「やがて君になる(TVアニメ動画)」

総合得点
81.9
感想・評価
667
棚に入れた
2464
ランキング
379
★★★★☆ 3.8 (667)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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An さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

"Bloom into you"

初めて観た感想は「なんて描写が秀逸な作品なんだ…。」でした。

これはいわゆる「百合」の部類に分類される作品です。ですが、一言で「百合」と片付けられるものではありません。(ヒロインたちがただイチャイチャしているのを楽しみたいのならば、「ゆるゆり」とか、最近だったら「私に天使が舞い降りた!」などの方がいいかもしれないです。)

そうではなく、ここでは「百合」というテーマの下で、各人の持つ複雑な感情、合理的に説明することはできないような人の気持ちが巧みに描かれています(特に「水」を使った表現は印象的です。)。
人を好きになれない、「特別が分からない」主人公の侑と、そうした侑を好きになった燈子。そうした二人の微妙な距離感が-その詳細はアニメで観ていただくとして-秀逸で、自分自身でも色々と考察しながら観て楽しめる作品でした。
例えば、OPも、わずか1:30という短い時間の間に様々な表現が散りばめられています。
・タイトル時の各キャラの「足元」には、そのキャラの印象、特徴が表現されています。(燈子=砂→無個性、沙弥香=花畑→燈子への想い、こよみ=落ち葉→読書、芸術の秋など)
・沙弥香の持っているコーヒーは、本編で見れば察することができるように、「自分の(燈子への)気持ちを飲み込む」という沙弥香の微妙な立場を象徴しているものとして登場しています。
・サビ部分で侑と燈子がミラーで自分の顔を隠す行為が、本編の内容から察するに、照れ隠し。しかもミラーで侑の場合には燈子の顔が、燈子の場合には侑の顔が映っていることからすればその照れ隠しの対象。更に後者の方は顔が花で隠れている割合が多く、照れ隠しで直視できない度合いが燈子の方が高いと考えられます。
などなど、これだけでも様々な表現が散りばめられているので、13話全体を見ればもっとこのような巧みな表現が使われており、観ているこちらを飽きさせません。
自身でも発見しきれないので、是非とも頭のいい人にそうした表現を探してその意図を分析して教えてほしいくらいです(笑)

残念ながら、アニメはやや中途半端なところで終わってしまっているのですが、漫画では生徒会劇が終了するところまで話が進んでおります。この劇の回(前篇・後篇)もすごく大好きな話だったので、是非原作も読んでみてほしいです。

最後に、個人的には、燈子が初めて侑の部屋へ行ったときの燈子の初々しさあふれるあのシーンがキュンとして好きでした。

投稿 : 2019/03/08
閲覧 : 243
サンキュー:

4

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