コマキノ さんの感想・評価

3.9
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

ただの凌辱物と感じたらそれは大きな間違い

6話までの感想。あらすじは省きます
{netabare}
ゴブリンスレイヤー
豊作ひしめく今期アニメの中でも特に琴線に触れた良作だと感じました

ネットの反応を見てみると1話のような凌辱、グロテスクシーンだけが話題に挙がりますが、そんなことだけで語るには勿体無い、もっともっと魅力に溢れた要素を持つ作品だと思います。正直1話よりそれ以降のシナリオの方が私の評価は高いです

ゴブリンへの知識にたけゴブリンを狩り続ける、ゴブリンのことにしか頭にない主人公のゴブリンスレイヤー。それと対称的な新米冒険者で戦闘も不慣れな神官ちゃん。序盤からの２人のゴブリン狩りを通して冒険者としての神官ちゃんの成長を感じさせるシーンがいくつも見られたのは高評価です。４話のセリフ「慣れますよ」。戦闘シーンでは４、６話の守備面での立ち回り。普段の会話でも回を追うごとに堂々としてきて今ではゴブリンスレイヤーの保護者のような存在に。どんどん頼もしくなっていく彼女の姿、(・∀・)ｲｲﾈ!!

ゴブリンスレイヤーは常に頭の中がゴブリンだらけ。日常でもバトルでも常にクールに立ち振る舞っている一方でゴブリン以外には全く興味を示さないゴブリン脳と化してるところに独特な笑いがありそれも面白い。特に世間は魔人王との大闘争という大イベントを演じているにも関わらず当の本人はそれに目もくれず目先のゴブリン退治に明け暮れる。この世間とのギャップ具合がたまらない

特にこの作品の真骨頂はそのバトルにあります。極めつけは４話のオーク戦前のゴブリン退治。眠らせたゴブリンをエルフが自分の剣で刺殺する中ゴブリンスレイヤーのやるようにゴブリンの装備の剣で刺した方が効率良く殺せると気づくシーン。ここにゴブリンスレイヤーの全てが詰まっていると感じました。
確かにゴブリンスレイヤーはゴブリンに対しては圧倒的な強さを持っていますが、それは強靭な力で物理的にねじ伏せるものではなく経験や知識を生かして効率的にゴブリンを殲滅させるという比較的現実に即したものなのです。戦士というより職人という感じ。そのため後の戦闘でも持ち前の装備、環境でいかに効率的にバトルを広げるかといったところに常に焦点を置いています。それを異世界ファンタジーというジャンルで扱うところがとても斬新であり、それがこのゴブリンスレイヤーという作品の肝なのです。（TRPG要素ならではの展開ですね）

先のことを考えると、ゴブリン脳な主人公と対称的で素直な「冒険」を愛する３人の冒険者とのかかわりがどう本人に変化を与えるのか、なぜゴブリンスレイヤーはゴブリンをそこまで妬んでいるのか、今後の展開も非常に楽しみな作品です。
{/netabare}