「リズと青い鳥(アニメ映画)」

総合得点
85.8
感想・評価
546
棚に入れた
2278
ランキング
214
★★★★★ 4.1 (546)
物語
4.0
作画
4.3
声優
4.0
音楽
4.2
キャラ
4.1

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ネタバレ

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

音楽って本当に素晴らしいですね

ようやく見れた!
「響け!ユーフォニアム」の続編の位置づけにある本作品だが、見た感じはほんとに別物。これだけで完結した、恐ろしく完成度の高い、珠玉の名作であった。ナレーションは無く、全編に音楽が流れ、全体で1つの曲を奏でているイメージ。本編のユーフォニアムシリーズの中の世界でありながら、全く別の世界を描き出していた。
PV等を見たときには、キャラデザインが全然ちがうじゃん!と思っていたが、これは完全にリズと青い鳥のお話。キャラが違うのはワザとだろう。水彩画のような画面イメージにぴったりで、すごく良かった。鎧塚さん、かわいい!
対照的に、楽器はあくまでもリアリスティックに描かれ、影の主役としての存在感を示していた。
ユーフォのシリーズでいつも感心するのは、音楽の表現の素晴らしさ。鎧塚さんが、青い鳥を認識して覚醒したあとのオーボエソロは、本当に鳥肌もの。知らずに涙があふれてしまった。
クラリネットとオーボエの掛け合いを、トランペットとユーフォで表現するとか、鎧塚さんと傘木さんの演奏のうまさを途中で逆転させるとか、本当に吹奏楽をよく知らなければできない演出には舌を巻いてしまう。演出がうまいのだろうが、楽器をよく知らない人でも、うーんそうだなあと思わせてしまうところがまたすごい。
最初から終わりまで、息つく暇も無く見てしまった。こんな素晴らしい作品を作ってくれて、感謝しかない。本編の響け!ユーフォニアムに比べたら、全体に静かすぎて、退屈に思う人もいるかもしれないと危惧するが、私はこういう映画こそ評価されるべきと思う。個人的には、本編よりもこちらの方が作品としての完成度がはるかに上だと思っている。
本当に見てよかったと思える作品だ。

蛇足ながら、ユーフォニアムの世界なので、登場人物につき、簡単な感想を

・デカリボンちゃん(吉川優子)
⇒あなたが部長とは!しかも責任感もってりっぱに部長をやっているとは!一番成長したんじゃないかな。
・夏紀先輩(中川夏紀)
⇒やる気の無かった部員の一人だったのに、立派に副部長をやっている!コミュニケーションは得意そうだったので、部のまとめ役にぴったりかな。
・黄前ちゃん(黄前久美子)
⇒声を聴くだけで安心します。本編の主人公もこの映画ではほとんど出番なく。きっと低音パートを持ち前の性格で支えているのでしょう。
・高坂麗奈
⇒あいかわらずのセンス。鎧塚さんの欠点を指摘し、覚醒のきっかけを与えた。
・新山先生
⇒本編では影が薄かったが、この映画では主人公に次ぐ重要な役割。鎧塚さんを覚醒させた人物
・瀧先生
⇒本映画ではフォーカスが当たらない位置。相変わらずの手の演技は素晴らしかったが、楽器の演奏には勝てないね。
・北宇治高校吹奏楽部
⇒本編での優秀な上級生が居なくなったが、高坂さんや鎧塚さんのような全国レベルプレーヤーがおり、レベル的には全国に行けるだろう。しかし金賞をとるには、何かもう一歩足りない気がする。

すっかり鎧塚さんのファンになってしまったが、傘木さんも憎めないのは事実。共に未来に羽ばたいて欲しい。
何回でも見返したい、そんな作品でした。


追加したいキャラがあったので、追記
・剣崎梨々花
⇒鎧塚さんのオーボエパートに入ってきた1年生。この映画で初出だと思う。寡黙な鎧塚さんをダブルリードの会に誘い、心を開かせた新人。容姿や言動に似合わず、とてもクレバーな子だと思う。じゃなきゃダブルリードの会のリーダーやらないよね。こういう子、好きだなあ。
・図書館委員
⇒エンドロールに載っていないので、誰が演じているのかわからないが、人の神経を逆なでするような単調で淡々とした話し方をして、うまいなあと思った。

レビューをいくつか見ていたら、百合作品と評する方が多かったが、私はこの作品は、決して百合ではないと思っています。

投稿 : 2020/03/15
閲覧 : 345
サンキュー:

32

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