「リズと青い鳥(アニメ映画)」

総合得点
85.8
感想・評価
547
棚に入れた
2284
ランキング
215
★★★★★ 4.1 (547)
物語
4.0
作画
4.3
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ずっとずっと、一緒だと思っていた。

この作品は「響け! ユーフォニアム」のスピンオフに位置付けられた作品です。
完走後にwikiをチラ見したところ、本作品は1本の独立した映画としても成立するよう制作されたと記載がありましたが、登場人物の紹介などは一切ないので私は一見さんお断りの作品だと思いました。
そのため、本作を視聴する前にテレビアニメ本編の視聴をお勧めします。

これまで本編である「響け! ユーフォニアム」では、主人公である黄前 久美子が北宇治高校に入学し、小さいに始めたユーフォニアムを続ける事を決め、高坂 麗奈を始めとする同級生4人組と、吹奏楽部のみんなで京都府大会…そして全国大会を目指して切磋琢磨する様が描かれてきました。

「全国を目指す!」とはどういう事なのか…
徹底的に非情にならなければ目指すことを許してもらえない目標であり、実力が伴わないと、どれだけ努力をしようがバッサリ切り捨てられる…
久美子たちは身をもって知る事になります。
流れる大粒の涙…悲痛な叫び声…そんな産みの苦しみを味わいながらも彼女たちは一歩ずつ階段を上っていきました。

この「リズと青い鳥」は紆余曲折ありながらも目標に向かってしがみついたオーボエ担当の鎧塚みぞれ(CV:種崎さん)と、一度は心が折れましたが吹奏楽部に復帰した傘木希美(CV:奈央ぼう)が紡ぐ物語です。

オーボエ担当の鎧塚みぞれといえば、毎日黙々と練習に打ち込む姿が印象的でしたが、一歩踏み出した先で奏でた学校に響き渡る音色は涙が出るほど綺麗でした…
リードを咥えながらちょっと首を傾げた真正面の笑顔も大好きですが、アニメ流行語大賞2016の金賞を受賞した台詞「たった今、好きになった」が今も頭にしっかりと焼き付いています。

そんなみぞれが唯一心を許しているのが希美なんです。
何も無かった自分に吹奏楽を教えてくれたのが希美…
自分がここまでこれたのも希美のおかげ…
みぞれはいつも希美の後を追いかけてばかり…
きっとお互いにその立ち位置は悪くなかったんだと思います。

この作品のタイトルが何故「リズと青い鳥」なのか…
それは今度のコンクールに向けた自由曲が「リズと青い鳥」だったから、というのもありますが、一番はきっと希美とみぞれの立ち位置が被るから…
自信に満ち溢れ、周りからの人気も高い希美が青い鳥で、そこから動けずに日々を過ごしているリズがみぞれ…

そういえば、「リズと青い鳥」という曲は、オーボエとフルートの掛け合いがとても綺麗な曲なんです。
オーボエとフルートといえば、みぞれと希美が演奏する楽器…
しかもお互いが楽器のリーダーなので、最大の見せ場が二人の共演という形になるんです。
きっとみぞれも希美も嬉しかったと思います。
だから演奏にも当然気合いが入りますよね…

ところが、いざ合わせてみると突きつけられるのは予想に反した結果ばかり…
だって物語の登場人物の心が分からない…
自分には真似出来ない…理解できない…どうしてそれが幸せなの?

そんな葛藤がもたらしたのは一筋の光である気付き…
この一筋の光がこの作品の展開を大きく動かす事になるのですが、気になる方は本編で確認頂ければと思います。

このレビューのタイトルである「ずっとずっと、一緒だと思っていた。」は、公式HPのTOPページに記載されている一言です。
視聴する前は、この言葉の意味が皆目理解できませんでした。
でも視聴すれば、言葉の深さが感じられると思います。

言葉だけじゃありません。
本分である演奏も半端ありません。
特に終盤…響き渡る楽器の音色は私の涙腺に直撃でした。
上映時間90分の作品で尺も短いため、あれもこれも詰め込むことはできません。
そのため、アニメ本編よりはこじんまりした印象はありましたが、必要なモノは全部入っていたと思います。

2019年の春には完全新作の映画が上映される予定ですが、そちらを視聴する前に是非こちらの視聴をお勧めします。

投稿 : 2018/12/09
閲覧 : 463
サンキュー:

45

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