「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(アニメ映画)」

総合得点
80.7
感想・評価
724
棚に入れた
4190
ランキング
435
★★★★★ 4.1 (724)
物語
4.4
作画
3.9
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

答えが解らない「今ここ」を生きる僕たちの物語

作品ラスト5分でしんのすけがケンとチャコに言った「ずるいぞ!!」の一言で僕はいつも泣きそうになる。
子供が、何も彼も捨てて逃げようとする大人に対して放った一言である。

ケンとチャコは何から逃げようとしたのか?
それは端的に言えば「未来」である。大きな物語が終焉し、何を信じていいかわからない現代において、彼らは確実な「過去」を選んで拠り所としようとした。つまりケンとチャコは「未来」の不確実な指標のない「可能性の世界」から逃げようとした。とともに「今ここ」の自分を否定して過去の自分に戻ろうとした。

対して、しんのすけは子供であり過去の蓄積が乏しい存在である。そんな彼にとって未来は希望であり「可能性の世界」なのである。子供であり未熟な存在であるしんのすけが、それでも不確実な指標のない「可能性」にベットすることに鑑賞者は未来の希望をみる。

人間は遠い過去を振り返る時、その記憶が良いもの悪いもの含めて、歩んできた道を「今ここ」に自身が存在している点において肯定し懐古的になってしまう。しかし本当に大切なのは過去の蓄積や「今ここ」にいる私を未来の自分や可能性にベットすることだと私は思う

投稿 : 2019/04/16
閲覧 : 256

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