「ヴァイオレット・エヴァーガーデン(TVアニメ動画)」

総合得点
94.0
感想・評価
2528
棚に入れた
10274
ランキング
6
★★★★★ 4.2 (2528)
物語
4.1
作画
4.5
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ネタバレ

をれ、 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

この人形のような少女は何を届けられるのだろうか。。

ヒロインのヴァイオレットは人形のような少女です。お人形さんのように美しい容姿をしていますが、愛という人の心のしくみが解りません。それは戦争孤児で、兵器のような使い捨て兵士として育てられたからのようです。彼女を人として扱って育ててくれた大佐に彼女は心を開きますが、その大佐は戦闘中行方不明になってしまいます。その大佐と別れる前の言葉が「愛」なので、彼女はその言葉に固執しその意味を探し始めます。
 そして、彼女の両腕は元兵士の時に戦闘で失われて、今はタイピングさえ可能な非常に高度な義手を付けています。そして自動手記人形サービスという、依頼主の下に派遣されて、手紙を依頼主の代わりに作る仕事に就いています。文字を知らない人の代わりに文字をタイピングするという訳ではなく、文章そのものを作成する場合も多いです。というのが私のこの物語を数話見たときの理解です。
 この設定でいくつか気になることがあるのですが、それは後回しにして。まず、私がこの物語を見始めたときの印象からにします。それは作画がものすごくキレイで、しかも演出が細やかで実写を視ているような気さえしました。
しかしそれでいて話の内容は、ピンと来ないという、身も蓋もない印象でした。それは私が、特定の個人に宛てた手紙を書く、あるいは逆にそういった手紙を貰う経験があまりにも不足しているからだと思います。手紙を書く時間や時間があったら直接会いに行った方が早いとか、気が付いたら電子メールの時代になっていて、電子メールには事務的なこと以外書かなとかの理由もありますが、手紙を出さない性格ですw。しかしそれでも、この物語を視ていくうちに、心のこもった手紙を受け取ることが、どれだけ幸せなことなのか思い出したような、理解できたような気になりました。
 さて、物語の評価を高くできない理由について述べたいと思いますが、一言でいうと設定の強引さが世界観の構築を妨げているような気がします。愛がわからない、優秀な戦闘員の過去、オーパーツな義手、などの設定がどうにも不自然に感じます。他にも、手紙すら書けない普通の人々も変に感じるかもしれませんが、それは手紙を代筆しながら、依頼者の心情や境遇、それに愛情を説明する目的があるので外せないし、物語が成立しなくなってしまうので、不自然だとしても疑問を持つことはありませんでした。しかし、この人形のような少女が、幼少期から過酷な訓練を受けた、極めて強い戦闘員だったと言われても信じ難く、もっと何か異なる不幸設定があったのではないかと言いたくなります。そういう設定のせいなのかほとんど感動するまではいかず、ちょっとイイねと思うにとどまる話ばかりでした。
 なお、全然感動しなかったわけではなく、{netabare} 第十話では、前述の通りに手紙に無縁な私でも、感動しました。そして何故か救われたような気持になりました。その後何十年にもわたって、毎年、もうこの世にはいない母親から愛情が届くなんてなんて素敵な話なのだろうと。{/netabare}
 幸せや愛情を届けることこそが物語の中心なのだから、それに関して不必要で不自然な設定、それにやはり不自然な戦闘シーンがなければ、もっと感動したのではと思います。

投稿 : 2018/12/26
閲覧 : 241
サンキュー:

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