「Re:ゼロから始める異世界生活(TVアニメ動画)」

総合得点
91.2
感想・評価
4044
棚に入れた
16646
ランキング
37
★★★★☆ 4.0 (4044)
物語
4.1
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.0

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルに惑わされてたら思ったよりえげつない物語

まずこの作品のキャラ「レム」。
ネット上の至る所でゴリ押しと感じました。
で、露骨なメイド萌え的な身なり。
そしてタイトルは「異世界生活」。

どうせうだつの上がらない根暗野郎が異世界に行って
ご都合主義のハーレムを形成してキャッキャうふふなんでしょ?
と、敬遠してました。

ところがアニコレの評価が意外と高いうえ、
「泣ける」「感動」などのタグが付いている始末。

一応確認の意味を込めて視聴開始。

【作品概要】
 主人公ナツキ・スバルは現代日本の高校生。
 コンビニの帰りに突然異世界に飛びます。
 突然のファンタジー世界にご都合展開を期待しましたが、
 おこることは当たり前の世知辛いことばかり。
  
 終いには死んでしまいますが、記憶を持ったまま死亡ちょっと前に
 死に戻る能力を発現させていました。

 さて、スバルは次々と襲い来る死の運命に
 どうやって立ち向かうのでしょうか

【作品に対する感想】(2020/7以下かなり追記)
 えーと、穿った妄想で敬遠してまして、すいませんでした。
 レビューのタイトル通りえげつない物語でした。
 
 設定自体はご都合なところもあると感じましたが、
 キッツい物語が好きな方であれば行けると思います。
  
 「命は一つ!死に戻りなんてあり得るか!」と感じる方は
 受け入れ不可能と思います。
 (むしろそれは正常な感覚と思います)
 
 私にとって「死に戻り」は結構抵抗がある設定だったんですけど、
 死ぬ恐怖、痛みが描けてたので、何とか受け入れることができました。
 ご都合ハーレム臭がする主人公の周りに美少女がいっぱいという
 キャラ構成も、思ったより納得できる経緯だったので、
 これも受け入れられました。

 普通だったら「あり得ない」と切り捨てる作品と思いますが、
 ウハウハな部分と相反して醜い部分も目一杯描いている
 ところが他作と差別化されているところであり、今作の魅力かなと。


1)物語
 七つの大罪がモチーフになっているのであれば、
 1期で描かれたのは1/7ということになります。
 ということで、スバルは死にまくりながらなんとか
 エンディングを迎えたもののまだまだ全体像が解らないという
 スケール感だけが残った感じです。

 醜いリアルを描き切っているなと思いました。
 場違い、見当違い、的外れ…ありとあらゆる目を背けたくなる
 不都合。そこを描き切ったのが、もはや類似品多数で飽和状態の
 異世界転生ものの中で異彩を放った今作なのかなと。

2)作画
 死に戻りだけに、スプラッターは遠慮なしです。
 流血だけじゃなくて、四肢が潰れたり折れたり曲がったり捩じれたり
 嫌悪感を抱くレベルのリアリティです。
 苦手な方は要注意です。 
 ですが、ここまでやるかってレベルの痛みの描写は私は好きです。
 だって、そういう物語なんですから。

 
3)声優
 ペテルギウス・ロマネコンティの中の人松岡さん。
 こんな演技もできるんですね。
 あまりに壮絶な演技でハードル上げすぎて、後の人が大変そうでした(笑

 小林裕介さん(スバル)や水瀬いのりさん(レム)の凄惨な演技が
 すごかったです。

5)キャラ
 ➀ナツキスバル
  正直好きか嫌いかと言われれば、嫌いなタイプです。
  物語開始時は甘ったれの鬱陶しい子供。五月蠅いですし。

  と言いつつ、彼は実際まだ子供。
  子供の価値観と力量で大人の世界に首を突っ込んだ
  (望んで突っ込んだわけでもないですが)代償を
  死に戻りで清算している感じでした。

  恐怖と苦痛を対価に何度も死にながら足搔く姿は
  醜いものなんですけど、ある種リアルな姿かなと思いました。
  誰だってあの環境に突如放り込まれたらそうなるよねって。

  前半は環境的に狭い範囲の問題だったので、力量不足を
  死に戻りで清算できていました。
  しかし後半はそれだけでは全く不足して{netabare}
  彼の精神はむしばまれ、やってはいけないことをやり続け
  孤立してしまいました。
  自分の手が届かないところで空中戦されると、
  焦ってしまうのは分かるんですけどね。

  普通なら心も折れ、死んでしまうところかもしれませんが、
  死に戻りの力が死ぬことすら許してくれません。
  とてもついていけるはずのない環境に、苦痛覚悟で
  成長しながらくらいついていく姿は、
  安易に切り捨てるべきではないかなと思いました。

  遠回りしながら、少しずつ考え方を変え成長はしていますしね。
  あのタイプの人間が突然交渉のまねごとを始めて
  1回で上手くいっているのはご都合主義と思いましたが、
  そこまでリアリティを求めてはこの物語が終わるまでに
  50年くらいかかってしまいそうですから、
  そこはまあいいかなと思いました。

  ゆえに後半の交渉材料集めてくるところとか好きでした。
  あと子供に好かれるっていうのは、無条件でポイント高いです。
{/netabaere}

 ➁エミリア
  愁いを含んだ微笑みがポイント高いです。
  こういう真面目で微天然なヒロイン好きですよぉ!
  守りたいその笑顔!
{netabare}
  彼女もそもそも人との関わり合いは苦手なんでしょうけど
  まずかったのは子供(スバル)にちゃんと首輪を
  つけられなかったことでしょう。
  首輪というのは物理的な拘束という意味ではなく、
  「当初のスバルを力量不足の子供と認識しているなら、
   子供のスバルでもちゃんと自重できる言い方」
  をすべきだったかなと思います。
  この辺が人間関係が希薄だった頃の負の遺産でしたね。
{/netabare}
 ➂パック
  ケモノで飄々としたこのこ、作品の20%くらいの魅力を占めてます。
  むしろこのこの出番増やしてください。
  敵もその弱点を知ってるのか、9時5時を外して
  攻めて来てるような気がしてます。
  
 ➃レム
  ネット上でごり押し感が強かったせいで、マイナスイメージから
  スタートした娘です。が、信頼した相手にはとことん尽くす
  タイプで、ここまでされたらイメージ変わらずにはいられなかったです。 
  本当の意味で自己犠牲をやってのけてる娘ですね。
  はっきり言ってスバルにはもったいない位と思いました(笑


 ➄ペテルギウス・ロマネコンティ
  出鱈目な名前に噴きました。
  もう徹底的に気持ち悪くて、逆に素晴らしかったです。

 ➅クルシュとアナスタシア
  優先順位がそれぞれ異なる王様候補。
  少なくともこの二人は優しさを感じます。

 ⑦ヴィルヘルム
  このおっさん…というかジジイ、めちゃくちゃ好きです。
  歳を重ねるなら、こういうジジイになりたいです。
  分別を弁えたうえで、子供の願望も同居する。
  まあ、そのためにはそれ相応の実力も必要ですけどね。

6)印象深いシーン  
{netabare}
 ➀クルシュ、アナスタシア スバルを教育する
  彼女らの振る舞いは冷酷なのか?
  私の感覚だとかなりお優しいのかなと思います。
  と言いますのが、彼女らの立場や感覚からすると
  何でそこにいるのかわからないレベルのスバルに
  教育してるんですよね。
  エミリアと何かしらの契約しているクルシュはともかくとして
  アナスタシアは何の関係もないのに、反感買うのを分かった上で
  ネタばらししてますよね。
  彼女ならスバルが「利用された」と理解させることもなく
  情報だけ抜き取って、一方的に恩を売ったことにしかねない
  タイプだと思うんですよね。
  
  彼女らがスバルに何を感じてそこまで時間を割いてあげたのかは、
  この1期を視聴する限りはまだ分かりません。
  今後そのあたりを深堀してくれると、説得力が増すと思います。

 ➁ヴィルヘルム無双
  白鯨戦あたりから突然人間を超越した動きを見せ始めます。
  初見唖然としましたが、鬱屈した物語が続いていた後だけに
  あのくらい無茶苦茶しないと視聴者も発散できないかなと。

{/netabare}

投稿 : 2020/07/23
閲覧 : 658
サンキュー:

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