「東京マグニチュード8.0(TVアニメ動画)」

総合得点
86.3
感想・評価
2690
棚に入れた
13807
ランキング
200
★★★★☆ 3.8 (2690)
物語
4.1
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

近くにあっても見失いがちな”家族の絆”の物語

東京消防庁、海上保安庁や陸上自衛隊等の救助関係機関への取材に基づき、大地震災害を想定した東京を舞台に繰り広げられる、13歳の少女を中心とした被災者目線で進む等身大の物語。

ノイタミナのアニオリ作品。

キャッチコピーは ”家族に会いたい、と初めて思った。”


本作は、取材によるシミュレーションに基づいた作品であり、その性質上、当然大地震時の対応についての教科書的な側面を多少含んではいます。

ただし、具体的に「どう対応すればいいか」について深く言及していく様な作品ではなく、寧ろ思春期真っ盛りで頼りない中学生の女の子「未来」が災害をとおし何を学び、どう成長していくかを主題とした”家族の絆”の物語でした。

一緒にいて楽しいのは「友達」や「恋人」であり、思春期においては家族を煩わしいとさえ感じてしまうこともあるでしょう。
それでも”家族の絆”は、「友達」や「恋人」にも埋められない、不思議な特別さを持っているものです。(悲しいことに例外はあるでしょう…。)

しかし”家族の絆”は、日頃近くにあるからこそ見失いがちなものです…。

本作は、そんな見失ってしまった等身大の中学生、未来の成長を描いた作品でした。

きっとまた薄らいでしまうのが人間の性(さが)なのかも知れませんが、より「家族を大事にしよう」だとか「次の休みは故郷に帰ってみるかぁ」とか考えさせてくれる素敵な作品でした。

また、自分も災害時には、イライラを周りにぶつけるような人間にはならず(残念ながら、そういう人間は少なからずいます)「真理さん」のような格好いい人間になれたらなぁ…なんて思いました。

地震の多い日本において、一度でも観ておくべき素敵な作品かと思います!

また、OPの abingdon boys schoolの「キミノウタ」も安定の格好良さですが、個人的にEDの辻詩音「M/elody」が作品にマッチしていて大好きです。

ED歌詞抜粋

「いつでもそれはね 近くにあるのに きっと見失ってたんだ 
 いまならできるよ 少し怖いけど ここで 進もう  」

この作品からは、悲しみ以上に、ポジティブなメッセージを感じました。そんな本作にぴったりなEDでした。{netabare}

きっと未来にとって悠貴はずっと自慢の弟であり続けるでしょうし、悠貴からもらったメッセージを宝物として、今後も力強く生きていけることでしょう。
愛しくてたまらない悠貴の死は、どこまでも悲しいものでした(終盤の未来が痛々しくて…涙がどこまでも…。)が、それにしっかり向き合い、大切に心にしまって、今後も生きていく小野沢家の人々を応援したいと思える綺麗な良作でした…。

{/netabare}


以下雑記(超脱線)

●災害時の避難について
 地震は最近も多いですし、関東で大地震が近いうちに起こるという予想もあります。
 東京がマグニチュード8.0であそこまで倒壊するのか?と訊かれれば、正直微妙でしょう。設計上まず壊れないだろうと思われる構造物の倒壊が作中いくつかありました。
 それでも壊れない「だろう」も予想でしかない。頑丈な構造物も経年劣化により悲鳴を上げてるものも多く、直し切れずに放置されている構造物だってあります。
 子供の頃は、”偉い人たち”が築き上げた現代社会は、完ぺきに近いもので、到底理解の及ばない”天才たちの作品”だと思っていました。
 しかし、大人になって、社会の歯車となってみると、信じていた社会が思いのほか脆く、痛いところに目を瞑って成り立っているに過ぎない”つぎはぎ”だらけのものであることに気づかされます。
 社会は思いも及ばぬ天才たちが作り上げたものではなく、サルに毛が生えたような自分のような阿呆(サルに失礼)が、阿呆なりに集団で集まり、何とか機能させているような、いわば生徒会の延長程度のレベルのものです。だからといって、曲がりなりにも一旦回り始めた以上、軋みながらも進み続けざるを得ない、そんな状況が現代社会です。
 ”安全”が安全とも信じきれない社会においては、慎重さは何よりも重要ですし、本作の倒壊っぷりを一笑に付すのは危険じゃないかな?なんて思ったりします。

 それはともかく、最低限、自分が最も多く過ごす場所(職場or学校+自宅)において、最も安全と思える場所と行動を頭に入れておくのは、馬鹿にできないと思いますよ!(なってから後悔しても遅いので)
 集団行動となる職場や学校はともかく、個人の戦いとなる自宅において、自分が素早くどう行動するか?が案外盲点だったりしますので、想定しておくことを強くお勧めします。
(因みに、ミサイルでも大災害でも、安定した自宅内の避難場所としては、『風呂場』があります。窓が小さく、面積の割に柱が多く頑丈な構造のため倒壊が少ないです。運が良ければ、閉じ込められた際に水も確保できますし、余裕があれば、携帯と毛布を持って、頭部を守りつつ駆け込みたいところです。)
 
(てかアニメからなんの話をしてるんだ俺は…。)

投稿 : 2018/11/18
閲覧 : 325
サンキュー:

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