「化物語(TVアニメ動画)」

総合得点
92.1
感想・評価
13381
棚に入れた
47358
ランキング
25

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

薬と毒は表裏一体

この作品は、西尾維新氏の小説である〈物語〉シリーズ第1弾を
原作としたテレビアニメである。このアニメを視聴した後に
原作を知ったため原作に関してのコメントはできない。

前に一度、挑戦しようと試みたのだが冒頭から気分が
冷めてしまい中断したことがある。
今回はそれなりに気持ちが高ぶっていたということも
あり、時折休憩をはさむことを前提に視聴した。
どうやら上手くいったようだ。

内容を一行で言い表すと、奇抜な演出や一風変わった
台詞回し等を取り入れた怪異ものの一種だ。私自身、
怪異ものは好物ということもあり、その点では
楽しめたのだが、それ以外で面白いと感じることはなかった。

まずは良かったところから。
各エピソードに応じて、OPやEDが変化していること。勘の
いい人なら、一回見ただけでどのような展開になるのか
予測される恐れがあるが、そこには目を瞑ることにしよう。
自分としては、丁寧に作られているように思う。

また、声優の演技も素晴らしい。特に主人公、阿良々木暦を
演じた神谷浩史氏の演技力は目を見張るものがある。
キャラクターの性質上ヒロインに対し、結構な頻度でツッコむ
ことが多い故、それなりに疲労感もあったはず。
制作スタッフが、彼に対し労いの言葉を掛けたのか少しばかし
気になるが、それは私が単に心配性なだけなのだろう。

ヒロインが怪異と遭遇したまでの過程やその動機に関しての
場面は面白かった。目を見開くほどではないが、それなりに
見ごたえはあったように思う。

ここからは気になったところを述べる。
始めに目についたのは、演出方面に関しての異様なまで
のこだわりだ。途中から意図的に行っている物だと認識
していたものの、くどいなと感じてしまった。
終盤まで延々と続くため、人によっては拒絶反応が出ても
仕方ないと思われる。
実際の所、私もかなり気になったし。情熱は眩しすぎる位に伝わった。
(極力抑えて欲しかったけど。)

レビューを書いていて思ったのだが、この作品における演出は
薬と毒の関係性に近いのではと考えるようになった。
ぶっちゃけ、薬も毒も人間の都合によって使い分けているに
すぎないのだが。
この作品に置き換えると、面白いと感じた人間には薬という
認識だが、面白くないと感じた人間には毒という認識だ。
そう捉えると、なぜこのシリーズがあんなにも長く続いている
のかが分かるようになってきた。だからといって、私がこの
作品にのめり込むという訳ではないが。

キャラクターにそこまで魅力は感じられなかった。
彼らが繰り広げる台詞回しも大して記憶に残るものではなかったし。
上手く言葉に説明するのが難しいのだが、自分には
怪異の引き立て役にしか見えないのだ。主人公が実際に
ヒロインを助けていない回もあったのに、全員のヒロインから好意的な
目で見られるのも不思議だった。もしや、その設定も怪異の一種として
取り入れたのだろうか。それなら納得だ。

これは個人的な考えだが、彼はあくまで狂言回しとしての役割を
担っているにすぎないので、余計な設定を付け加えないように
したのではないかと推測した。まあ、割とどうでもいいが。
そういった理由から、怪異の方に自然と関心が向いていた自分がいた。
暦などと違って、怪異に変な台詞回しは一切与えられてないからね☆

怪異ものではあるのだが、良かった部分よりも
気になる部分の割合がかなり高くなってしまったため
このような評価になった。
言い換えれば、そういった要素に抵抗がなければ
確実に楽しめるタイプの作品だと思われる。
内容重視の方は視聴しなくても特に問題はないだろう。
他にも面白い怪異作品が何本かあるので、私としては
そちらの方をお勧めする。

投稿 : 2018/10/28
閲覧 : 533
サンキュー:

36

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