haiga さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
俺達の夢の続き
今観終わりました。
いや~俺達世代には反則でしょ、これ。トウカイテイオーにオグリキャップ、ビワハヤヒデにスペシャルウィーク、そしてサイレンススズカ。競馬ブームのど真ん中の名馬達。胸が踊らない訳がないじゃないですか。
競馬界には重賞レースってのがあるんですね。
グレード3~順番に少なくなる程に格付けが上がります。1番上がG1レースです。長い競馬の歴史の中で必ず最強馬の議論になります。その参考にされるのがG1の勝ち数なんですね。皇帝シンボリルドルフが7勝、記憶に新しいディープインパクトやオルフェーヴルがそれぞれ7勝と5勝。オグリキャップが4勝だったかな。
でも俺達の世代にはG1を1つしか勝ってないのに最強馬の議論に上がる伝説の馬がいるんです。
その名はサイレンススズカ。4歳(今で言う3歳です。)クラシックでは振るわずに古馬になって開花した爆発的なスピードで2着に影も踏ませず勝利する最速馬。
競馬の脚質には一般的に、逃げ、先行、差し、追い込みって前から順番に馬群のどの位置が得意な馬かってのが決まっています。
人の陸上競技と同じで逃げといって先頭を走る場合はスローペースでリードを確保し、後続が気づいた時にはゴールに間に合わない、どちらかと言うと駆け引きが重要な走り方になります。
サイレンススズカは脚質的には逃げに当たるのですが、主戦武豊騎手曰く、逃げてるのではなくスピードが違いすぎるために飛び出してしまうだけだと言うのです。
その言葉通り最初にリードしたサイレンススズカは文字通りぶっちぎりのスピードでそのまま大差でゴールしてしまう衝撃のレースを見せつけます。
観ていた私たちはこの馬はどれほど強いのだろうか?今観てる馬は競馬の歴史を変えてしまう怪物なのではないかと思ったものです。
圧倒的一番人気で迎えた天皇賞・秋。前走毎日王冠でもぶっちぎりの強さを見せたサイレンススズカ。
最初の1000メートルを57秒台と圧倒的速さで駆け抜けた直後、突然の失速。悲鳴を上げる10万を超える観客。突然の故障発生。心配そうに飛び降りる武豊騎手。不幸にもサイレンススズカの足は粉砕骨折をしていました。四足歩行の大型哺乳類には足の骨折は致命傷です。すぐに殺処分が下されました。
観ていた私たちもあの馬がもしそのまま生きていたらどれほどの成績を残したか、ブリーダーズカップターフや、もしかしたら凱旋門賞で夢を見せてくれてたのではと.......。しかし夢はついえてしまったのです。
んで、馬娘です。なんとびっくり2人の主人公の内1人はスペシャルウィーク、そしてもう1人はサイレンススズカって言うじゃないですか。そりゃ私みたいな人が悪い評価をつけれるわけがないじゃないですか。
でもでも、綺羅星のごときスーパーホースの擬人化に、勝ったあとの可愛い馬娘のライブ。ちゃんとアニメの事をとてもわかった作り方。ちょいちょい挟まれる競走馬の小ネタ。熱いライバル関係と挫折や成長も描いた作りは普通に可愛い女の子の陸上アニメとしても良く出来てると思います。競馬に興味のない方にもオススメできます。
この物語ではサイレンススズカの天皇賞・秋以降を違う結末に描いてくれました。俺達の夢の続きを作ってくれて大感謝以外はありませんね。ありがとうって言いたいです。