「きみと、波にのれたら(アニメ映画)」

総合得点
70.8
感想・評価
101
棚に入れた
380
ランキング
1435
★★★★☆ 3.6 (101)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.4
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

fuushin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

まぶしくて、甘ずっぱくて、自分の足で立ってみて。

若い2人がサーフィンで恋を始める物語。

女の子はひな子さん、男の子はひなげし君。

"ひなひな" って言えば、できすぎですか?

実は、この2人、出逢いはもっと深いご縁があるようなんです。
種明かしは・・・興を削がれますね。
 

チラシの絵柄は、これからの季節を迎えるにぴったりのワンシーンが描かれていますけど、それだけじゃあありません。
春夏秋冬をきっちり使い分けて、これでもかっていうロケーションとシチュエーションで、お互いの愛を温めあうシーンがてんこ盛りです。

それはもう、観ている方が恥ずかしいやら、羨ましいやらのスキンシップ。

海の風景も、街の景色も、全部が二人の周りを素敵に演出する大道具。
もちろん、小道具だってぬかりなく演出に組み込まれています。

2人の周りにはいつだって波があって、会えばいつまでも恋を語らって、明るい愛の交歓がどこまでも昇華していくんです。

口を合わせて歌うことも楽し気で、時に軽やかに華やかに、未来は幸せであることを微塵も疑わせません。



でも、ひなげし君の突然の別れに、ひな子の歌声は沁み入るようにもの悲しくなり、口にすることさえも心苦しく聴こえます。


別れに向き合えないひな子は、彼への想いにしばられ、頼りきって、立ち止まってばかりいます。
とは言え、死と生の狭間に遺す恋愛感情は、いかにも栓ないこと。


ひなげし君は、彼女の自立をやさしく見守り、耳元でそっと励まし、いつまでも待ち続けます。
アンデルセンの "人魚姫" を感じさせる演出も、いかにも儚い。


もう、同じ波には乗れない2人。
もう、同じ時を過ごせない2人。


そんなひな子の生者としてのけじめが、どんなふうに描かれるのか。
女性としての独り立ちを、どんなシチュエーションで表現するのか。
湯浅監督がこだわった絵作りを、ぜひ劇場でご覧になってみてください。


本作に感情移入すればするほど、視聴後の満足感はたっぷりめです。
人によっては、はずせない作品になるでしょう。

決して大作というわけではありませんが、ちびっとマジカルなラブコメのジャンルなら申し分なく "キレイな良作" だと思います。


劇場の入りは、少し寂しかったですね。
もし可能なら青春カップルか熟年ペアでどうぞ。
世代を超えて、広く女性への応援歌ですよ。
男にも女性への心配りを応援されてる、かな。


最後までお読みいただきありがとうございました。
本作が、皆さまに愛されますように。

投稿 : 2019/06/23
閲覧 : 245
サンキュー:

20

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