Lovin さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
観た感じ
■情報
{netabare}原作:蝉川夏哉
監督:小野勝巳
シリーズ構成:吉田伸
キャラクターデザイン:いとうまりこ
制作:サンライズ
話数:2クール全24話
ED:「Prosit!」
by クラムボン
{/netabare}
■感想
知識:原作ライトノベル未読
鑑賞:動画
概要:居酒屋系異世界型
成分:異世界、居酒屋、のぶ
設定:寒空の下夜道を歩く衛兵達は…
この作品は某異世界で洋食屋の話の影響が未だ残っていたので何となく観始めた。展開は前出の作品と大した違いが無いが、演出のアレとアレは他の作品とは違っていた。もしかしたらそれが、あるアンケートで一話切りした作品の一位を獲得した理由かも知れない、と考えている。制作が「舞-HIME」とい前例のあるサンライズということで、ロボものではない作品も楽しめれば、という軽い気持ちでもあった(ゼノグラシアは…個人的には面白かったが)。因みに、「居酒屋のぶ」が異世界に店を構える運びとなった理由は作中には抽象的に描かれている。なおのぶ+は観ていない。
{netabare}「居酒屋のぶ」を経営するのは矢澤信之(32)と、給仕係の千家しのぶ(23)の二人。この二人の間に何かあるか、というのは描写されないが、Wikipediaを読む限りしのぶの過去には色々あるみたいなので、いきなりそういう展開にはならないだろう。また作中に異世界が影響されているであろう世界の文化ががちりばめられており、取り敢えずGoogle先生にお世話になることもあった。
作中軽犯罪未遂を犯すことで居酒屋との縁ができたエーファ(14)は、貧困層出身らしく初登場時はどこかの奴隷みたいな出で立ちだった。彼女には兄が数人の他に弟と妹が居り、軽犯罪に手を染めたのも「らしい」理由からだった。そんな事態があって、最終的に店に雇われる事になった。
戦場で鬼と呼ばれた男が、所謂食わず嫌いを克服しなければならないと使命感に燃えていた際、その原因だったヘルミーナ(16)も居酒屋で雇われることになるが、その理由は鬼のそれより深刻だった。またその原因を作ることになってしまったのは居酒屋だった。
更に”ある事情”により鬼を探していた女性が居り、アニメでは描写されないが何らかの理由(これも描写されない)から居酒屋に雇われることになる、まあこの部分はアニメには直接関係はないが、南の港町出身ということで北の港町出身のヘルミーナとは話が合いそうな、柔らかい物腰ではある。
ここでアレとアレの説明が必要だろう。前者は、漫画のように擬音を描き文字で補足する演出のこと。昔ゴルゴ13のアニメチックな番組では、さいとうたかを氏のコミックをフレームイン&パンでの映像として吹き替えを被せる手法を見たが、あれはアニメとは呼べる代物ではなかった。あと「FIGHT OF 某」とか言う年齢制限のあるアニメで同じ演出があったが、まあそういうアニメの使い道などひとつしかない。後者は、近年のバラエティ番組等で見かけるキャストの発言を字幕で補足するという演出。ただ字幕を出す発言が微妙に微妙。その演出は序盤だけなのだが、そういう辺りが毛嫌いされた結果が一話切り作品第一位を獲得できた所以ではないかと。
しかし話の流れから、常連客が物語の鍵になるとは思わなかった。その話は…レビューの禁じ手である「観ていればそのうち分かる」としたいが、詳細は物語の根幹に関わるのでそれで逃げさせて頂きたい。だって本当にそうなのだ。
展開は…としたが、常連同士の諍いはほぼない。幼馴染のおっさん同士が多少の絡みがあるが、それは好物の美味しさの主張ではなく、単に幼馴染故の張り合いというレベル。エーファ曰く「美味しいものを前に喧嘩なんてありえない」らしく、最終的にはおっさん達を諌めるというお姉さんらしい一面を見せる。
気になったのは魚の開き方だ、魚をおろす時、大将は京都の老舗料亭で修行していた筈なのに、背中から包丁を入れていた。かつ自身も「腹から開くのが関西風」と、そんなこと言っても分からん異世界の常連客に説明していたのに、何故か背中から開いた。もしかしたらこれは「関西弁に聞こえる喋り方」と同じなのかもしれないが関西では珍しい。私が知らないだけで「ひょうたん弁当」で有名らしい「いづもや」(行ったこともない先斗町にあるが料亭ではないと私は思っている)では背開きなのかも知れない。また、ローレンツ(50)が初めて来店した際、ローレンツが厚切りベーコン、ホルガーとの争いの最中にはほっけをオーダー、初来店なのに何処でそんなメニューを知ったのか、不思議と辻褄が合わない部分があったりもする。
ちょっと疲れてきたのでまとめるが、全体的に気まぐれ扉の作品と似ているようで微妙に違う。私は楽しんだが、その微妙さ加減も敬遠された理由になるのだろうか。ただ私はエーファのお陰で楽しめた。と言うか、他にも推すべき話はあるのだが(失礼な表現なるのだが)、想いの外特筆すべきことが思いつかなかったのが、レビューを諦める原因だと思う。しかし「異世界もの」というジャンルさえ生まれたこの時代に、それなりに楽しめたと言う評価に値する作品であることだけは強調しておきたい。{/netabare}
■蛇足
{netabare} 何か、もっと書きたいことはあったのだが、
指の走りが悪いのか(これはいつものことだが)、
肌色の多い作品の最終回に影響されたのか、
上手く表現が出来ない。{/netabare}