「BAO(アニメ映画)」

総合得点
69.2
感想・評価
11
棚に入れた
31
ランキング
1817
★★★★☆ 3.7 (11)
物語
3.7
作画
4.3
声優
3.2
音楽
3.8
キャラ
3.7

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ネタバレ

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 1.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

親と子の確執

このアニメは、インクレディブル・ファミリーと
同時上映されていた短編アニメである。
調べた所によると、カナダ・トロントの中国人コミュニティを
舞台としており、シー監督自身が一人っ子で育った経験に基づいて
作られているようだ。

あらすじを一行で言い表すと、一人で暮らす中国系カナダ人
の女性が、食事用に蒸していた中華まんに命が宿った
ことにより、子供として育てるというもの。

日本のアニメで例えるならば、アンパンマンがイメージ
しやすいだろうか。とはいっても、マントをつけたまま空中で
パトロールをしたり、敵を倒すために強烈なパンチをかます
という事はないので、その点では安心して欲しい。

全体を通した感想だが、過干渉とはどういったものかを
上手くまとめている様に感じた。7分と短いながらも、子離れが
出来ない母はこんな感じなのかと視聴しながらしみじみ思った。
別の見方をすれば、このような子育てはしてはいけないよと
いった教材のようにも見える。

この作品における見所は、中華まんが成長していくにつれ
親子間の距離が次第に離れていったときの母親のアクションだ。
母親からすれば、善意なのだろうが、子供にとっては虐待に
繋がるケースになりかねない。主に目立った点は二つ。

一つ目は、サッカーに興味を示しているのにもかかわらず、
必要以上にボールに触れさせなかったこと。
二つ目は、恋人を紹介し、その後恋人と一緒に出掛けようと
したが、それを阻止したこと。

要は子どもを自分の所有物と勘違いをしているのだ。
親が子供をかわいがることは当たり前だとは思うし、
不安になる気持ちも理解できる。

だが、子供と親が同じ人格であるとは限らない。数年離れた
兄弟ならまだしも、20~30以上離れた親子なら、
考えていることは異なるのが通常だ。
それぞれの世代によって、価値観は大きく変わっているのに、
それを拒絶しようなどとすると確執が生まれるのは当たり前だ。

当然のことながら、この中華まんも次第に反抗するよう
になっていた。勝手に牛乳パックを持ち出し、豪快に口に
したり、大声で電話した後に友達と夜まで遊んだりしていた。
親からすればなんて反抗的なんだと思うだろうが、
反抗期が一切ないケースの方が危ないので
むしろ正常な反応だと言える。

最後はきちんと和解してるしね。まあ、ここで和解している
シーンがないとただの胸糞が悪いアニメで終わって
しまうので当然と言えば当然だが。

他のピクサー短編アニメと比較すると、大人向けの印象が強いが
子供が見ても普通に楽しめる作りになっているように思う。
子育てをしている最中、あるいは今後子育てをする予定の
方には一度見てほしいなと感じる。
個人的には良作だと思う。

投稿 : 2019/04/29
閲覧 : 397
サンキュー:

10

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