「revisions リヴィジョンズ(TVアニメ動画)」

総合得点
70.6
感想・評価
306
棚に入れた
1130
ランキング
1473
★★★★☆ 3.3 (306)
物語
3.2
作画
3.4
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

選ばれなかった者

 まず主人公である堂嶋 大介の印象度が凄い。
 幼い頃に持った使命感に憑りつかれている感じで、かなり痛い存在。
 主人公でこれはまずいレベルだが、ここまで来ると不快感を通り越して面白い。
 そんな大介君も後半には反省して更生。この心情的な方は割とベタな展開だが、設定の方の
「実は大介君は選ばれし者でもなんでもなく、ただの予備でした」という展開がこれまた
面白かった。

 基本的設定というか、状況は楳図 かずお氏の「漂流教室」を思わせるもの。
 リヴィジョンズという明確な敵が存在するが、渋谷区側の対応などを見ていると、
リヴィジョンズの攻撃は自然災害のメタファーのようにも思える。

 ストーリー自体はそれなりにまとまっていたが、提示された設定があまり効果的に活かされて
いない感じで、タイムリープもの、ロボットものなどの各ジャンルものとしても物足りなさを
感じる。もっともタイムリープに関しては幼い頃の少年少女の記憶違いの伏線がうまいこと
活かされていた感はあったけど。
 結末も渋谷の現代への帰還を始め、全体的にあっさり気味の印象であまりカタルシスを
得ることができなかった。

 前述の活かされていない設定などもそれが要因だと思うが、とにかく全体的に尺がないための
描写不足の感が強い。
 なんだか2クール予定だった作品が1クールになってしまったような感じで、アーヴにしろ、
リヴィジョンズにしろ、もっと掘り下げて欲しかったかなあ。
 リヴィジョンズに関しては「異形の者が実は人間でした」という展開を辿るが、既に多くの
作品で使われたパターンだからその事象自体はそれほどインパクトなし。
 ただ、作中のアーヴの目論見ではないが、容姿が人間離れしていると視聴者としても敵と
割り切れやすく、これは考えてみるとある意味怖い部分でもある。
 逆にこの手のパターンは異形の存在が人間だったということが明らかになることで、その
異形の存在と戦っていたキャラが殺人を犯していたということに悩むことが多く、本作も
そういった部分があったが、その辺の葛藤も手真輪 愛鈴割の個人的悩みに終始して、それも
あっさり終わってしまった感じ。

 リヴィジョンズ側の中心キャラである3人はコミュニケーションボディと呼ばれるボディで
登場するが、これがケモ耳だったり、ゴスロリだったり、犬のぬいぐるみだったり。
 設定的には理にかなったものではあるのだが、シリアスな展開の中でユーモラスな容姿で
登場するとどうしても和んでしまう。
 やっていることはかなりえげつないのだが、最後までどこか憎めないところがあった。

 S.D.S.や行政の中心にいた人以外の渋谷の人々の状況なんかも観たかったところで、極限状況に
してはあまりギスギスせず、みんな物分かりがいいななという印象。
 そういえば自治会代表の横山 信夫と養護教諭の矢沢 悠美子は一波乱ありそうな思わせぶりな
描写をした割にはただのいい人で終わっちゃったなあ。
 特に悠美子の大介に対する色仕掛け的行為はその後には何も繋がらず、意味不明のまま。

 脇キャラ関係だと、大介の叔父である堂嶋 幹夫がリヴィジョンズに捕まった後、単独で
逃げ出してきたくだりは具体的な逃走描写がなかったこともあって、例えばリヴィジョンズ側に
寝返ったみたいな裏があるかと思っていたら、本当にただ逃げてきただけだったのは驚いた。
 特に中の人が櫻井 孝宏氏だっただけに何かあると思っていたのだが。
 これはテレビ放映時の感想で、今となっては更に別の意味を持ってしまいそうだが、他意は
ありませんのでw。

 S.D.S.の5人も単体としては成長譚要素の大介や悲劇性の強い浅野 慶作など個々の描写は
あったが、キャラ同士の関係性描写があまり無かったのも残念。

2019/04/09
2023/05/29 加筆・修正

投稿 : 2023/05/30
閲覧 : 327
サンキュー:

10

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