「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~(Webアニメ)」

総合得点
73.3
感想・評価
517
棚に入れた
2399
ランキング
1007
★★★★☆ 3.8 (517)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

をれ、 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

死後、人は必ず天国に行けるとは限らない、というツッコミはとりあえず無で。

-音楽の評価点が低いのは、ワタシの偏見のためです。-

〇主な登場人物
デパート屋上にあるプラネタリウム解説員のほしのゆめみという名の少女ロボットと、屑屋の青年である。青年は、置き去りにされた軍事ロボットが徘徊し非常に危険な封印都市から、利用可能な資源の回収を生業にしている。

〇本作のワタシ的に良かった点は、
・少女ロボットのビジュアルや振る舞いがワタシ的に、カワイイ頑張り屋さん風で、好み。特に、全身を使って飛び跳ねたりしながら、星の説明をしているのは好感度が高い。
・少女ロボットの台詞回しと声がワタシ的に、リラックスできるので好み。
・哀しいお話だけど纏まりがあり、結末には涙とともに一応の納得ができる。

〇本作のワタシ的に(ワタシが)良くなかった点は、
せっかく哀しいお話を我慢して視たのに、この少女ロボットが憐れに思えたこと以上の何かを見出したかったのだが、ワタシでは無理だったということ。強いて言えば、見つけたことが、嘘も方便とか..チョットワタシがダメじゃんw。

〇感想を書くための粗筋などの確認
屑屋の青年は、利用可能な資源回収の目的で入ったデパートの屋上で期せずして、プラネタリウムを訪れる。
星空投影機のイエナさんは故障していて動かなかったが青年が何とか直して特別上映に漕ぎ着けることができた。青年はこの少女ロボットのほしのゆめみと交流しているうちに、ヒトであるかのように感じ振舞うようになったように感じられる。この少女ロボットは、デパート店員として有能なコンシェルジェのように人に奉仕し、人を不快にさせないような完璧な台詞回しと行動をする。惜しむらくはこの封印都市の状況を理解する術をこの少女ロボットは持ち合わせていないため、平和な時代の無意味な選択肢ばかりを提示してくることである。それでいて杓子定規な行動や言動は、ロボットであることを失笑と伴に何度も思い出させる。
 少女ロボットは、プラネタリウムの特別上映をどうしても見てもらいたいようで、それが使命のようにプログラムされているみたいだ。特別上映「宇宙にはばたく人類の夢」の内容は、{netabare}太古の人類の歴史から始まり、千年後の星空を計算して映し出すものであった。(個人的に小学生遠足の時、プラネタリウムで同様に今の時代の天体とは異なる何千年も前/後の夜空(星座)を見せてもらって感動したことがあります。)「あなたが暗闇に迷い本当の星空が見えなくなってしまったとき、そっと思い出してみてください。」それが小さな自分のゆめだと {/netabare}言う。特別上映が終了し、青年は、プラネタリウムを後にして、封印都市から戻る帰途につくが、少女ロボットは駐車場まで同行するという。
 結局、少女ロボットは{netabare}青年の言いつけよりも人の危険を看過しないことを優先して軍事ロボットの停止を試み接近した結果、破壊されてしまう、という哀しい結末を迎える{/netabare}。この話の流れに泣き癒し要素があるかどうかは、ワタシ的によくわからない。そうなることはなんとなく予想できるように物語が作ってあるような気がしたので、ワタシの心のイタミは、哀しみというよりは二人で元の世界に戻れなくて残念という残念感に由来する。
 この少女ロボットの機能停止がもたらした意味は、生き(稼働し)たことの証として、その生涯の記憶が収められたチップがこの青年に回収されたこと、と思われる。そして、青年が訪れなければ、孤独に機能停止していたであろうこの少女ロボットが機能停止の直前に、自分の幸福を振り返ることができたので、幾分マシであったと思われる。そしてそのチップの最後のページには、自分がますます活躍できると青年に言われ、おそらくは安堵の感情が刻まれている筈だと思う。そして、青年の心にはプラネタリウムで見た美しい星空のイメージが刻まれただろう。

〇人の形をしたロボットをどう捉えるべきなのだろうか
人形は、動くことも話すこともできないので、明白にロボット未満の存在である。コンパニオン(人に寄り添う)アニマル(命を持つもの)として、ヒトほども人として扱えないものと捉えるべきか、あるいはヒトと同等として捉えるべきなのか、それとも人よりも上位存在の天使や天女と見做すべきなのだろうか。
 本作では少女ロボットは感情を持ち、幸福を感じることができる存在として描かれている。ラストの方の場面で、涙は感情の象徴のように描かれていた。そして、背中の大きな羽衣のようなリボンや、讃美歌BGMなどにより時として癒しを与えてくれる神々しい存在のようにも見えた。

〇ほしのゆめみから神様への注文
人の天国とロボットの天国を分けないで欲しい。∵天国に行っても人に仕えたい。ていうか、そもそも天国に行く必要が無い、いやむしろ存分に人に仕えられるこの世は天国だと。この天国は黒会社っぽい発想に近く聞こえるので、あまり好きじゃないです。意味が、奉仕すると感謝を返されるのが嬉しいというのも、極端に言うと遣り甲斐搾取みたいで半分ぐらいしか同意できないですw。でもまあ人間の労働者とは違いますから..w。

〇本作を視てヨカッタなぁぁとは思う
それは、現実の状況説明よりも人を救う噓があることを知ってはいましたが、ラストの方の場面で再確認できたこと。もちろん去り行く人を落胆させるようなことを言う必要はない訳ですが、ワタシは愚鈍で気が回らない上にネクラなので、有りの侭の悲観的状況をポロっと言ってしまいそうで、こんな優しい噓が付ける自信はまるでありません。それはさておき、屑屋さんはこれまでにも仲間を見送った経験が沢山あるのでしょう。
 



-極個人的なメンドクサイ事{netabare}
特定の宗教の信者でも何でもないのですが、いろいろな経験から、♪慈しみ深き友なる○○○は~、という歌詞が頭の中に響き始めるので、元ネタ讃美歌312番のこの曲をBGMに使われると、物語に集中できないw。
 あと、どうでもいい話なんだろうけどグレネードが不発のときmissfireって言わない気がするけど、プロじゃないからよく知らないです。FPSで不発弾とか聞いたことないしw..なので。{/netabare}

投稿 : 2019/04/30
閲覧 : 261
サンキュー:

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