違うような気がするぞ。
現役の生徒さんがちょっと羨ましいぞ。

その作中でも、私的に絶っ対にダントツだったのは、
{netabare}
中世古と麗奈の再オーディションのシーン。
リターンマッチ?っていってもいいのかしら。

テニスや卓球のシングルマッチのようです。
ネットを挟んでの勝負。相手に勝ちたい気持ちは当然にある。
でも、フルコンタクトではないスポーツだからすべての気持ちをラケットに込めてボールに伝えていくしかない。
打つ、返る。打つ、返る。ラリーの応酬。観客はボールの軌跡を見続けている。勝負がつくまでプレーヤーの一挙手一投足を見守る。
コートに立てば自分ひとり。すさまじい凌ぎあいの中で支えるのは自分ひとり。さあ、練習してきた自分を信じて。あれだけ練習してきたのだから。
できる。やれる。やってやる。絶対勝ってコーチのもとに戻る。

空手道の型の演武。群舞のようです。一糸乱れぬ動き。緩と急。間合いも止めもぴったり。呼吸のタイミングや息の出し入れも同じになっていく。
新体操やシンクロナイズドスイミング、バレエのようです。こちらの方が近いかな。演出があり、音楽があり、舞台があり、美を追求したパフォーマンスがある。

吹部は楽器のみで凌ぎあうのですね。
久美子が言ってました。目指す音はわかっている。そのために何をすべきかもわかっている。
ユーフォニアムを活かしきれる自分との勝負。

中世古と麗奈がトランペットにかけてきた時間と努力。内に秘めたプライド。全国へ、特別なプレーヤーへ。
3年生と1年生という立場で、与えられたチャンスをゆるぎなく吹き切ったふたり。
その2人を支え、寄り添う仲間たちの声援も、凛としていて美しい。

ソロである以上、どちらかは落選する。求められる音を表現しきれたのか。それは演奏者自身が一番わかっている。滝先生は選考ではなく選択させる。音の違いは完膚なきまでの結果。すべての結果は演奏者にある。自らが背負わなくてはならない。その時の自分を支えるのもまたプライド。ベストを尽くせた自分がいる、そう思えれば自分を卑下する必要もないし相手を非難することでもない。そんなことはできないししない。中世古はそれを貫徹する。彼女の矜持なのでしょう。
しかし、悔しかったでしょう、この上なく。それなのに微笑んで麗奈をソロに推すと話す中世古は、北宇治高吹部の大切な鑑となり柱となるはずです。

よく分かりませんが、麗奈の音は全国区レベルの音なのですか?もしそうなら、部員に与えた影響は衝撃的でしょう。
湘北高校が全国に行けたのも流川の加入が大きかったですし、彼の性格ってどことなく麗奈と似ていますね。ただ、黄前さんと桜木の味付けが違い過ぎているので、チーム内の化学変化を "熱量" として描き出すのはちびっと難しかったのかもしれませんね。

それにしても、麗奈のあの音。テレビのちびたスピーカーでも感動しました。リピートで100回聴きましたもん。お金払ってでも聴きたくなっちゃいましたもん。
{/netabare}

全国を目指す。
スポーツは経験していますので、上手いのと強いのとは違うと言えます。
上手いだけでは勝てないのです。あらゆる要素に対してポジティブシンキングであり謙虚でもある。意志の強さ、良好なコンディション、練習に裏打ちされた技術。そして仲間とコートと対戦プレーヤーと審判と観客。 あらゆる要素をいったんはぜんぶ受けいれる強さと、そして不安も葛藤も執着も不必要な要素はすべて排除する強さ。
そういうゾーンにたどり着くことが極上。

どんな部活動も、入り口は "好き" でも十分。挫けそうなとき、自分を見失いそうになる時は、その気持ちを確かめることはとても大事ですね。でも道を歩むつもりなら、てっぺんに向かうなら、それだけでは支えきれなくなる時が来るのでしょう。
好きなのと上手いのとは違う。そして強いのとも違う。ということなのでしょうね。 きっと、好きなのと上手いのと強いのが三拍子揃うのがいいのでしょうね。

うん、やはりこれはいいです。
スポーツじゃありえない世界です。タイムゲームでもポイントゲームでも、1人でも15人でもない。全然違う世界でした。
そもそも55人が同じステージに立つなんて私の想像を超えています。一呼吸で、一本の指の動きで、結果が変わってしまう世界に挑戦している吹部のメンバーたち。
もう、凄いですね。
 

長文を最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この作品が皆に愛されますように。

投稿 : 2018/11/11
閲覧 : 521
サンキュー:

58

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