「サマーウォーズ(アニメ映画)」

総合得点
88.1
感想・評価
4180
棚に入れた
21247
ランキング
130
★★★★☆ 4.0 (4180)
物語
4.2
作画
4.2
声優
3.7
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ヒロウミ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

かつてあった日本の原風景への憧れと現代っ子の人間性の希薄さに

やりたいことの大暴走!ひたすらワクワクドキドキ笑顔をくれる物語で皆に幸あれ!


ずーっと気になっていてやっと再放送で視聴できました。30年前には全く珍しくなかった「親戚一同の大集合」。誕生日会は無かったが盆正月は当たり前に母方の本家へ帰省しまたいとこ以上まで集まるもんだから相当賑やかだった。特に正月はお年玉で花札やトランプでおいちょかぶなどで大いに盛り上がり子供も大人も対等に勝負の世界にのめり込んでいた。今となっては狂気の世界ですけどW
たった20年前まで存在した家族の温かさは時間を追うごとに薄くなり、今では珍しくなったのはとても残念だ。


この作品の最大の魅力は「優しい家族愛」と「その愛を裏切らない」ことだろう。昨今の作品の「切ない」「儚い」「愛おしい」なのど感情表現が人間の闇を安易に利用したものが散見されるがそんなネガティブなもので描かれているものがない。
主人公とヒロインが物語の主軸のようで大きなウエイトを占めていないのにグイグイ引き込まれるのは周辺キャラクターがとにかくギトギトに濃い。宮崎のラーメンマンを思い出すほどの濃さで物語に食い込んでひたすら面白おかしいことを乱発する。風味付けにシリアス少々なのだが悲壮感で少しだけ気持ちを落とすが次のシーンでは嫌味が無いギャグシーンが織り込まれ良いバランスだった。

そんな日本の古き良き時代のオモシロ描写に対してポップに描かれた仮想世界の設定も10年前のものとは思えない設定で3DCGも惜しみないもので迫力も抜群にあった。頭からしっぽまで素晴らしい描写だった。
ストーリー、絵、音楽全てがマッチし明るく楽しく笑顔をくれたのだが唯一残念なところが中の人。天真爛漫でマイペースなヒロインにあえてするため下手な人を採用したのだろうがもう少し演技ができても良かったんじゃないのかなぁ・・・。終盤の中心人物の佳主馬もまるで外れなのがめっちゃ痛々しかった。仲里依紗も相変わらず合わないよねぇ。つくづく思うがやっつけ俳優にしろ何にしろ並みのものって10年存在しないよな。


そんな外れも大きく気にせず楽しめたこの作品。特に大ばあ様役の富司純子さんと万助役の永井一郎さんの味ある演技にはドハマりした。大ばあ様の大黒柱ぶりはこの物語に折れない幹を与えていると思う。
物語最後の笑顔は全うできた最期の描写で思うことが多々あった。30を超えてからは近い人間の葬式に出ることも増え様々な死に際と死後を目の当たりにし、自分の幸せな死の迎え方を考えるようになった。最期に自分はやり残しなく迎えられるのか?以前の仕事にかける時間と家族や恋人との時間は本当に妥当なのか?世話になっている人や友人とのかかわり方はこのままでいいのか?家族に迷惑かけないための施設に必要な費用や葬式、墓代など死ぬまでに金がいくら必要なのか・・・などなど。人はなぜ生きてるのか?というものに私は「幸せに死ぬために生きている」と断言する。
大ばあ様のような笑って迎える最期にするために私は今日を精いっぱい生きよう。

投稿 : 2019/07/20
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サンキュー:

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