「Just Because!(TVアニメ動画)」

総合得点
81.7
感想・評価
893
棚に入れた
3610
ランキング
388
★★★★☆ 3.7 (893)
物語
3.8
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

takoaki さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

写実的に高校生の恋模様を描いたアニメ

ここ数年、ほとんどアニメを見ることはなかったが友人に勧められ観てみることに。
コメントをここに残すのも数年ぶりでどのように作成していたか覚えていないので備忘録のようなイメージで。

あらすじ:親の転勤で福岡にいた泉瑛太は高3の2学期の途中に元住んでいた神奈川に戻ってくる。中学時代思いを寄せていた夏目、親友野球少年相馬に相馬の思い人吹奏楽部森川、そして写真部小宮を加えた5人の卒業までの数カ月の恋模様を描いた作品。

雑多な感想:
泉が転校してきてから変わりゆく日常がゆっくり丁寧に描かれていて、アニメーションという媒体をうまく使えていたように思う。
主人公たちの繰り広げる恋の駆け引きは自身の経験と重なる部分もあり胸を締め付けられることが多々あった。
それと同時に自分にもこんな青春があったらな、と思うのだがそれは大多数が抱くであろう感想であり、得てしてこういった類の作品には付き物だろう。
アニメや小説のような会話を現実でやるのはなんとも芝居じみていて現実味が乏しいので架空の世界の話を羨むのも致し方ないが、この作品は現実と作品の乖離が比較的少ないため余計この様な感想を抱くのであろう。
作品の時期が誰しもが通る受験シーズンということで赤本・赤シート・予備校等々、自身の経験と結びつきやすいものが多く出てくるのもあるかもしれない。
ただ、最も共感を多く生むのはやはり恋のやり取り自体。
好きな人から数日連絡が来ない。
好きな人が他の人と仲良くしているのを見てしまった。
告白しようとしたけどついごまかしてしまった。
こういったよくある恋模様を写実的に表していることが共感を生むのだろう。
高校時代を思い返すと自分にもこのアニメのような時があったのかもしれない。自分が気が付いてないだけで。とか思ってしまう。どうだろう。
高校時代の甘酸っぱさと切なさを味わいたい人は是非見てみてほしい。

以下はネタバレを含む感想
{netabare}
この作品、見終わって頭に浮かんだ作品は[true tears]であった。メインヒロインである石動乃絵は自身の想いを叶えられず終わるが、想いを叶えた比呂美の何倍も魅力的に描かれている。
この作品でも同じことを思わずにはいられなかった。小宮は自身の気持ちに気が付いてからというものの、江ノ島にデートに誘い、泉が夏目の第1志望校を推薦をけるつもりで受けるのを知りながらありとあらゆる神社のお守りを集めプレゼントし、卒業式には泉だけのための卒業アルバムを手渡す。自身が喜ぶことより、泉を喜ばせることを考え動く健気な彼女の姿についつい応援したくなってしまう。
一方の夏目は泉の推薦校に第1志望を変える、という想いの強さをみせるものの視聴者からして夏目と泉が結ぶのを願わせるような行為はあまりなかったように思う。キャラとしての魅力が薄いというべきか。泉が夏目のセンター試験会場まで行くのを手伝うシーンは泉の株はあがるが、夏目の株が上がるものではなく、夏目と泉の絡みはその試験日を除けば平凡であると思う。さらに言えば、受験を言い訳に自身の想いから逃げている節が目立ち、あまり良くは映らない(大学受験なら正直仕方ないか、と思うところもあるが)。
ということで、自分は小宮さん推しなのだが、作品の性質上夏目の魅力がそがれるのは仕方なく、それがこの作品の良さであるともいえる。
まず、面白い作品を作るためには仕方ない。夏目がさっさと相馬への過去の想いを忘れて泉へアプローチしたりした暁には話はすぐに終わってしまう。何の面白みもない。一定関係をこじらせ作品を盛り上げるためにも夏目と泉は自分の感情を素直にあらわにしてはいけないのである。そういった点で、負けの決まっている小宮は自分を全力で泉にぶつけることができ、結ばれる夏目はそれが許されず大きく行動するのが難しい。
そして、この作品が現実との乖離が少ないことも夏目の魅力が抑えられる要因である。物語にはある物事が生じる原因と結果の連鎖によりつくられるが、現実は必ずしもAという行為があったからBという行為が生じやすい、というものではない。特に大きな出来事がなくとも好きになってしまうし、良く接してくれた人に対して必ず行為を抱くわけでもない。素敵なアプローチをしてくれたからといって小宮に鞍替えしては現実味を欠いてしまう気がしなくもないのである(賛否両論ありそう)。人ってそういうもん、現実ってそんなもん、ってのを夏目の魅力を強く出さないことによって逆説的に表現しているように思える。
この2点が夏目が小宮に劣ってしまう点だと考える。
さらに言えば、小宮より夏目の方が現実的な人物である。小宮の尽くし方は少々現実離れしているし、場合によっては怖さすらある。あまり行為を抱いてない人が自分のジョギングコースで待ち伏せし、それなりにしたであろうお守りを大量に渡いてきたら現実で考えると怖い。アニメだから魅力的なキャラに映るに違いなく、ドラマでやってたら引いてしまう気がする。こういうキャラクターが多くを占めると作品のフィクション要素が強くなってしまう。だから、この様な特徴的なキャラは現実を写実的に描写するにはあまり適さない。そのため、作品のスパイスとしての役割が限界なのかなとも思う。
乱文がすぎるが、要するに小宮と夏目は作品での役割が違うわけで、小宮が魅力的なのはその存在が作品内で異質であるから、ということが言いたかった。小宮がいなければドラマでやればいいし、程よくアニメとしてこの作品を魅力的なものにしてくれている。

いろいろ述べたが、小宮さんすごいいいキャラしてるよねって話でした。
石動乃絵みたいで好き。 {/netabare}


他にもこんな作品あったらみてみたいな。

投稿 : 2018/12/06
閲覧 : 285
サンキュー:

10

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