「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(TVアニメ動画)」

総合得点
94.7
感想・評価
1805
棚に入れた
7654
ランキング
3
★★★★☆ 4.0 (1805)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

まあまあ

最初の方あんまり面白くなかったから見るの止めてたんだけど、気が向いて続き見だしたら結構良かった。
2-3話で1篇で、12話で5篇の話に分かれている。

【好きでない点】
(1)芸能界関係の設定
私は想像力があまり豊かではないので、芸能界系が関わる話はあまり面白く感じられなかった。
別に先輩のキャラクタが気にくわないというのではなく、"芸能人と一般人の関係"ということについて、私は想像できない。
そう、最初のエピソードが芸能界系だったのでうーんという感じだった。
単純に"青春"がテーマならその設定はいらないんじゃあないかと。
逆にいえば単に描写にリアリティが欠ける。

(2)SF設定に量子物理学をこじつける
量子もつれ、観測理論を何にでもこじつけるのは如何かと思う。
フィクションとはいえ、青少年の教育によろしいのかな。
わざわざエセ科学観を出す必要はないのではと。
科学を尊敬するなればこそ尊重するべきだと思う。
別に科学は世の中の大半のことをまだ解き明かしていないのだから、原理不明な現象は原理不明な現象、のままで良いんだよ。不明を解明すべく尽力するのが科学なんだから。科学には"不明"なものは無い。というのは間違い。
下手に"量子物理学"とかを使うと、誤解を招く。
例えば、シュレディンガーの猫で語られた観測理論に対しては否定的な立場の人間が現在は多いらしい。アニメで語られるように"人間の意識による観測"のみを"観測"、と捉える説も存在はするけれど、少なくとも自分にとっては"生物に限らず何らかの物体の接触によって状態が特定される"こと全てを"観測"と呼ぶのであって、そこに意識の介在は必要ではない。(つまりシュレディンガーの例を使うならセンサーで、量子状態が観測された時点で重ね合わせの議論から外れ、箱の中の猫の状態は、どちらかに確定する。)
だいたい、シュレディンガーがあの思考実験を唱えた目的は、"量子力学の世界はこんなことが起きるよ、不思議だね"ではなくて、"量子力学にある現在の仮説(観測を明確に定義しない仮説)では、このような矛盾ともいえる事象が存在してしまうので真面目に議論して改善しましょうね"だったというし。
あと、量子論について語った口でラプラスの悪魔を語るところとか。(量子論は基本的に"神はサイコロを振る(未来は予測できない)"ことを前提とする)
まあ自分も専門家ではないから正しいことは言えないけど、ともかく間違ったことを教えるのもなと思う。特に、"学問の専門家"みたいなキャラの口でそういうことを喋らすのは。
ただ、だんだんこじつけが本当に適当になり、解説時間も減ったので、後半はまあええかとなった。
特に私は多世界解釈信奉者なので、大抵の議論が決別するのだが。


(3)主人公
嫌いじゃないけど好きじゃない。
ソツない出来。だがまあ量産型で最近の時流っぽいタイプ。
こういうアニメばっか見てると、やれやれダウナーなところだけ真似した隠キャがはびこって大変そう。別にダウナー系気取っても、ハーレムが実際に築けるわけじゃないから真似しないように。そして現実にはクニミくんはいません。ただ殺伐とした薄い人間関係があります。
よく主人公に"どうしてそんなに優しいの?"とか、"あなたは誰にでも優しいのね。"みたいなのあるけど。実際可愛い子が困ってたらラッキーと思い、進んで助けるのは全世界の男子全員に共通することで、残念な点は、あんまり困っている可愛い女の子がいなかったり我々の前で弱みを見せないことです。そして、可愛いだけでちやほやされる女は嫌いじゃという矛盾。
まあ主人公ソツなくいい人な感じはあるんだけどね。
好きにはなれないタイプだ。

(4)何とか事件とかいうやつ
主人公が傷を負って入院しただけでクラスから偏見持たれるとか、よっぽどアホの高校じゃないとありえません。普通に心配します。
主人公がゴリラみたいな体格とかならまだしも。

(5)
その他もろもろのツッコミどころ。
まあ、ただ、何とか事件にせよ、話の理路整然さはあんまり求めてないので良いです。

(6)
好きって伝えた方が良いよと強要する哲学。
俺にはわからん。 {netabare} 古賀回とかの自分に告白させるのは流石に {/netabare} 引く。それでスッキリってのもわからんが。
現実ではそういうモヤモヤが積み重なり積み重なって、大人になるのではなかろうか。

(7)
最終回へんが消化不良。
{netabare}妹が、テーマなのに、途中から翔子ちゃんをちょろりと意味深に出し、マイ先輩に見せ場を持って行かれて、終わる。普通に妹とその後どうやっていくかとか大事じゃん。要点はEDで掴めるが。しかも、続編やってもあの感じだと、真面目に扱うか怪しいし。{/netabare}

(8)ハーレム
ただ、むさい男の助けは確かにしたくないです、はい。
まあ女の子を複数人寝泊まりさせるのは男のロマンだよね。
だが自分以外の人間がそれ以外を行うのは単純に不快である。

(9)空気とかのテーマがやや露骨。まあ実際JKがどんな感じかしらないけど。


【好きな点】
・話がインフレしない
ラノベの話はどうしても話がインフレして、設定は良いけど、どんどんつまらなくなっていくパターンが多いが、これは、(今のところ)そういうことはないのが良い。1つの路線を踏襲する。

・現代風に青春をテーマにできている。
等身大の青春を描けているところは結構ある。

・青年漫画っぽいテーマを扱い、その扱いもまあまあソツない。
{netabare}引きこもり、いじめ、空気を読む、 自撮りうp {/netabare} 、etc...
青春のテーマというか社会問題みたいなのを、扱ってて青年誌っぽい感じ、と思った。青年誌だとテーマとして打ち出したはいいが、扱いきれずダメダメなものが多いが、程よく触れて後腐れない感じに出来ていると思う。別にテーマとしてああいうのを扱うのは好きではないんだけど、頑張ってるなと。特に{netabare}引きこもり{/netabare}のテーマはうまく扱えていたと思う。実際引きこもりがどんな感じかはしらないけど。

・キャラに嫌味がない。
キツいキャラ設定をしてないのは良い。

・媚びたシーンが少なめ。

・ {netabare} 最初妹の存在(振る舞いとか全て)自体がフィクション過ぎると思ったが、それをうまく伏線として処理できたのは良かった。 {/netabare}

・古賀ちゃんあざと可愛い。あとクニミの彼女みたいなツンデレを超えた敵愾心はMの股間にくる。

【総評】
ツッコミどころはあるけど、青春系としてはソツない出来。
あにこれで評価高い理由も何となくわかる。

またハルヒ見返そうかな。近くはないが遠くはないと思う。

P.S. 大事なこというの忘れてた。近年のラノベ作品では、一番よろしいと思う。こういういかにもな王道ラノベ系で、最後まで見れていいじゃん、と思えたのは久しぶり。

投稿 : 2020/07/12
閲覧 : 325
サンキュー:

10

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