「ウマ娘 プリティーダービー(TVアニメ動画)」

総合得点
83.1
感想・評価
796
棚に入れた
2732
ランキング
332
★★★★☆ 3.8 (796)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

chariot さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

競走馬を擬人化(美少女)した迷作。

ソシャゲ原作(?)の作品、全13話。
…と言ってもゲームまだ開始してないんですけどね……

ストーリー:ウマ娘たちが徒競走をする話。(なの?)

〓〓以下放送中の感想〓〓
{netabare}競馬好きが観てみた感想。

1~2話。
{netabare}まずスペシャルウィークの髪飾りが紫と白。
勝負服(中央競馬に於いて騎手が着る馬主ごとに決まった配色の服)と同じ色で「おお!?」っと思わせるこだわり。
サイレンススズカも同じで黄色と緑。
全馬のこだわり?と思いきや、そうでもない子もいて…
褒めるべきか悩むわぁ。。

アハルテケ像もウマ娘化。
東京競馬場にいる黄金の馬アハルテケ像。
ちょっと待て、アハルテケは実在の馬じゃない。
…いや違う。
実在はするが競走馬じゃない。品種でありサラブレッドじゃない。
それも擬人化するって事はこの世界には「馬」という生き物は存在しないのだろうか?
ウマ「娘」しかいないし牡馬も「娘」になってるし、じゃあ繁殖はどうしてるんだろうか…
突っ込まない方が賢明なんだろうな、きっと。。

豆知識。
スペの母がふたりいる話は実話です。
母キャンペンガール(ウマ娘的に字にするとちょっと微妙な名前だな)スペを産んで亡くなったので乳母に育てられました。
個々のエピソードをさりげなく紛れ込ませてくるのはなかなか良いです。
ちなみにデビュー戦が阪神1600mで14番だったのも同じ。(ただし人気は圧倒的1番人気でしたけどね。あの14番誰?とか言われるレベルじゃない…)

気になる所。
いっぱいあるんだけども。
まず出身が北海道。
うん、だいたいのウマ娘は北海道だな。
エルコンドルパサーやグラスワンダーなんかは外国産まれだけどな。
あと個人的にスズカはおしとやかすぎないか?
テイオーが元気すぎないか?
観客が若者ばかりなのはライブがあるからか?
細江さん(元女性騎手、現在は解説等をしてる)はレギュラーなの?浮いてる感がハンパないんだけども(笑)
全体的に馬が古いのはなんでなの?ディープインパクトとかオルフェーヴルは出さなくて良かったの?
シーザリオとかブエナビスタ(スペの娘)とか出したら面白かったのに。
どうやら金子オーナーとか社台系(サンデーレーシングとかキャロットとか)の所有馬は出ていない=名前の使用許可取れなかったのかな?
{/netabare}

とりあえず。
競馬知らない人には名前が変で覚えにくいかもしれないけど女の子たちが色々頑張る話だと思えばまあ変わったアイドル物として観ても面白く観られるかもしれませんね。
競馬=賭け事、競馬で借金とか横領した金を競馬に使ったとかいう話も多くありますが、スポーツとしても見所のある競技です。
少しでもこの作品で競馬のマイナスイメージを払拭出来たら良いなあと思います。(レースが徒競走じゃ無理か…?)

現在の好きなウマ娘:ウオッカちゃん。


3話。
{netabare}順調に勝ち進み弥生賞→皐月賞まで。
きさらぎ使わないの?とか弥生勝ってないじゃんとか細かい事はおいといて。
皐月賞の出馬表に小さな遊び心を発見。
マッシヴコウテイ→ボールドエンペラー
ヤスダリピート→タヤスアゲイン
ハルシオン→エモシオン(実況中)
若干似せてる……(笑)

あとは弥生賞の祝賀会(?)で食べ過ぎたスペが勝負服がきついという描写がありましたが、実際のスペシャルウィークも皐月賞は+10kg(前走計測時からの増減)での出走でした。
実際のスペが食べ過ぎたのかどうかは知りませんけど寄せてくる辺りは面白かったです。

三冠ウマ娘になる!って事でドラマティックに史実を変えてくるんじゃないかと思ってたんですが史実通り3着で次に向けて前を向かせる選択も良かったと思います。

スペに「走れるだけいい」と言ったグラスワンダー。
彼女はいずれスペのライバルとして立ちはだかる(はず)なので覚えておいて損はないと思います。

今回のダメ出し。
テイオーステップはそれじゃない。。。
いや、テイオーのステップではあるけれども。
テイオーステップとは…繋ぎ(ぱっと見は足首のような所)が柔らかくバネがきいていたトウカイテイオーは歩くと馬体が沈みこむような踏み込みをする馬でした。
その独特の歩様は優雅でいつしか「テイオーステップ」と呼ばれるようになったとかならなかったとか。
…というポイントを使ったエピソード(?)ですが……まあ…面白ければいいか(笑){/netabare}


4~6話。
まず始めに4月27日に急逝されたスペシャルウィーク号…
種牡馬は引退してもまだまだ長生きしてくれると思っていたのに…
心よりお悔やみ申し上げます。。

{netabare}さて本編ですがとりあえず色々史実とは違う展開も見せていますね。
タイキシャトルと併せ馬!?(4話)
エルコン、ダービー出走!?(5話)

〓空気を読まない競馬ファンの呟き〓
{netabare}大きな問題としてエルコンのダービー出走に触れたいと思います。
マル外(まるがい)の説明から…
マル外とは外国産の馬を指す言葉です。
スペたちの活躍していた頃はマル外はクラシックや天皇賞に出走出来ないという制約がありました。
理由として当時は競馬発展途上国のようなものだった日本で外国で生産された馬が猛威を奮う事で日本の馬産に影響が出る…つまり日本馬じゃ勝てないから外国産馬を大きなレースに出させないルールを作った訳です。
勿論強い日本産馬もたくさんいましたが海外で買った方が安くいい馬が手に入るようなケースも多く、日本産馬の売れ行きに不安があったようです。
ちなみに現在(6話)までに登場しているウマ娘でマル外なのは
エルコンドルパサー、グラスワンダー、ヒシアマゾン、タイキシャトル、マルゼンスキー、メイショウドトウ(占いやってた)ぐらいでしょうか。

そういった経緯から当時トップクラスの実力を持ちながらクラシックに出走すら出来なかったエルコンドルパサー(グラスワンダーは故障休養中なので問題なし)をアニメでは敢えて現在のルールに添わせることでダービーに出られるようにした…
競馬ファンなら誰もが夢見る「もしあの対決が実現していたなら…」という空想を実現させた5話。
6話で開催される毎日王冠時「無敗」であったエルコンに土をつけさせない事とスペがダービー馬である事を両立させる為の「予定調和」の同着。
色々言いたい事はありますが史実通りではなくあらゆる夢を具現化させて楽しめるように配慮されたのだと納得する事にします。{/netabare}

そしてその先にある未来へ。
  ◆注意◆
史実ネタバレに抵触する可能性あり。情報を入れたくない方は開かない事。
{netabare}競馬ファンなら誰もが知るであろう悲劇が近づいて来ています。
秋天でのサイレンススズカの痛ましい事故…あれをどうするのか?
ifの世界を持ち込んだお陰で回避出来るのではないか?
エルコンのダービー出走には小さな希望と大きな願いを抱きました。
現状オフサイドトラップの姿は見えない事から優勝馬はすり換えられると考えます。
マル外規制を解除している状況からエルコン、グラスの参戦も濃厚です。
6話からエアグル、ナイスネイチャとエイシンフラッシュも出るのかな?
シャトルも出ちゃえばいいのにね。(距離適性から実際は2000mには出走した事はないが未知の魅力もあった…と僕は思う)
とにかく。
スズカの悲劇を再現する方向でこの話は進んでいないはず。
ウマ娘なんだから人型なので骨折で安楽死なんて事はないはず。
最悪でも怪我で引退とかそんな感じで…
もしくは海外留学的な感じでスペの前からいなくなるぐらいで…
感動以外の涙はこの作品には似合わない。。{/netabare}

小ネタ色々。
4話。
{netabare}・ポケットにニンジンを常備しているおじさん。
…多分お菓子をくれる感覚でこの世界ではウマ娘にはニンジンを差し出すんだな。
・ハルウララ、デビュー戦で5着!
高知競馬でデビューしたウララちゃん。
本人はとっても頑張った5着!…だけど5頭立てだって事は気にしなくていい!
前向きで直向きなウララらしさがあって◎
・靴が左右色違い
トレーナーがVTRでレースを見ている時に映るスペの靴。
左右色違いで「ん?靴間違えてるの?」と思ったら走り方に気づいた場面でしたが、じゃあ色違いは何?
…実馬の脚は右後肢が白い(正確には半白)なんですね。違和感があるこだわりを見せますねw{/netabare}

5話。
{netabare}・あ…あれ?武豊…?本物っぽいぞ…??
…キャスト見て→本物じゃーん!!(細江さん1回休み)
・1着同着。
エルコンの馬番が1番(スペは5番)…って事でビルドアップリバーが出走していない事になりました。。
ついでにエルコンに横入りされたのでボールドエンペラー(作中名マッシヴコウテイ)が3着に…
5馬身突き抜けて世代最強を誇示したスペの威信はどこへ……
・マックに絡むゴルシ。
これはなんなんでしょうね。
リアルではサンデーサイレンスがマックにちょっかい出しまくってマックにシカトされ続けたという話がありますが…(その後仲良くなった)
血統的にはゴルシの祖父がサンデーになりますが、大種牡馬サンデーサイレンスには多くの子がいますしスズカもスペもサンデーの子ですし…そもそもマックはゴルシの母父ですし…(ウマ娘的には敢えて触れない事)
まあ割と穏やかな美人揃いのウマ娘たちの中から代役を探すと変人ゴルシになったって事かなあ。。{/netabare}

6話。
{netabare}・伝家の宝刀!スズカの旋回癖。
スペと一緒の部屋にいる時にスズカがぐるぐる回ってますよね?
これは実馬も馬房で回る癖があった事に由来しています。
馬的に決していい癖ではないんですが…有名なので入れないとダメでしょ。
しかも左回りって所もポイント。
この癖を持つ馬は必ず同じ方向にしか回らないタイプとどちらにでも回るタイプといます。スズカは左しか回らなかったそうです。
・ドーナツ大食い対決。
1988年の有馬記念をモチーフとしてますね。
オグリ対タマモクロス、スーパークリーク3着入線も失格。
若干タマモクロスの性格付けに疑問はあります。(咬む癖があった)
前々から画面の後ろでちょくちょくオグリの大食漢ぶりを表現していましたがここでしっかり披露。
・スズカが走る事が楽しめなくなった件。
色々ありますが逃げではなく差しの戦法で矯正していた為に(目標にされやすい逃げ馬より展開を読んで動ける差し馬の方が勝ちやすいとされていたので)自由に走れずにいたスズカ…なのかなあと。
レース前にトレーナーが「あいつは好きなように走らせるのが一番」というのも差しを諦めて逃げに徹してからの強さがハンパなかったから。
・ナイスネイチャ3着!?
史実では出走していないのですが…(3着はサンライズフラッグ)
トウカイテイオーと同期のナイスネイチャは3年連続有馬記念3着という珍記録を持ち、生涯成績も7-6-8-5-1-14(1着2着3着4着5着着外の順)と一線級で健闘を繰り返すも勝ち切れない愛すべきバイプレイヤーでした。
ワイド馬券(1~3着のうち2頭を当てれば当たる馬券)発売時には告知ポスターにネイチャを起用するほど3着のイメージが強い馬でした。{/netabare}{/netabare}

7~10話。
{netabare}まずは7話。
{netabare}スズカの秋天をどうするか、が最大のポイントでした。
結果としてはまずまずというか出来得る限りでの最良のシナリオでした。
事故をなかった事には出来ないし史実のままにする訳にもいかないので。。

しかし困った事に7話は泣きのポイントがずれていました。
おそらく競馬を知らない方はスペがスズカを救ったラスト辺りで感動した事でしょう。
実際よく出来ていました。
けれど史実を知る僕(多分他のファンの方も)にとって3コーナーの故障発生のシーンで既に号泣レベルでした…
テレビの画面には美少女のスズカが映っているのに僕の目に映っていたのはあの日のスズカでした。
緑のメンコに渡り編み、小さな栗毛が輝いていたあのスズカ。
アニメの演出もまさにドンピシャで、本当に一体何が起きたのか、起きた事は理解出来ているのに理解したくない自己防衛、真っ白になる感覚…
え…まって…なに……え…スズカ……やだ……
こんな感じ。
ウマ娘を観ていたはずがフラッシュバックして蘇るあの映像。
アニメでは骨折という事で死ぬような展開にはならずに済みましたが初回の視聴では正直言ってその後の話が頭に入って来ない状態でした。
後日数回7話を見直しましたがあの日の悲劇をしっかり描いた3~4コーナーの描写は素晴らしかったと思います。{/netabare}


8話。
{netabare}スズカの戦線離脱から数ヶ月。
スペの献身的なサポートの元でリハビリしつつ着々とレース復帰に向けて頑張ります。
一方宝塚記念ではスペとグラスワンダーとの対戦。
スズカの事で頭がいっぱいなスペにグラスが叩きつける現実。
グラスは骨折で休養していた時期にダービーがありました。
アニメではスペとエルコンが激戦を見せ同着…出走すら出来ずに悔しい思いをしていたグラス。
世代の頂点に立ったスペと勝負したい…グラスワンダーの気持ちがとても良く表現されていて穏やかな性格のグラスがレース後に言い放った言葉が印象的でした。(ただし実際のグラスワンダーはあんなにおしとやかじゃないです)

ちょっと疑問な所。
宝塚の前にスズカの怪我から「9ヶ月と3日」というセリフがありますが…
秋天開催は11月1日。で9ヶ月も経っていたら8月ですよね?
宝塚は6月ですが………これってなんで??{/netabare}

小ネタ。
{netabare}・宝塚に招き猫を背負ったウマ娘が!
マチカネフクキタルという名前です。だから招き猫なんですね(笑)
ちなみに同時期の同馬主の馬でマチカネワラウカドもいました。
・「こういう時のグラスワンダーは怖いですよ」
スペの真後ろを追走するグラスを見て解説の細江さんが言ったセリフですが、これは本来騎手の的場均さんを指した言葉です。
マーク屋と呼ばれるぐらいにこれと決めた相手を徹底的にマークして勝つ戦法で有名な騎手です。
たとえば菊花賞で無敗の三冠がかかったミホノブルボン、前人未到(前ウマ?)の春天三連覇がかかったメジロマックイーンを破ったライスシャワーに騎乗していました。
ウマ娘には騎手がいないのでグラスワンダー自身の能力のようになってますが。。{/netabare}


9~10話。
{netabare}9話。フランスに渡り頑張っているエルコンドルパサーの凱旋門賞。
10話。スペの秋天。

レース後の悔しさを堪え切れないエルコンが泣けました。
いつも明るく楽天的で自信家なエルコンが垣間見せた感情はもらい泣きです。
そうだよね、悔しいよね、精一杯頑張ったからこそ悔しい。
その悔しい気持ちを同期のスペに伝えてくるエルコン。

そしてスズカの悲劇から1年後の秋天。
レース中のスペと独り練習中のスズカがシンクロして併せウマをしているような演出が素晴らしかったです。
スズカの主戦でもあった武豊騎手がレース後に「スズカが背中を押してくれた」と言っていましたが違う形での表現でまさにスペに力を与えてくれた感じでした。{/netabare}

小ネタ&ツッコミ。
9話。
{netabare}・なんだその受話器!シュールすぎるだろwww
ウマ娘は耳が頭の方にあるので受話器が長い(笑)
…ということは一般人が使う電話はウマ娘は使えずウマ娘の使う電話は一般人は使えないと……長さが調節出来る電話とかあったら面白いな。
で、スマホ通話はハンズフリーにしないといけないという…
・ブロワイエのモデルはモンジュー。
さすがに外国のお馬さんなので許可も取れず別名で参戦ですね。
しかしあのオスカル様みたいな容姿はどうなんだ…{/netabare}

10話。
{netabare}・ニンジンハンバーグ。
名前から想像したのはすりおろしたニンジンを使ったハンバーグでしたが…
実際はハンバーグの真ん中にニンジンが刺さっているというシュールなものでした…。
お母ちゃんそれどんなセンスなの。。。
・名門メジロ家。
さすが名家、屋敷がでかい!そして初登場メジロドーベルちゃん。
この先出番はなさそうだけどドーベルちゃん…結構可愛い(笑)
・スピカのメンバー勝ちまくり。
秋天前に全員レース映像がありましたがしっかりゼッケン番号押さえてますね。
テイオー2番(新馬)、ウオッカ9番(エルフィンS)、スカーレット1番(中京2歳S)、マック6番(新馬)、ゴルシ4番(コスモス賞)
中でもダートでデビューだったマックの地面がちゃんと砂色だったのも◎
…しかしみんなレースが季節違うけどそこはこだわらなくていいのね。。{/netabare}{/netabare}

最後にテイエムオペラオー。
10話のアバンに登場していた頭に王冠を載せたウマ娘ですが、放送前の5月17日に亡くなったそうです。お悔やみ申し上げます…
種牡馬としてはあまり良い仔に恵まれなかったのですが全盛期の強さは圧倒的でしたね。
印象に残っているのは有馬記念。後方からの競馬で前が開かず「こりゃ無理だ」と見ていたら抜け出してから恐ろしい執念のような気迫で差し切ったのは年度の最後を飾るに相応しい王者だったように思います。
22歳の若さで旅立ったのは残念です。


11~12話。
11話スズカ復活!
12話ジャパンカップ、スペVSブロワイエ。

まず11話。
{netabare}史実にないお話。多くのファンが見た夢。
演出的に出遅れていつもの逃げではない戦法でピンチか?と思わせてからのタメ→加速のシーンは絶妙。
スズカファンに向けたとも思える夢の復帰戦はリアル競馬ファンは勿論、ウマ娘界のスターとして応援している競馬は知らない層にもしっかり強さをアピール出来た良い出来だったと思います。
ただ1点、レース後に大レコードとか言ってましたが…正直言ってそんな事はどうでもいいです。
{netabare}競馬を知らない方はちょっとピンとこないかもしれませんが速く走る事と競馬で勝つ事はイコールではないんです。
馬場状態、展開、もっと言えば風向き風速などでも走破タイムは変わってきますし直線抜け出して単走になるのと隣と競り合うのでも変わってきます。
JRAのHPに記載されているレコードホルダーを見ても芝2000m(秋天の行なわれる距離)のレコードはトーセンジョーダンが持っています。
ジョーダンは決して弱い馬ではありませんがスズカより速いかと言われると疑問が残ります。(なおアプリではジョーダンのウマ娘もいる模様)
また2200mの保持者であるグリュイエールは重賞未勝利馬です。(この子は僕のPOG所有馬(※架空の馬主ゲーム)でいずれは重賞獲れると信じていますが…)
2200mでのG1は宝塚記念とエリザベス女王杯があります。G1も行なわれる距離で1600万条件のレースでレコードが出るのは馬場によるものが大きかったと思われます。
勿論、そのタイムで走れるかどうかは能力を知るポイントではありますが速い=強いではないのです。{/netabare}
せっかく競馬愛に溢れた作品なのに素人目線での大レコードなんて一言は要らなかった。。
速く走れば脚に負担がかかる。せっかく復帰したスズカがまた脚壊したらどうしてくれるんだよ、と思った訳です。

あとレース前に「無事に回ってくれば」と言ったファンにスカーレットが切れてましたが…それもまたファン心理なんですよねぇ…
スカーレットはスズカを信じていますし実力差から見て負けるはずはないと思って怒っていますが、大きな怪我を乗り越えて帰ってきてくれたんだからとりあえず慣らし運転的に無理せずに走って欲しいと願う気持ちは決してスズカをバカにしたものではないんです。
無事であればまた次も見られる訳ですし、無理して1着でまたお休みになる、下手をすれば今度こそ再起不能になるぐらいなら絶対無理だけはして欲しくない…愛溢れるファンの心理だと思います。{/netabare}

12話。
{netabare}世界最強と謳われるブロワイエ(モデル馬モンジュー)。
片や昨年ダービーを勝ち、今シーズンは天皇賞春秋連覇を成し遂げた総大将スペシャルウィーク。
日本ダービーに次ぐお祭りジャパンカップ。
個人的にはレースシーンが熱い事は熱いけどなんとなく飽きてきた印象もありましたが…
こればっかりは差し馬として後半追い上げる形になるので仕方ないですかね。
この回で一番良くやったと思ったのがブロワイエの着順です。
史実では4着で調整不十分(絶好調ではない)という敗因を挙げていましたが作中のブロワイエは絶好調で自信たっぷりでした。
それで結果4着ではラスボス感を出していたのに拍子抜けですし何より相手が実力を発揮できずに勝ったなんてスペの激走にケチをつけるような事にならないように配慮した結果、何着だかわからないようにしてありました。


小ネタ。
{netabare}エルコンが教えたいいレースをしましょう。
La victoire est mon
作中では意訳され「調子にのんな!」になってましたが直訳では「勝つのは私」になります。
なのでブロワイエはともかく他の外国ウマ娘(ボルジアとフルーツオブラヴ)が激昂するほどでもない気もするんですけどね…
とりあえず言いまくって空気を悪くしているスペ、その姿をニコニコで見つめるエルコンが最高でした(笑)

欠番。
スタート前のゲートで9番がありません。
外国馬アルボラーダが出走取消になったので詰めてます。この芸の細かさ。{/netabare}{/netabare}


13話。(EXTRA R)
{netabare}{netabare}史実ではない夢の組み合わせ。
競馬ファンなら誰でもが考えた事のある「最強馬は誰だ?!」というレース。
レース的にはオールスターで実況さんが大変な感じでしたが…
おおまかに位置取りは実名馬に添ってましたがオペラオーが前過ぎ、ビワハヤヒデが後ろ過ぎな感じでしたね。
あとはスペがかなりの速度で後続馬群から抜け出してスズカに並んだのに結果として横一線でゴールという事はスピードの持続が出来ていないという事で…よ~く考えると主人公としてはちょっと肩透かしな感じになってましたが。。
勝利者をぼかして「優勝は視聴者各々の心の中に!」といった感じでしょうか。
全員1着と思ってもいいし、ほんの数センチ差で誰かが勝っても大接戦の良いレースと思ってもいいし、上手い事論争を引き起こさない(逆にどうだったかの論争にはなるけど)作りで良かったと思います。{/netabare}


小ネタ。
{netabare}アバン冒頭のスペあんぐり顔でグラスが口元を押さえて笑っているシーン。
「グラスちゃんに負けちゃったけど…」と言っているように有馬記念は接戦の末に負けてしまいました。
4cm差という際どい勝負でしたが、ラストラン&秋古馬三冠(秋天・JC・有馬)を達成という偉業(達成馬は現在2頭、いずれもスペより後の世代)もあり鞍上の武豊が勝ったと勘違いしてしまったちょっと恥ずかしいレースとなっております。
ウイニングライブの元ネタとなるものにウイニングランというものがあります。
G1で勝利した馬が引き上げる前にスタンド前をゆっくり走って騎手がガッツボーズなどで勝利をアピールするんですが、写真判定になっているにも関わらず勝利を確信した豊がウイニングランを始めてしまい、グラスワンダーの鞍上・的場騎手は「豊がそう思うんなら負けたんだな」と思ってしまい引き上げてしまった…(的場さんは僕が思うに非常に謙虚な方です)
ところが写真判定の結果、グラスワンダーが1着だった、という……(笑)
そんな語り継がれるレース後の一幕をえらい短時間でしかしふたりの対象的な表情で表したのも面白かったです。

アバン2レース目。
ウオッカVSスカーレット。
これも2cmという接線で決着した秋天の模様です。
自他ともに認める最高のライバルであるウオッカとスカーレット。
その名対決の一番手に挙げられる秋天。
これはスカーレットの恐ろしさが良く出ているレースだと思います。
直線でウオッカとディープスカイが上がってくる…休み明けでハイペースで飛ばしたスカーレットはここで終わりかと思いきやウオッカの姿を見ると(ファン目線)再び加速して追い詰める…
物凄い闘争心に感嘆すると共にこの子は早めに引退させた方がいいと思いました。
だって根性だけで走る馬はその気持ちがいつか脚を壊してしまうかもしれないから…

アバン3レース目。
テイオー復活。
えらい端折ってるんですけど、実際トウカイテイオーという馬はそれだけでドラマ1本作れるぐらいの波乱万丈な競走馬生を送っているんです。
とりあえず、1年ぶりの出走となった有馬記念での復活劇は素晴らしく、こんんなにあっさり映されるとちょっと寂しいです。。
あとスペが「テイオーさん」と呼んでますがこの辺の時系列変ですよね。
テイオーの方がスペより年上ですので呼び方は間違いないんですが回想だと三冠ウマ娘になれなかったと悔しがっていた…という事はその姿をスペは見ているわけで(クラシック三冠は3歳しか出られない)…時期が前後しちゃってます。

最後に出たウマ娘。
トレーナーさんが見つけた新人さんですがまずキタサンブラックと見て間違いないと思います。
若干小さいのが気になりますが…(ブラックは540kg前後の大型馬){/netabare}{/netabare}
{/netabare}


視聴後の感想。
馬を擬人化?牡馬まで美少女?
日本のアニメ業界どこまで行っちゃうんだよ?
開始前はそんな感じで、とりあえず競馬好きだし1話だけ観てみるか…と観始めた作品でした。
可愛い女の子たちがきゃっきゃしてるだけなら即切りも辞さないつもりだったんですが、いや~結構しっかりしたスポ根モノとして描かれていました。
また競馬好きが作っているだけあって細かい所に史実と重なる場面やエピソードを交えていてこだわってるなあと感じました。
変な先入観は捨てて、ウマ娘たちのレースに賭ける思いを観て欲しいと思います。

ある意味主人公のトレーナー。
{netabare}明確な表の主人公はスペシャルウィークとサイレンススズカになると思いますが、チームスピカをまとめるトレーナーさん(本名なし)は裏の主人公と言えると思います。
恐らくゲームをするにあたってプレイヤーがトレーナーさんの立ち位置になる訳で(だから名無し)ウマ娘の実力を確認しつつ困難も乗り越えて勝利を手にする、そんな姿を見たい、自分の夢だと言い切る…多くのウマ娘たちを「美少女」としてではなく「選手」としてしっかり見ているトレーナーさんは好感度が高かったです。 {/netabare}


まとめ。
基本はスポ根ものです。
なので美少女アニメは苦手~と言う方でも多分楽しめます。
ウイニングライブとか言うライブがあるんでしょ?アイドル物はちょっと…って方も大丈夫。
あんまりそんな要素はないです。基本そこの重点置いてません。
悪いヤツも存在しません。みんな真っ直ぐでいい子たちです。
一生懸命ひたむきにレースに勝つ為に頑張るウマ娘の姿を是非観て欲しいと思います。
1クール本当に楽しめました。
この作品で競馬=ギャンブルではない、走っているお馬さんたちはいつでも頑張っているアスリートであると、知ってもらえたら嬉しいです。


独り言。
{netabare}たびたび姿を見せていたキンイロリョテイなるウマ娘。
これはステイゴールドがモデルとなるウマ娘ですが所有していた社台系の使用許可の問題かステイゴールドとはならずピックアップされる事もなく。
実馬はゴルシ(と登場していないオルフェーヴル)の父としても有名な馬ですが力はあるけど勝ち切らない、好走して次も期待すると惨敗してくるという非常に掴みどころのない性格でした。
キャラデザも衣装もカッコよく出来ればステイゴールドとして出してあげたかったです。
キンイロリョテイ=金色旅程、ステイゴールドの香港での表記は黄金旅程でした。{/netabare}

投稿 : 2018/06/24
閲覧 : 331
サンキュー:

30

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