snow さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
今敏唯一のTVシリーズ<81>
2002年の千年女優から東京ゴッドファーザーズ、そして本作と連続で制作。
「作品作ってないと失業状態」を避けるためと本人は語ってるが、千年女優・東京ゴッドファーザーズが予算が低規模なのに見劣りしないのは優秀なスタッフを離さなかったからという話もあり。
15年前の作品ながらキャラクターデザインに古さを感じない。
明るいシーンでも画面が暗めなのが古さかな?
2003年の東京ゴッドファーザーズも同様で、暗さを感じないパプリカは2006年。
単に作風で色彩設計が異なるだけかもだけど。
都市伝説的な怪異である少年バットを中心としたオムニバス形式のシリーズで、構成がおもしろい。
3話までは各話ごとの主役的キャラの人生の行き詰まりに少年バットが現れる導入部分。
それぞれの人生は面白いがずっとこの構図かと思ってると4話では少年バットが逮捕されるという急展開をぶち込んでストーリーの縦軸をグッと進ませる。
そのまま7話まで各話の主役をだしつつも縦軸を進めて少年バットの容疑者が少年バットに殺害される混沌の極みへ。
8話からは縦軸を手放して独立したエピソードでより広い範囲に都市伝説を広げていく。
とくに8話は東京ゴッドファーザーズのような疑似家族ものでオチも少年バットじゃない怪異に着地しててお見事。11-13で物語の〆。日常の崩壊した刑事コンビ(パプリカにも出てなかったっけ?なオヤジとトグサ君っぽい若造)とやっぱ主人公だったか鷺月子が物語を着地させる。
ただ、この締め方があっさりしすぎてたかも。怪異ものらしく余韻は残してるが、原因がわかって解消というのは怪異は災害のメタファーと考えればたやすく凌がれた余韻になっちゃうかも。
あと、蛭川。警官として名声を得たのでヤクザはあきらめた、記憶を喪失したので同じく茫然自失の父親と寄り添っていくというところで終わりだったけか。親子の関係はそこで終わりではなく、もういくつか展開がほしかった。
魅力的なキャラが多いのでそんなこと言ってるとキリがないかもだけど。
10年早くSHIROBAKOをやった10話もそりゃ面白いですわよ、オホホ