退会済のユーザー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
決して避けて通ってはいけないこと
この作品を語るには、あまりに彼女の様な障害を持つ人達との接し方や知識を僕等は知らな過ぎる。
学校や社会、そして普段の生活に於いて、時折出会うことのある様々な障害を持つ人達。
一見して分かる人もいれば、全く分からない人もいる。
いざ直面した時、あなたならどうしますか?
彼女の様に可愛い聴覚弱者ばかりではないのです。
優しく手を差し伸べたいと思っても、周りを気にしたり、接し方が分からなくて何もしない人もいる。
そもそも関心を持つことが出来ない人や、毛嫌いさえする人だっている。
普段何気なく行っていることが、ある日突然麻痺し使い難くなることなど、人は考えたりはしません。
ましてや子供ならば余計に知る由もない。大人と言われる我々でさえそうなんだから。
同じ社会の中で共存しているにも関わらず。
出来ることなら面倒なことは避けたいと考えるのが普通です。
だから積極的にこの問題を教育に割く機会も多くない。
問題を国や社会に押し付けるつもりは全くありませんし、決して何もしていない訳ではない。
でも、幾ら法を整備したりしても、当事者への偏見や差別は一向に無くならないのが現状です。
障害を持つ人達が、懸命に社会に訴え続ける中、当然彼らもやり方や意識を変えていくべき事は
きっとあるでしょうし、同時に我々がやるべきこともたくさんあるのです。
そして「障害者は障害者らしく」という言葉が人々の気持ちの根底から消え、制限を減らさない限り、
絶対に解決することはない問題だと思っています。
人は温かく、時に冷たいものなのです。
この作品は美しくて素晴らしい作品です。
でも障害を題材にした以上、それだけで終わらせてはいけない深い問題が残ると思います。