蒼い星 さんの感想・評価

3.1
物語 : 2.5 作画 : 3.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態：観終わった

いいヒト…？

アニメーション制作：アートランド
2015年10月4日 - 12月20日に放映された全12話のTVアニメであり、1話あたり2分間のショートアニメ。
原作は、漫画家・クール教信者によって『まんがタイムオリジナル』で連載中の四コマ漫画。
監督は今泉賢一。

【概要/あらすじ】

小森朱里は15歳の中学生。180センチの長身と95センチのバストが非常に目立つ彼女は、
人からの頼まれごとを引き寄せてしまう性質であり、
困っている人の役に立つことが嬉しいということで、大抵のお願いを引き受けてしまう。
他人のために時間を使うことが多い彼女は、人より勉強や身体能力が鍛えられて、
素質的に不得手な分野以外は、何でも出来るハイスペックな人に。
そんな小森さんの頼られ続ける日々、親友たちとの日常、そして恋愛の兆しを見せるのが、
このアニメである。

【感想】

初見の印象は　いいひと＋おっぱい＋微萌え と中身の薄いアニメに感じた。
主人公の小森さんのおっぱいがいつも揺れてる事に、
あざとさというかスタッフが視聴者に何を求めてるの？という疑問が！
乳揺れがゴム毬みたいで色っぽくもないし。

んで、疑問が沸騰して一旦アニメの視聴を中断して原作を読んでみた。
小森さんは単に良い人なんじゃなくて、悩んで抱えたりするタイプで感情が爆発することもある、
普段は怒らない代わりに、本気で傷ついたら涙ポロポロ流してガチギレするのね。
おせっかいで善人かもしれないが、真っ白な純粋な善意だけで生きている人でもない。

翻ってアニメを見直してみると毎回2分×12回の24分間で見せられる情報量は至って少ないので、
登場人物の人格面の掘り下げだとか、小森さん、めぐみ、まさ子のなかよし三人娘の出会いだとか、
アニメでは一秒も登場しないメガネジャージ姿の小森(妹)の存在やら、
イジワルな物言いだが相手を観察して言葉を選んで小森さんの行動に釘を刺してくれる、まさ子(姉)の存在だとか、
担任が実は、まさ子の兄ということにアニメでは一切触れていないだとか、
全然勉強してなくてテストの成績が散々だっためぐみが、成績優秀な小森さん＆まさ子と同じ高校に通うために、
塾に通いながら自分を見つめ直す姿とか、めぐみといろいろと絡むことになる、大谷の親友・山中の存在だとか、
いろいろとアニメでは無くなってて、あれ？このアニメは原作者が作品で伝えたいことを、
全然伝えきれてないや！ということで全然物足りないと思えてしまうことに。
『小森さんは断れない！』は、実はかなり真面目なストーリーだったりする。

かろうじて、大谷が出てきて祭のエピソードなどで小森さんとお互いを意識するなど最低限は抑えているので、
アニメスタッフも原作を理解した上で尺が全然足りない中で頑張ったんだろうとは思うけど。

それ込みでも小森さんが、おっぱいのでかい親切ないい人でアニメでは終わっていて、
小森さんの恋愛面や本質的な部分だとか、いろんな登場人物の気持ちがアニメでは表現しきれてない。
会話主体の原作ストーリーなのに2分アニメ枠にしてしまったせいで、
会話に長尺を使えなくなっていることに、プロデューサーが無能なんじゃないか？
という疑惑が生まれてしまった。

原作も決して傑作とは思わないけど、登場人物の気持ちが丁寧に描かれてるという長所を生かすためにも、
アニメ作るにも原作の内容に合わせたフォーマットにして欲しいと思った。
本当にプロデューサーが何も解ってない。
まあ、原作の販促になればいいや？って感じのアニメ化だったのかな？


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。