「サカサマのパテマ(アニメ映画)」

総合得点
70.4
感想・評価
660
棚に入れた
3136
ランキング
1528
★★★★☆ 3.8 (660)
物語
3.9
作画
4.0
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

考察を楽しむ作品ではなく、単純に作中で説明が不足している

「イヴの時間」と同じ吉浦康裕脚本の作品。
比較的評価の高い作品ということで期待して視聴したのですが、どうも私には合わなかったようです。
若干辛口評価になると思うのですが、視聴して同じ思いを抱いた方、高評価だけど共感できるところもあるという方がいらっしゃれば嬉しいです。

主人公・エイジは「アイガ」という世界に住んでいて、その世界は空を忌み嫌い、空を見上げることを禁じています。
一方で地下世界に住むヒロイン・パテマは、突然現れた天井を歩く男に襲われて地下世界をさらに深く落ちてしまう。
気がつくとパテマは地下世界の出口から排出されており、エイジに出会うが、エイジはパテマから見ると逆さまだった。
エイジの住むアイガの民と、パテマの住む地下世界の住人は、早い話が重力の向きが逆になっています。
アイガと地下世界間に交流はなく、アイガの支配層は、地下世界の存在を予期していて、その住人の特性についても確信しており、アイガにやってきたパテマはアイガの君主・イザムラとアイガの治安警察に狙われることとなります。

ちょうど映画のアップサイドダウンと似た設定の作品です。
ただ、アップサイドダウンは、主人公とヒロインは互いに作用しない反対方向に重力を持つ双子惑星のそれぞれにのみ引き合うという説明がありましたが、本作の二人の重力の位相については十分な説明はなく、舞台設定として重量の向きが逆向きな2種類の種族があるとしています。
アイガにやってきたパテマに踏める土はなく、少しでも油断をすると空に落ちてしまうという状況が新鮮でした。
視聴について、高所恐怖症の方は注意が必要かもしれないです。
パテマの状況は、終始、地面が見えないほどの超高所にいるようなもので、唯一の仲間であるエイジにしがみつかないと行動ができません。
ストーリーの都合上、カメラの上下がひっくり返ることが多々あり、その演出も良かったと思いました。

ただ、結論として楽しむことはできなかったです。
理由の一つとして、主人公のエイジが好きになれないというのがあります。
こいつが全く何を言っているのかわからないです。
まともなセリフが一つもなかったような気すらします。
印象的なところとして、銃を向けられたパテマをかばおうと前に出て、何かかっこいいセリフを飛ばそうというシーンで意味不明なセリフを口走り、呆れた敵に撃たれるというギャグのような展開がありました。あれは、やっぱりギャグだったのだろうか?
また、パテマはエイジに会ってそんなに長い時間を過ごしていないのに、なぜか二人は恋仲になるのですが、その際の心情の変化や感情の機微、その他、普通男女間に恋愛感情が発生する場合起こるはずの化学変化が本作には一切無いように思えました。
パテマとエイジのやり取りは童貞の妄想のようで、パテマは男に都合が良すぎて、エイジは言っている意味がよくわからなかったです。

また、途中で色々意味がわからないシーンが多々ありました。
あの廃墟とか、あの手紙とか、ラストシーンとか、考察サイトを読んでなるほどと思いましたが、本作は考察を楽しむ作品ではなく、単純に作中で説明が不足しているだけと思います。
ネタバレ無しで見終わった後は誰でも頭にクエスチョンマークが浮かぶと思います。
また、エイジが教師に叱られている途中で、突然現れた君主に足蹴にされるシーンがありますが、その場面においてエイジは君主にひどい目にあわされる謂れはなく、踏みつけられている状況に対し混乱するわけでも怒り出すわけでもなくエイジは甘んじて受け入れるので、もう本当にわけが分からなかったです。感情がないのか?
割と序盤のパテマを連れてエイジが逃げるシーンも逃げる意味がわからなかったし、逃げるにせよあんなにおおっぴらに逃げて、すぐ捕まるのがわからないのかと。

設定は良かったのに、それ以外が色々ダメな残念な作品だと思いました。
ただ、高評価をする方は多いので、本レビューを気にせずに楽しめる人は楽しめるのではないかと思います。

投稿 : 2019/02/10
閲覧 : 414
サンキュー:

3

サカサマのパテマのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
サカサマのパテマのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

二足歩行したくないが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ