「フルーツバスケット [トムス・エンタテインメント版](TVアニメ動画)」

総合得点
75.8
感想・評価
342
棚に入れた
1405
ランキング
750
★★★★☆ 3.7 (342)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.7

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:----

とりあえず。

フルーツバスケットって登場人物に感情移入して、しっとり見守るタイプの作品。
序盤を見るに“天然癒し系主人公”の言葉に、呪われた一族が救われる物語に見えるのですが、
実は見たまま聞いたままの話ではなくて、
登場人物の本当の気持ちとか隠された人間関係が、話が進むに連れて明らかになっていく物語。
例えば主人公である透くんの口調や性格が何故こうなってしまったのか?という成り立ち。
あれも天然いい人と言うわけでもなく理由がちゃんとあったりします。
他にもオレンジ頭の草摩夾が常にイライラしてて態度がDQNっぽいのだけど、
夾くんも生い立ちや人との繋がりなどの様々な秘密を抱えていて複雑で、
後の物語で其れ等が解き明かされた上で初期の物語を振り返ってみると、
『あの時のセリフにはそんな想いや意味があったんだ』と初見とは違う印象を持ってしまうという。

2001年版全26話は、癒し系雰囲気アニメとしては良かったのだけど、
全ストーリーの1/3近くしか消化してない状態で終了。
透くん、夾くん、由希くんなど登場人物の心の奥底にあるものを曝け出す前にオリジナルエンドで終わってしまった。
ベストセラーな人気原作ではあるし当然、続編の要望があったわけだけど叶わず。

この2019年版では1stシーズンと書いてあるとおり原作者の監修付きで何期にか分割して放送するという方式。
今の進行ペースだと合計6クールかな?
フルーツバスケットという原作ストーリーの再現性では、こっちのほうが上回ることは言うまでもない。

今まで観たところ、プリユキの変なダンスとか大地丙太郎監督独特のギャグノリが無いことを除いては、
2001年版と雰囲気が大体が一緒。
主人公透くんの友人の花ちゃん魚ちゃんの喋り方も似てるし、声優は違えど18年前の物と、ほぼ同じ感覚。
スタッフは確実に2001年版を視聴済みで参考にしているように見える。

作画はこっちのほうが良い。
OP主題歌は十分に良いと思うけど2001年版の岡崎律子さんのものほど込み上がるものは無いかな。
2001年版は2クールで終わってて登場人物が一部いなかったり伏線全削除なので、
こっちのほうが原作再現性が高くてシナリオも良くなりそう。
2001年版はファンだったけど、午年の娘が登場前に最終回だったり、
何故か担任の白木繭子先生が名無しの男性ジャージ教師に差し替えられてたりで、
2001年版では削除されいてた原作成分が新アニメで十分なクオリティで観られそう!ということで、
毎週楽しみに出来そうなアニメ作品ではあります。


第5話。叔母一家視点で見ると、
兄の本田勝也と不良少女の勝沼今日子の結婚を歓迎してなかったし、
兄が早逝したのも今日子が兄の健康状態をしっかり見ていなかったからという理屈で恨みがある。
叔母主観だと今日子は本田家の疫病神であり娘の透に冷たいのは坊主憎けりゃ袈裟まで憎い状態。
叔母の子どもたちは母親が散々今日子の悪口言ってるの聞かされて育ってる影響で透を蔑んでる感じ。
祖父は客観的に状況整理できていて、勝也の死に今日子の咎は一切ないと解ってて透への偏見が無い。
透は良い人っぽく描かれてるけど、フルバって本来は悪意や憎しみが普通に存在してる優しくない世界なのですよね。

原作の高屋奈月の作風を見るに人間の陰湿な部分を隠さない。
人の悪口を言ったり嫌がらせをする人間は自分の世界だけで生きていて、他人への配慮や想像力が無い、
イジメそのものを娯楽として楽しんでる無自覚な悪として切り離している感。
そうでなくても見たく無い者を視界から外す人間がいて、それで疎外感や孤独に蝕まれる者もいる。
実際のイジメの構図も似たようなものだけど、フィクションの世界で再現されると拒否反応を示す人がいるかもしれないかな?と思いました。

投稿 : 2019/05/06
閲覧 : 437
サンキュー:

41

フルーツバスケット [トムス・エンタテインメント版]のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
フルーツバスケット [トムス・エンタテインメント版]のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

蒼い星が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ