「ピアノの森(第2シリーズ)(TVアニメ動画)」

総合得点
68.4
感想・評価
151
棚に入れた
576
ランキング
2045
★★★★☆ 3.5 (151)
物語
3.5
作画
3.0
声優
3.6
音楽
3.8
キャラ
3.4

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

スケールこそ広がったが

 原作は一部既読。

 内容的には作品全体のクライマックスであるショパン・コンクールを描いたもの。
 国際的なコンクールになっても審査員の思惑が勝敗の行方を左右する点など、1期の子供相手の
日本のコンクールの地方予選と本質は変わらないところがなんとも。
 むしろ国際的になった分、国の威信などの演奏者のピアノとは関係ない要素が増している。
スポーツもそうだが、国際的な権威ある競技会はもう政治の一部なんだと改めて思わせるような
展開。

 結果自体は一ノ瀬 海の優勝。メタ的視点でも最近の作品は競技会の初参加で優勝する
パターンがあまりないので、ストレートに主人公が優勝するという形は結構意外であった。
 その優勝に至る過程において、審査員が再び原点に立ち返り、音楽それ自体に真摯になる流れは
審査員に対しても好感が持てるものだった。

 一ノ瀬の優勝で終わりかと思いきや、その後の阿字野 壮介の腕を治すという流れは更に
予想だにしないもの。
 一ノ瀬の優勝により、阿字野の精神的救済はなされた感があったが、逆に一ノ瀬にしてみれば、
長年に渡る恩を返したい、阿字野に消えて欲しくないという思いを叶えるためにも、この行為は
良いやり方かなと。

 展開はともかく、その描写内容は相変わらずといった感じで、事象にしろ、キャラにしろ、
上っ面だけを描いているような印象。これは原作がそうなのか、原作からの取捨選択で
そうなったのか判らないけど。
 ショパン・コンクールでは一ノ瀬だけでなく、ライバルポジションの雨宮 修平を始め、
パン ウェイ、レフ・シマノフスキなどなど、他の多くの出場者にも光を当てているが、
中途半端な掘り下げで、その割にキャラ数だけは多いので個々の印象が薄まり、結果として全体が
平坦になってしまった印象。
 ただ、ピアノ演奏に演奏者の過去や心理状態などを浮き出させる演出はなかなか良かった。

 第二の主人公とも言えそうな雨宮 修平だが、一定の心理状態をキープしている一ノ瀬に対して、
とにかく心の揺れ動きが激しい。
 元々、自分の心の有り様が不安定なのに加えて、ピアノ演奏に関しては自分と回りの認識の
違いなどがより彼を不安定にさせているように思える。
 小学生のコンクールでは自身は一ノ瀬に対して敗北感を感じていたのに優勝してしまったり、
逆に本作のショパン・コンクールではピアノ開眼して会心の出来だと思っていたら選考から
落とされてしまったり。
 彼に関しては本当に面倒くさい子という印象だったが、雨宮の場合もその背景描写などが
もっと深かったら、また違って見えたかもしれない。

 「のだめカンタービレ」、「四月は君の嘘」などクラシック音楽をモチーフにした作品は
恋愛要素が絡むことが多いが、本作はそういった要素がないのが珍しい。原作だと一ノ瀬絡みで
多少あったような記憶があるけど。
 一ノ瀬 海絡みではなかったものの、母の玲子の阿字野に対する思いは海のことに関する恩とは
別に恋愛感情もありそう。もっとも自身の職業を顧みて、踏み込むことはなさそうみたいだが。

 音楽の方は相変わらず素晴らしいが、それに反して絵の方は1期に続いて、うーんという感じ。
 時間的制約が強いテレビアニメの場合、ある程度は仕方ないと思うけど、とにかく止め絵が
多すぎで、完全に絵が音に負けている印象。

2019/04/20
2020/10/15 追記

投稿 : 2020/10/15
閲覧 : 322
サンキュー:

3

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