「やがて君になる(TVアニメ動画)」

総合得点
81.9
感想・評価
667
棚に入れた
2465
ランキング
379
★★★★☆ 3.8 (667)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

絵で語る 構図・演出が神がかった名作 2期熱望

原作未読。
意味深なタイトルが気になり、前情報全く入れずに視聴開始。


【作品概要】
 漫画やドラマの恋愛のようにときめけない
 (好きが分からない)女子高生小糸侑。
 なんとなく入った生徒会での出会いが
 彼女を変えることになります。
 
【作品に対する感想】
 今期一番一生懸命見ていた作品でした。
 SAOよりがっつり視聴してました。
 この先どうなるんだろうと週末が楽しみでした。

 タイトルにも書きましたが、絵で語る作品です。
 キャラの表情はもちろんですが、
 背景の構図やキャラの距離・立ち位置に意図が込められており
 無駄なシーンが何一つないように思えました。
 心情の描写が凄いです。

 そしてものすごくドキドキさせてもらいました。
 エロ峠もっと堪能したい!
 1クールじゃ足りない!
 キスまでの描写でここまでエロく、
 綺麗に描くのは本当に凄いと思います。

 私にとってこの作品、余程のドはまりになったのか、
 OPのCD買ってみたり、
 外伝のノベルを読んでみたり
 自分でもかなり意外な事になっています。
 原作も非常に読みたくなりましたが、先が読めない、
 落とし所が分からないことにより魅力が高まると思いますので、
 アニメ化されたところ以降は我慢しています。


 というか2クールで最後まで描いて欲しかった。
 この状態で2期を待てと言いますか?
 無理です。
 原作がまだ完結してないので、仕方ないのは分かりますが、
 生殺しで放置されるのはきついです。
 一刻も早く続きを作ってください!(無茶言うな)

 ※この作品ではちょっとえちぃシーンが時々あり、
  スパイスとなっていますが、
  あくまでそれが本筋ではありません。ガチの恋愛劇です。

1)物語
 物語の大きな変化の直前で時間切れ。
 生殺しです。
 だから低めにしています。
 2クールで最後まで描き切ってくれていたら
 問答無用で5点付けたかも。
 (だから無茶言うな) 

 ただ物語自体は非常に面白いと思います。
 1話から衝撃。
 え?まさかの百合?

 他のレビューでも書いていますが、
 基本的に私は恋愛は男×女を視聴したいと思っていて、
 例えばとある超電磁砲の黒子も
 ネタと分かっていてもあまり笑えないです。

 と・こ・ろ・が!

 あまりに丁寧な描写のため、苦手意識を感じる間もなく
 一気に引き込まれました。
 あとはおそらく、二人とも真性百合というわけでなく
 「そうなってしまった」という流れが
 受け入れられたのかもしれません。
 EDでもそういう歌詞になってますしね。

 この物語の終着点はどこなのか。
 {netabare}
 なんとなく劇の脚本が出来たあたりから
 「やがて君になる」とは
 「姉の仮面をかぶろうとしている燈子が
  燈子そのものを受け入れる」
 ということなんだろうかと思い始めました。
 {/netabare}

2)作画
 背景画が何かを暗喩していることが多く、
 非常に印象に残ります。
 特に河原のシーンですね。

 そして唇の描写がエロすぎる!
 侑の「ご褒美」と言った時、
 むにっと唇を人差し指で撫でるシーン。
 燈子の「侑エロい」のシーン。
 ドキドキします。

3)声優
 みんなはまり役過ぎて言うことありません。

 劇の練習のシーンが圧巻です。
 普段の会話と、劇のセリフの声の当て方を
 変えているように感じます。
 
 なお燈子は3種類ですね。
 普通の会話、迫真の演技、普通の演技。 
 後半の「気持がつかめてない」ところは燈子がまだ体感
 していないから普通の演技になってしまうのでしょう。
 それを演じ分けているのが凄い!

 あとエロシーンのささやきがエロすぎてドキドキです。

 キャストさんがどういうことを考えて作品制作に
 あたっていたのか非常に気になり、
 ラジオも全部聞いてしまいました。

4)音楽
 OP/ED飛ばせません。
 何度も聞きたくなります。

 OP「君に触れて」意味深です。
 花を多用していますが、ワンカットワンカットが象徴的で、
 どういう意味だろう?と考えざるを得ないです。
 園芸には全然興味が無いんですが、
 花言葉とか知ってると面白いOPなんだろうなと想像します。
 ちりばめられた花、キャラの距離、立ち位置、顔を隠す仕草…。
 最後の植物にがんじがらめにされて中身が無くなるのは
 何の暗喩だろう?

 {netabare}
 多分燈子は姉に、侑は燈子に縛られ、がんじがらめにされて
 自分を失ってるってことなのかな?
 {/netabare}

 ED「hectopascal」
 燈子と侑の中の人が歌ってます。
 二人の気持ちを素直に歌ってていい感じ。
 仕事中まで浮かんでくるので、放送中は大変でした。

5)キャラ
①小糸侑
 結構ズバズバモノ言う方に見えるんですが、
 でも流されやすいというキャラ設定にやや違和感を感じます。
 小悪魔モードの侑がかなりお気に入り。可愛すぎです。
 また、沙弥香に邪険にされても空気を取り持とうとした結果、
 沙弥香の大人な対応を引っ張り出したところは凄いと思いました。

②七海燈子
 なんというか燈子先輩の普段の品行方正なところと
 欲情モードの扇情的な表情のギャップがたまりません。

     家族   恋人・仲間   級友
 澪   ○     ×       ○
 燈子  ○     ×       ○

 こうみると二人とも近しい仲間には
 ダメなところを見せているようですね。
 燈子の方は「侑だけ」なので、より対象を絞っていますが。
 その分甘え方が澪より凄いことになっているようです。


③佐伯沙弥香
 初期の頃は「私が燈子の一番」みたいなオーラで怖かったです。
 侑の事も当然面白くなく、「この泥棒猫」みたいな感じでしたね。
 「なーんて無邪気に信じてるとでも思った?」はKOEEEE!
  
 この娘も侑の登場で「燈子をただ見守る」立場から
 少しずつ踏み込んで行くようになりましたね。
 彼女のキャラも深掘りされており、彼女は彼女で
 譲れないものがあるわけで、
 決して嫌いになれないです。というか好感持てます。
 
④叶こよみ
 生徒会劇の脚本を担当した際、神がかった物語と
 キャスティングにより生徒会メンバーを戦慄させました。
 おとなしい地味っ娘ですが、
 表情豊かで非常に可愛い娘です。私的にツボでした。

⑤槙聖司
 たまーにこういう傍観者を決め込んでる人いますよね。
 現実にこういう人がいると監視されてるみたいで
 気持ち悪いんですが、作中ではいい味出してたと思います。
 事あるごとに口元を隠していましたが、
 絶対あの裏でほくそ笑んでるんでしょう。

6)好きなシーン
 というか作中に無駄なシーンがほとんどなく、
 選ぶことが困難でした。
{netabare}
 ①「侑、エロい」
  役職的に模範生の方と思われる彼女が、
  こんな言葉を口にするだけで背徳的というか、
  危険な香りが鼻腔をくすぐります。
  ドキッとしました。

 ②侑が寝てる画像に悶絶する燈子
  あかん、この娘可愛すぎる。
  そして姉ちゃん、何かを察した。

 ③河原での語らい
  演出、距離感、色合い…すごくこだわりを感じます。
  橋脚を挟んでのワンカットは強烈なインパクトでした。

  燈子の過去、特別を演じ続ける理由、そしてだからこそ
  侑を好きになったこと。
  侑も燈子への気持ちは「好き」に傾いているように見えます。
 
  でも燈子が侑を好きな理由と、
  侑が自覚した気持ちは相いれないもの。
  侑が燈子を好きになれば燈子からすると侑は特別でなくなる。

  悲しい立ち位置です。
  ホントどうなるんだろう?

 ④名前呼びされて悶絶する燈子
  燈子先輩  燈子先輩  燈子・・・先輩
  ちょっとずつ呼び捨てに近づけるのが上手い


 ⑤名前呼びした燈子先輩に突っ込んだ堂島
  沙弥香の握り拳に噴きました。
  私の中で姑からヒロインに格上げした瞬間です。

 
 ⑥ご褒美に侑からのキスをせがむ燈子
  ホントにしてほしいと思っているのか、
  8話の件があったので侑を試しているのか、
  緊張が走りました。
  燈子の本当に残念そうな表情から察するに、ただそういう
  シチュエーションを望んでただけのようですが。

  9話のキスの描写、侑は最初の方は唇を結んでるんですが、
  最後の方はちゃんと燈子の唇とかみ合わせてますね。
  これで燈子に勘ぐられないか心配です。

 ⑦姉ちゃん「つまらん」
  妹なんやから心配せえよ!(笑
 
 ⑧合宿(初夜)
  三角形の重心…三者三様の距離感と心理描写が良かったです。
  みんな下心ありまくりの3竦み。
  心の中で「3人で良かったー」のシンクロは笑いました。
  あと皆さんの下着が小ざっぱりで
  色気なしなのがよかったです。
  高校生が大人下着だとリアリティの面で
  「ええぇ・・・」ですからね。

 ⑨合宿(劇の練習) 

 ⑩合宿(侑の嫉妬)
  燈子に頼ってもらえなくて嫉妬してる侑が
  可愛くてしょうがなかったです。
  ソフト部の同級生が見たかったのは
  こういういっぱいいっぱいの侑なんでしょうね。


 ⑪侑の部屋で二人きり(2回目)
  侑の方も気持ちの変化が決定的になっていて
  グイグイ燈子に迫ります。
  「好きにならない」と言っておいて、
  それはおかしいだろうと矛盾する言動が散見されます。
  もう燈子も侑の気持ちの変化に気づいてるんじゃないかなと
  思います。覆いかぶさってのキスは、
  それを言わせないために塞いだのかなと。

  二人のウィスパーボイスがもうエロすぎで…。
 
 ⑫脚本変更
  侑の想いが熱すぎてちょっとウルっときました。
  そしてこよみがまた可愛い。

 ⑬デートの帰り
  「先輩…そろそろ乗り換えですよ」
  燈子が歩んできたレールから違うレールに変える…
  そういう意味ではないかと勝手に思ってます。

{/netabare} 

7)やがて君になる 佐伯沙弥香について(追記)
 やが君アニメ本編でもちょっと語られた中学時代のことと
 さらに昔の小学生の頃のことが描かれています。
 沙弥香が燈子を好きになるまでの下地の部分が
 割と淡々と描かれています。
 ただ思ったよりも根が深かったなと。
 
 沙弥香の過去が知りたければ読んでみてもいいかも。
{netabare}
 読んでみた感想ですが、沙弥香がホント不憫です。
 あんな先輩のことなんかとっとと忘れてしまえ!って感じですね。
 沙弥香視点で描かれてあるため、結局先輩は何を思って
 沙弥香に迫ったのか訳が分かりませんでした。
 多分こうだろうという沙弥香の推測は書かれてあり、
 多分その通りだろうとは思います。

 沙弥香はアニメでも割と淡々としたキャラですが、
 中学、小学時代にさかのぼるほど
 ドライにだったという印象です。
 
 
{/netabare} 

8)原作を読んでみて
 あくまでアニメ化されてた部分だけを読みました。
 原作も心の機微を見事に表現した素晴らしいものでした。
 ただ、アニメの方はキャストさんや監督、
 いろいろな方の情熱でより素晴らしいものに
 仕上がっていると感じました。
 やが君は様々な人の力で昇華されている作品と思います。

 だから是非2期を・・・熱望します。

投稿 : 2022/12/10
閲覧 : 556
サンキュー:

43

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