「selector spread WIXOSS(TVアニメ動画)」

総合得点
66.7
感想・評価
583
棚に入れた
2979
ランキング
2673
★★★★☆ 3.7 (583)
物語
3.6
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.7

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

rie-ru.2 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

この願いは…

selector infected WIXOSSの続編。というか後半。
暗く、スッキリしない前作の雰囲気を漂わせながら、舞台は都市から少女の内心へと迫っていく。



行き当たりばったり、設定が崩れてる、とかいろいろマイナス意見もあると思うんだけど。
この作品に関しては、それがいい方向に作用している。

そもそもの黒幕が{netabare}ただの女の子{/netabare}であり、
物語の原理はSFでなくファンタジー、いやオカルトなのだ。
論理的な一貫性に欠けるのは当然。もはやその奔放さ、キャラを翻弄する点において一貫している。



そして、そのゆらゆらとした不安定さを修飾するのが本作の絵的なイメージ。
セレクターバトルが行われる空間、白窓の部屋、そうした「閉じられた場所」の描写が素晴らしい。
非現実めいて在りながら、戦いの場は激しく苦しみや歓びに溢れ、
イメージの最深部「白窓の部屋」は神秘と孤独に包まれている。

そんな、少女たちのないまぜになった心を映すものや、設定を通じて、主人公たちは核心に近づいていく。
前作、歪んだルールの上で踊らされていた彼女たちが、歪みの原因を、本当にすべきことを知っていく。
邪道に見えて、物語の芯はとても素直だと思う。



最後、主人公は{netabare}救える可能性のある人全てを救う{/netabare}という願いを告げる。
当たり前だけど、これはまどマギのラストと対立するわけではない。前提が違うのだから。

タマとユキという{netabare}黒幕の心の分身{/netabare}に触れていたから彼女はそこまで辿り着けた。
2クールの話数でしっかりと「選択を間違い挫折すること」「心のありようを知ること」を描いたからこそ、なのだ。
(そもそもまどマギは相手が相手だし…)

まどマギが{netabare}友達だけでない全てを救う物語{/netabare}なら、
本作は{netabare}救おうとすることで友達の、自分の願いを知る物語{/netabare}なのだろう。



ラストのただ爽やかな青空と、叶ったのか分からない最後の願いのイメージが、
翳っていた街をすがすがしく映しだしていた。

それが、私にはとても美しかった。

投稿 : 2019/05/16
閲覧 : 319
サンキュー:

3

selector spread WIXOSSのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
selector spread WIXOSSのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

rie-ru.2が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ