「アイアン・ジャイアント(アニメ映画)」

総合得点
70.1
感想・評価
69
棚に入れた
373
ランキング
1582
★★★★☆ 3.7 (69)
物語
4.0
作画
3.8
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

自分のなりたい自分になれ

この作品は、ブラッドバードが初めて監督した長編アニメ映画である。
実は、評論家から高い評価を受けたものの興行的には大失敗に
終わったという過去がある。興行的には大成功しているが、評論家
からは酷評されている作品とは真逆のケースと言える。

内容を一行で言い表すと、巨大ロボット物だ。
とはいっても、ロボットと人間の友情を描いたハートフルな要素
が強いのでロボット同士のバトルシーンは皆無と言っていい。
まあ、流石にそれを目当てに視聴する人はいないと思うが。

見終わった感想だが、とても心温まる作品だった。
心を揺さぶられる場面が多いということもあり、途中から
目を離せなくなった自分がいた。隠れた名作とはまさにこのこと。

ストーリーはシンプルながらも、かなり見ごたえがある。
少年に助けられたロボットが人間の感情を学んで、少年と共に
成長して行くというのが大まかな流れだが、テンポが悪いと感じる
ことはなかったように思う。
これは、徹底してホーガスとジャイアントにスポットを
当てているのが大きい。また、ジャイアントの葛藤もきちんと
描いていたため、感情移入がしやすい作りになっている。
その上、コミカルを交えながら話が進んでいくため終始
暗い展開が続くということもなかった。子供でも問題なく見れるだろう。

魅力的なキャラクターが多いのも、この作品の良さの一つ。
主人公を含む主要メンバーそれぞれに明確な役割が
与えられているため、私としては、このキャラは不要だと
感じたことはほとんどなかったように思う。

ちなみに、社会風刺としても側面が強い作品でもある。
なんせ、時代背景が1957年のアメリカ、冷戦の真っただ中なのだ。
ロボットを通して、戦争の恐ろしさを訴えていたように思う。
そして、子供である主人公ホーガスと、政府捜査官という
肩書を持つマンズリー。
片方は戦争を知らない世代だが、もう片方は実際に戦争を経験した世代。
ロボットに対しての、認識が全く異なるのも興味深い。
この二人の考えや価値観の違いがそれを象徴している。

個人的に印象に残っているのは、ジャイアントが死の悲しみを
繰り返さない為に、自らミサイルへ突っ込んでいく場面だ。
途中から分かってはいたものの、やはり心が揺らいでしまう。
その上、「自分のなりたい自分になれ」をジャイアント自身
が言うのだ。ここでそのセリフを持ち出されて無表情になる
人間は流石にいまい。ホーガスとジャイアントのやりとりを
見ていて信じることの大切さを教えられた。

名作と言われても不思議ではないと感じる程、面白い作品だった。
海外の巨大ロボット物に興味がある方は
一度視聴してみてはどうだろうか。
個人的には間違いなく良作だと思う。

投稿 : 2018/11/25
閲覧 : 335
サンキュー:

15

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