ワドルディ隊員 さんの感想・評価

3.2
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態：観終わった

視聴者が見崎鳴と藤岡未咲を好きなのかどうかによって感想が変わる

この作品は、Anotherの前日談に当たる作品である。
この話から、Another本編へと話が続くように作られているが
これを先に見るか、後に見るかどうかは個人の好みによるだろう。
私としてはどちらでも構わない。

あらすじを一行で言い表すと、藤岡未咲が「4月の死者」になった経緯を
見崎鳴の視点で捉えたエピソードだ。
当初は、本編と同じようにグロテスクなシーンが多いのでは
と思っていたのだが、それは杞憂だったようだ。

全体を通した感想だが、話としては上手くまとまっているように思う。
変にだれることなく視聴できたので、気楽に見ることが出来た。
本編が好きな方からすれば、どこか懐かしいと感じる事だろう。

本編では、見崎鳴がどのような人物なのかがいまいちわかりにくい
印象だったが、この作品を見ればどのような性格をしているのか
直に分かるようになっているのは大きい。

また、短い時間ではあるものの、彼女の家族構成がある程度把握
できるのも良い。
（例の左眼の経緯についてもっと触れて欲しかったと思うのは
私だけだろうか）

予想していたよりも百合シーンが多いので、そういった要素を好む
人が見ても楽しめる作りになっていると思う。

ただ、彼女の死因が病死だったのは流石に拍子抜けした。
あえて、観覧車で死亡するかのようなミスリードを作ったのが
良かったから尚更だ。
いやー、あの烏があからさまに死亡フラグとして成り立っていたので
そこらから悲劇が起こると思ったんだけどなー。
これには、流石に驚かされた。誠に感服した。

二人が別れた後、そのまま車にはねられて死ぬのではと期待したが
そのままパタリと倒れるだけだったし。その後、どういった展開で
死ぬのか気になっていたのだが、目を見開きながら、片手を
伸ばしただけで終わってしまった。

本編のようにエレベーターによる落下事故という訳に
もいかなかったようだ。
自分なりに文章で書き綴ったのだが、それにしても
かなり味気ないような印象を受けた。

そこんじょそこらのホラーアニメならそれでもいいが、
このアニメは、スプラッターコメディを売りに
しているのではなかったのか。
流石に、ブリッ死を再現しろとまではいわないが、それに準ずる
ような見せ場を用意してもいいはずだ。
私からすれば、どうしてこうなったと言わずにはいられなかった。
最早、製作スタッフの中に藤岡未咲を溺愛している者が
いるとしか考えられない。これがいわゆる依怙贔屓かと私は解釈した。

Anotherを視聴して、見崎鳴が特に好きなキャラクターで尚且つ
藤岡未咲に関心がある方ならば見る価値はあると感じた。
見崎鳴と藤岡未咲に思い入れのない方は見なくて大丈夫だろう。