「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚 星霜編(OVA)」

総合得点
68.5
感想・評価
246
棚に入れた
1419
ランキング
2008
★★★★☆ 3.8 (246)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

るろうに剣心の一つの結末

2001年から2002年にかけて2つのソフトで展開され
後で1つのソフトにまとめられたるろうに剣心のOVA作品。
監督はTVアニメ版と同様に古橋一浩監督。

剣心の過去を描いた追憶編の実質続編と呼べる作品で
当時の原作漫画最終話後が描かれています。
回想として散りばめられた原作漫画準拠のエピソードは
原作とだいぶ雰囲気が異なり、本編での現在(明治26年)は
完全にアニメオリジナルエピソードとなっています。
追憶編同様かなりTVアニメ版より写実的で
印象深いキャラクターと風景とがとても美麗な映像となっています。


正直に申し上げますと追憶編以上に原作からかけ離れているため
とても観る人を選ぶアニメであると言えます。
視聴後に爽快感のかけらもない悲しい終わり方をするので
手放しに人に奨めたいとは思えません。

ただ、剣心が人斬りを償う生き方とそれを支える薫の物語として
一本筋が通っていて引き込まれます。
戦争のない世の中でも手の届く人々の笑顔を守る...
明治中期の世でそれを描くなら
疫病との戦いとなるのは仕方ないのかもしれません。
この時代は北里柴三郎先生など優れた医学者の方々が
医学を大きく進めていた過程の時代でもある訳で、疫病や疫病への偏見、
病に苦しみ人々が虐げられることなどもあったのだろうと想像できます。
そんな背景を思うと病に苦しむ人々に寄り添おうとする剣心の覚悟や
剣心と病を共有し、病床にある薫を支える恵の存在もまた眩しい。


ただ、そんな病に苦しむ姿だけではなくて
回想シーンで描かれる人誅編の顛末や元服する剣路のエピソードから
未来への祈りが感じられるのもまた本作の魅力と感じます。
明治26年(1893年)はまだ日清戦争前のはずなので
本来大陸から兵士が帰還してくるというのはおかしいかとも思いましたが、
剣路の元服する年齢に合わせたパラレルと思えば納得できます。


そんなこんなで本当に悲しい気持ちになるアニメではありますが
人によっては今の時代を一生懸命生きねばと思わせてくれる
そんな作品なのではないでしょうか。

るろうに剣心は当時のTVアニメや2012年頃の新劇場版
その後の実写映画版と映像作品が複数展開されていますが、
この星霜編もそうしたいくつかのパラレルワールドの一つとして
追憶編とセットで振り返る機会があって良いのではと愚考します。

投稿 : 2019/04/28
閲覧 : 368
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